塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 百番本謡本

2024-07-29 05:01:10 | ミュージアム巡り_2024
 続いて、「百番本謡本」(江戸時代、紙本雲母擂絵墨書、23.9/18.3
cm、10帖・38帖のうち、東京芸術大学所蔵)。白紙表紙に雲母摺り、
また表紙中央に金砂子、金銀泥絵を施した題箋を貼る帖装肉筆謡本。
 百番本の通称は、江島伊兵衛・表章「図説 光悦謡本」において、当
時所在の判明する同種謡本が合わせて100番あったことからつけられ
た仮称で、実際には百数10番からなる揃い本と考えられる。
 本書は複数の作者が制作し、節付体系も曲により異なり、料紙も一
様ではなく揃い本としては統一されていないところがある。
 表紙の雲母摺りは「観世身愛奧書謡本」をはじめ「後藤本」と共通
し、特に「花筺」の表紙、裏表紙に使用される「雷文蔓牡丹文」は
「桜山吹雪図屏風」に貼り付けられた色紙に同図様がみられる。

 さらに左右を反転させると「摺下絵千載和歌巻」の背面にみられ、
「上製本」の「杜若」表紙にも左右反転、上下逆状態で使用されたこ
とが確認できる。どちらも制作時期や環境が近かったことが伺える。
TNM(台東区上野公園13-9)
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