ヤマハギ(マメ科)
40年以上も神奈川県に住んでいるが、丹沢山系を歩いたことはほとんどなかった。
子供が小さいころに大山に登ったことと、最近になって厚木や伊勢原に近い東丹沢で自然観察するぐらいだ。
思い立って西丹沢を歩いてみることにした。
といっても経験のない山を単独で登るのは危険なので、秦野市と松田町の境あたりの林道にしておいた。
三廻部入口あたりの民家の庭の彫刻。
小田急・渋沢駅から大倉方向へ歩く。大倉は塔ノ岳や三の塔などへの入口になっているところだ。
しかし今回は途中で左へ向かい四十八瀬川を渡って左右に田んぼ見ながら三廻部に入った。
三廻部は「みくるべ」と読む。地名の由来が気になる。
一説には昔このあたりに釈迦堂があって三回廻ってお参りしたとも。
難解な人名の一つに釈迦牟尼仏があり、その読みは「にくるべ、にぐろべ、みくるべ」などがあるらしい。
釈迦つながりで何か関係しているのだろうか。
古代、部というのは例えば「機織部、はたおりべ・・はっとりべ、服部」のように何かの職を行う集団であり、
後にはその職に携わる氏族集団の名称にもなっている。
秦野市は秦氏との関連もあるが、三廻部は何かの職に関連しているのだろうか。
当初は三廻部林道を歩くつもりだったが、分岐を間違えて中山峠に向かうことになってしまった。
住吉神社を過ぎたあたりに湧水があり、お地蔵さんが番をしていた。
飲み水としては推奨されていないみたいだが、汗だくで歩いているときにはありがたい水だ。
ゴルフ場や茶畑が続く土佐原林道を歩いていくと中津川に出た。安心して水遊びができる川のようだ。
中津川というと宮ヶ瀬湖に流れ込む相模川系の川と思っていたが、酒匂川系の中津川があるのを初めて知った。
川岸に咲いていた コマツナギ(マメ科)
このあたりは松田町の「寄」というところだ。
初めて来た場所で寄の読み方も分からなかった。
行政上は「やどりき」と読むらしい。ほかに「やどりぎ、やどろき、やどろぎ」などとも。
地名の由来は調べたが分からなかった。
ミツバアケビ(アケビ科)
寄から玄倉へ向かう秦野峠林道に入り、すぐのところで分岐している三廻部林道を歩くことにした。
分岐して林道はゲートが閉じていて車は通らないが自転車は数台と出会った。
浸み出した水が道路を流れるところが何カ所かあり、あるところで蛾が吸水していた。
蛾もチョウの仲間だから吸水に不思議はないが、見たのは初めてかもしれない。
途中、にわか雨が降り雷も鳴ったが、木の下の雨宿りでずぶ濡れにもならなかった。
三廻部地区あたりまで下りてくると杉林にいっぱいのヤブミョウガが見事だった。
ヤブミョウガ(ツユクサ科)
スタートで間違えた感じだが、結局は三廻部林道を歩きとおすことができた。
地図で測ってみるとおおよそ22kmほどだった。