台中から島の中央部分に向かい海抜727mのところに日月潭がある。
周囲33kmに及ぶ台湾最大の湖だ。
ゆっくりしたいところだが、ツアーでは遊歩道を短時間で散策するのみだ。
モミジバヒルガオが咲いているのを見つけた。
下流にダムが建設されて水位の上がった日月潭に龍鳳宮と益化堂が沈んだという。
その二寺院が合併して文武廟が建立された。
学問の神様である孔子と文昌帝君、戦の神様の関聖帝君(関羽)のほか
仏教、儒教、道教の神々が一堂に集められている。
向かって右側の赤ら顔が関羽。
文武廟は1999年の大地震で前殿や鐘楼の倒壊など甚大な損傷を受けたが、
2003年に復旧工事が完了したそうだ。
昼食の後、台南へ向かう。
台南は台湾で最初の首府が置かれた街だ。
1624年にオランダが侵攻し台南を統治拠点に定め、安平古堡や赤崁楼を築城した。
清に滅ぼされそうな明を助けようと抵抗運動を行っていた鄭成功が台湾に渡り、
1661年にオランダを追放し、赤崁楼には最高行政機関である承天府がおかれた。
清の統治時代は荒廃していたが、1875年に海神廟が建設されるなど史跡公園に整備された。
赤崁楼に羽鳥又男の銅像が置かれていた。
羽鳥又男を日本による台湾統治時代の1942年に台湾市長となった。
戦時下の困難な状況で市政を掌握し業績を上げた。
特に孔子廟の修復、赤崁楼の改修、重要文化財の疎開や修理するなど尽力し、
今も台湾の人々から感謝と尊敬の念を寄せられているそうだ。
同じく台南市街に延平郡王祠がある。
オランダから台湾を奪回した鄭成功を祀り開山王廟と呼ばれたが、
修復や破壊が繰り返され1874年に延平郡王祠と改名された。
日本が統治時代には日本人を母とする鄭成功の忠君愛国の精神を宣揚し、
1895年に開山神社として改築した。
境内に立派なガジュマルの木があった。