ソクズ 2007-07-17 08:53:43 | 近所 市民の森の木々が途切れて草が生い茂っているところに、 背が高く白い花序をつけているのがいくつも見られた。 ソクズ(スイカズラ科) 昨年、町田の薬師池公園の近くで見つけて覚えたソクズだ。 ニワトコの木の花に似ているので、クサニワトコとも呼ばれるらしい。 ソクズに当てはめられる漢字はないが、漢名は翟(サクダク)だという。 (ダクは文字化けするかもしれない。くさかんむりに翟という字) 黄色い腺体があるのが特徴だ。 昨年の写真には、腺体から出る蜜が見える。
三つ葉と四つ葉 2007-07-16 08:38:52 | 近所 市民の森のあちこちで、 三つ葉から伸びた茎の先に薄い色の小さな花が咲いている。 多分ウマノミツバと呼ばれるものだろう。 良い写真が撮れなかったが、初めて知った花なので記事にしてしまう。 ウマノミツバ(セリ科) 両性花と雄花が一緒に咲くというのだが、小さすぎてよく分からない。 花弁は5枚あるというのだが確認できない。 ミツバ(セリ科) かわりに昨年撮ったミツバの花を載せておく。 ウマノミツバの実には小さな鉤が付いているように見える。 セリ(セリ科) 同じ仲間のセリは市民の森から少し歩いた水辺で見た。 ウマノミツバやミツバに比べると、 花もやや大きい上たくさん集まって咲いているので分かりやすい。 花のアップ 市民の森では、四つ葉の白い花も見られる。 ヨツバムグラ(アカネ科) 花弁も4枚、1mmちょっとの小さい花。ヤエムグラの花に似ている。 アカネの花はまだ見ていない。
台風接近 2007-07-15 08:33:29 | 近所 台風は沖縄・九州・四国から太平洋岸を進み各地に被害や混乱をもたらしている。 ここ横浜も雨が降り続いていて風も強まってきた。 それでも咲いたムクゲが濡れているのを窓越しに見る。 シラサギカヤツリは軒先において、台風の影響を受けにくくした。 近寄って見ると、 白いのは総苞で小さい花にオシベ・メシベがあるのが分かる。 風雨が早くおさまってほしいものだ。
カンナ 2007-07-14 08:27:34 | 近所 台風は九州に近づいている。 大型で速度が遅い上、日本列島を縦断しそうで被害拡大が心配だ。 カンナ(カンナ科) 夏になると、この花に存在感がある。 近所でもあちこちで、赤や黄色の花が咲き始めた。 カンナ科にはカンナ属しかないそうだ。 カンナのような葉をした水生植物が小石川植物園で見られた。 ミズカンナ(クズウコン科) 姿がカンナに似ているが、その仲間ではない。 昆虫が蜜を求めて花に口や頭を入れると瞬時に花柱を包んでいる器官が外れ、 音とともに花柱が飛びでるという面白い構造があるらしいが、 それと分かる写真が今年も撮れなかった。
ひらひらと 2007-07-13 08:45:29 | 近所 台風4号が沖縄に接近し、九州から本州縦断のおそれもある。 被害が少ないことを願う。 小さい花に目を凝らす気分でないので、少し明るい花を見よう。 ガウラ(アカバナ科) 別名:ハクチョウソウ、ヤマモモソウ ふつうハクチョウといえば白鳥だと思うが、この花の場合は白蝶草がピッタリだ。 ハクチョウソウの名前がポピュラーになっている感じがするが、 白蝶ではない桃色の花も咲く。 そのためか和名はヤマモモソウのようだ。 濃淡やそれによる模様にも変化が見られて面白い。
萩といっても 2007-07-12 07:13:47 | 近所 今朝はヒグラシの声で目が覚めた。 早春からずっといた鶯とバトンタッチするのだろう。 泉の森に、こんな木があった。 ヒトツバハギ(トウダイグサ科)というものらしい。 マメ科のハギは3枚の小葉がつく。 葉っぱがハギに似ているけれど、1枚ずつなのでついた名前だろうか。 その葉の腋から出た花が、もう実り始めているようだ。 ヒトツバハギは雌雄異株らしいが、雄花を見つけることが出来なかった。 来年の楽しみとしよう。 こちらはヌスビトハギ(マメ科)でハギと同様に3小葉がつくが、 木ではなくてヌスビトハギ属の草で2つつながった実の形が面白い。
穂で咲く花 2007-07-11 08:25:23 | 近所 いま市民の森では、さまざまな穂咲きの花を見ることができる。 アキノタムラソウ(シソ科) アキノタムラソウは森の中の日差しが少ないところでも、 つぎつぎと小さい花を咲かせる。 もっと小さい花のミズヒキ、キンミズヒキやハエドクソウも見られる。 入り口近くの小川の傍でたくさん咲き始めたチダケサシは、 泉の森で見たものより奔放だ。 チダケサシ(ユキノシタ科) 森の縁で明るい場所の草は、背が高く花の数も多くなるような気がする。 森を北西の方向へ抜けた道のそばでは、頭を垂れた白い花穂を見る。 オカトラノオ(サクラソウ科) 近い仲間で湿地に多いヌマトラノオは、このあたりでは見つけていない。 これは市民の森ではなく小石川植物園に咲いていたものだが、 トラノオつながりで付録とする。 イブキトラノオ(タデ科) オシベが長く、先日のオオイヌタデより華やかな花だ。
タケニグサ 2007-07-10 08:31:22 | 近所 既にいろんな方のブログで見せてもらったタケニグサ(ケシ科)。 近所でも市民の森の縁にだいぶ前から大きな姿を見せていた。 大きな葉の形が面白い。 団地の建て替えで空き地になっているところでも、 いつの間にか数が増えた。 2枚の白い萼が落ちると花弁がないところにオシベがいっぱいで、 その中に先端がピンクのメシベが見える。 前にオシベを数えたときは32本だったが、もっと多いのもあるようだ。 フワーっと白いのに誘われて、クマンバチなど虫たちが集まる。 なぜか上のほうにはカマキリも見える。 たくさんのオシベもすぐに落ちて、メシベが実り始める。 実ると重いのか房がぶら下がった形になり、 秋に枯れたのを振るとシャラシャラと音がする。
ニンジンボク 2007-07-09 08:59:55 | 近所 10m近い大きな木が薄紫色のベールに包まれているように見えた。 タイワンニンジンボク(クマツヅラ科) 近づいてよく見ると、花の形が面白い。 ニンジンボク(クマツヅラ科) その隣には咲き初めで花の数がやや少ないニンジンボクもあった。 葉の形が朝鮮人参に似ているのだそうだが、見たことがないので比べられない。 ほかにセイヨウニンジンボクもあり原産地が違うが、 それぞれを区別する特徴は知らない。 ムラサキシキブやクサギのような木もバーベナのような草花も クマツヅラ科の仲間だが、花の姿はそれぞれ個性があって面白い。 クマツヅラ(クマツヅラ科) 科の名前にまでなっているクマツヅラは、 ずいぶん細長い茎の上のほうに可愛い花序をつける。
駒繋ぎ 2007-07-08 08:13:33 | 歳時記 駒繋ぎ つながれしごと 人憩ふ (弦四朗) コマツナギが馬を繋ぎ止めておけるほど強いかどうかは分からないが、 山道を歩きつかれた人たちの心を和ませ、しばらく足を止めたことだろう。 マメ科の仲間らしい花に見える。
ノカンゾウとヤブカンゾウ 2007-07-07 12:26:26 | 近所 ノカンゾウ(ユリ科) 萓草(キスゲ)の仲間はどれも一日花だ。 中国では、その美しさに憂いを忘れるということから、 古くは忘れ草と呼ばれていたそうだ。 外側3枚、内側3枚の、計6枚の花弁(花被片)を持ち、6本の雄しべを持つものが、 ユリ科として分類されて、さまざまな形態の植物がユリ科に含まれる。 遺伝子的に近いものを、たとえばネギ科とかスズラン科などとする分類法もある。 それによればカンゾウの仲間はキスゲ科(ヘメロカリス)となるようだ。 ヤブカンゾウ(ユリ科) ヤブカンゾウになると八重で、花弁の数やオシベの数がユリ科の特徴から少し外れる。 オシベが花弁に変化して八重になるのだが、オシベが残るものもある。 オシベの数と花弁の数を合計すると12になるのかどうか観察できていない。
池のあたりで 2007-07-06 17:30:02 | 近所 シャシャンボ(ツツジ科)小小ん坊 泉の森で前から気になっていたシャシャンボに花が咲いていた。 小さな白い花はアセビやドウダンツツジにも似ているが、 ブルーベリーやコケモモなどと同じスノキの仲間だという。 しらかしの池のほうに行くと、 ヨシのあたりに浮かんでいるカイツブリの親子を見つけた。 遠すぎて肉眼では分からなかったが、4羽のヒナがいる。 両親が交代でもぐって餌を獲ってきているようだ。 だけど、ここには巣がない。 そばにいた人の話によると、 巣の近くにアオサギが来たために大慌てで避難したらしい。 そのまま羽を広げたりたたんだり、いろんなことをして居座っている。 トリミングで拡大してみると、親の上に1羽が乗っているらしい。 遠くばかり見ていたら、突然近くにカワセミが止まった。 下の嘴が赤いのは雌なのだそうだ。 何回か池面にダイブしたが写真には出来なかった。
オオイヌタデ 2007-07-05 21:52:36 | 近所 オオイヌタデ(タデ科) 海軍道路のすぐそばの休耕畑が、一面オオイヌタデで覆われた。 向こうの方に見えているのは、たしかトウモロコシだった。 イヌタデ(タデ科) ほかの草に混じってひっそりと咲いているイヌタデも 場所が良ければ一面に広がりそうだ。 ママコノシリヌグイ(タデ科) 花の姿はちがうけれど、 ママコノシリヌグイやタニソバなども同じタデ属だそうだ。
洋種山牛蒡 2007-07-05 07:57:53 | 近所 梅雨時から秋にかけて毎年お馴染みの花が咲き出した。 ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科) 近所の林の縁では、高さ2m以上で横にも大きく広がっている。 ヤマゴボウといっても毒があるので食べられないのが惜しい。 オシベもメシベも10本ぐらいあるようだ。 花序が長いので先に咲いたものからどんどん実り始める。 実は次第に紅くなり、秋には黒紫色になる。
ヒヨドリ・・・ 2007-07-04 09:14:06 | 近所 ヒヨドリジョウゴ(ナス科) ヒヨドリは大昔からどこにもいた鳥のようだが、 ヒヨドリジョウゴも古くから自生しておりホロシと呼ばれていたと言う。 ヒヨドリバナ(キク科) ヒヨドリバナはサワアララギの古名で万葉集にも出てくるそうだ。 よく見ると、この株は葉脈が黄色くなっていることに気づく。 ヒヨドリバナはウイルス(ジェミニウイルス)によって葉が黄変することがあるらしい。 舟山幸子さんという研究者の ウイルスに感染した植物の生理生態学 が参考になる。 そして、これは既に万葉の時代にもあった。 天皇、大后、共に大納言藤原家に幸す日に、 黄変(もみち)せる沢蘭一株(さはあららぎひともと)を抜き取りて・・に続いて 考謙天皇が下記の歌を詠んでいる。 「この里は継ぎて霜や置く夏の野に我が見し草はもみちたりけり」 この里はひっきりなしに霜が降るのだろうか。夏なのに草の色が変わっている。 すなわちヒヨドリバナの葉が黄変しているのを詠んだものとされている。