sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

「Windows」

2024-05-13 | 写真
KYOTOGRAPHIEのフォトブックフェアフェアで買ったもう一冊は奥山由之さんの。
奥山さんの写真集は昔から見かけると手に取るし、買おうか迷うんだけど買ったのは初めてでした。
表紙で目につく「東京」の赤い文字に、ああそういうのはもういいわーとスルーしかけたら
ブースの人にすりガラスなんですよって声をかけられて、え?と。
すりガラス(を通した家の中)を撮った分厚い写真集で、
タイトルも東京ではなく「Windows」だった。
すりガラス(とその向こう)の景色が好きで、わたしも見かけると写真に撮ってるけど、
これもまたお弁当や裁縫箱的な「小さい世界に物が配置されてる様子」が
好きでたまらないわたしのツボなんですよね。
奥山さんは欧米と日本の家の窓というものの意味合いについてよく調べて書かれているし、
あと堀江敏幸さんの解説もあって、重くても買わずにいられなかった。笑

上田義彦さんのインドを撮った写真集を持ってるんだけど、
それはインドなのに全ての輪郭がぼけて抽象味を増した美しい写真で、
すりガラスにはそれと似た効果がありますね。
生活感も汚れもすりガラスの中にあると整った一枚の絵画のようになってしまう。
物事をなんでも美しく見えるようにしてしまうというのは世界を捉える方法としては
良くないかもしれないけど、世界の見方の一つとして楽しむのは構わないと思います。
いや、もう、ツボ。