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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:マリリン・モンロー 瞳の中の秘密

2013-11-06 | 映画


マリリン・モンロー好きなんですよねぇ。
若い頃の自分は、女っぽい感じも拒否してたし
ストイックで迷いのない感じに憧れてたので
マリリン・モンローにさほど惹かれなかった。
彼女には余分なものが色々纏わり付いてる感じがするから。

でも年を取ると、そういう弱さや迷いや余分なものこそが
なんだか愛おしくなるのですねぇ。
彼女のことを思うと切ない感じがします。

作家の伊集院静が昔、雑誌かエッセイかなにかで言ってたことがあって
それは、女の人が年を取って、体もこころもだらしなく弛んできても
そのだらしなさも、かわいいじゃないかと思う、というようなこと。
ああ、また食べちゃった、まあいいか、というような
自分に甘い女の人のダメさもかわいいじゃないか、と。
だらしなさなんて、もう人生の敵!でしかなかった
超ストイック志向わたしには驚きの言葉だった。
そこまで許しちゃうのか、かわいいと思えるのか、
大人の男ってすごいなぁ、
そりゃ、この人、モテるわ・・・、と。

それが自分が十分に年を取ってくると
その気持ちが何だかわかってきちゃいました。
マリリン・モンローに関しては、そういう気持ちもあります。

いえ、彼女はだらしない女ではなく
すごく真摯な努力の人という一面があったのは、
このドキュメンタリーを見なくても知っています。
でも、それでも彼女にはそれでは超えられなかったそれ以上の
弱さや揺らぎを持っていたと思うのです。
語弊があるかもしれないけど、いわゆるだらしなさのようなもの。
それが切ないのよねぇ。


映画は彼女の人生のドキュメンタリー。
未発表のノートかなにかが見つかったそうで、古い映像の合間に、
それを読む今の俳優の映像が挟まる感じで進んで行きます。
でも、この俳優たちのあまりにデジタルな感じのパキッとした絵柄というか
すっと立ってカメラ目線で語るようにナレーションするシーンは
今やYoutubeなどでよく見る、アメリカ人のプレゼン映像や
有名俳優に語らせるCMそっくりの既視感で
俳優たちがそれぞれ精一杯何かを表現しようと演技すればするほど
気持ちが冷めちゃう感じだったけどね、わたしには。

さらに、その見つかったメモは未発表だったにしろ
内容的には、よく知られてるマリリン以上の新しいものは何もなくて
これだけ書かれ語られ尽くした人についてのことは
やはりもう、新しいものはでてこないのかなぁと、ちょっと残念。

というように映画自体の出来は、たいして感心しなかったけど
彼女のスチール写真や映像をたくさんまとめて見ることが出来て
それだけでも、まあ値打ちはあったか、と満足しました。
錚々たるカメラマンたちに撮られたのだろうから
さすがに素晴らしい写真満載で、うっとり。
それだけで満足していい映画です。