ふぉるもさキッチン(台湾厨房)

台湾あれやこれや、色々なトピックスをご紹介したいと思います。(すでに閉店してしまった施設、店舗もあります。悪しからず。)

野柳地質公園

2009-07-14 23:19:41 | お勧めスポット
 台湾の北海岸にある観光名所「野柳」。行かれた方も多数いらっしゃるでしょう。今回は縁あって、野柳を勉強する機会に恵まれましたので、詳しくご紹介しようと思います。


       
 野柳地質公園の入り口付近から海を眺めると、こんな山が見えます。これはヒトコブラクダがこっちを向いて座っているように見えることから「ラクダ岩」と呼ばれています。
でも、カタツムリに似ているという人もいるそうですよ。うーん、どっちに見える??


       
 チケットを買って入園すると、正面にこういう景色が見えてきます。この山を塵の専門用語ではケスタと呼ぶそうです。ケスタとは緩い傾斜と急な傾斜が交互に続く地形なんだとか。


       
 門を入ってすぐ右側には「体験石区」と書かれたエリアがあります。地質公園内の岩には触れることはできませんが(触っている人も大勢いるが)、ここではいくら触ってもかまいません。今年初めにできたコーナーです。


       
 海辺や地質公園内ではんな穴がポコポコ空いた所が幾つもあります。これを「壺穴(ポット)」と言うそうです。海辺にある岩場の表面は、風化作用によってへこんだ穴が空き、更にここに石が入り込むと、海水の動きで穴と石が強くこすれ、どんどん穴が大きく深くなっていくのだそうです。
 実際野柳に行かれたら、この穴の中をよ~く見てみてください。壺穴の中に石が入っていることがあるそうですので。


             
 これは「台湾岩」です。確かに台湾の形に似ているでしょ。ちょっと屏東に当たる部分が長いような気もしますが(笑)。でも、中央山脈の位置もあってるでしょ?


       
 こんな銅像も立っています。岩じゃないので見過ごしがちですが、これは林添禎さんという方の銅像なんです。
 1964年3月18日のこと、台湾大学の学生達が野柳に遊びに来て海岸で写真を撮っていたのですが、その中の一人で香港から来た留学生が誤って海に落ちてしまいました。この日は天気が悪かったそうで、うっかり足を滑らせたんでしょうね。その時、地元の漁師だった林添禎さんが助けようとして、海に飛び込みました。しかし、残念ながら二人とも助からなかったとのこと。
 しかし、自分の身を顧みず人を助けようとした話は感動を呼び、当時の総統蒋介石が林添禎さんの銅像を立てたというわけです。


       
 地質公園内の最初のエリアの遊歩道から園内の岩群を見下ろすと、こんな岩があるのをご存じでしょうか。これは「キングコング岩」です。横向きに座っているように見えませんか?


       
 このキングコング岩を反対から見ると、ほ~ら、こんなふうに全然違って見えますよ!2匹の犬がキスしているように見えません??


       
 こんな物も歩道沿いにあるんですが、知らなきゃ素通りしちゃいますよね。一見、羅針盤のようですが、これは台湾造船株式会社が作った船の速度計なんですよ~。もう今は使われていませんが、以前はこれと、ここから1.8キロ離れた場所にあるもう一つの速度計を使って、船が通り過ぎる時間を計っていたのだそうです。


       
 これも何気なく歩いて渡ってしまい、普通は見過ごしちゃうような場所です。だけどちゃんと名前がついているんですよ~。この橋の下の辺りを「シギナの洞窟」というんだそうです。シギナというのは台湾語で“悪ガキ”って意味なんです。
 昔、漁師さん達は生活が貧しいということを皆知っていたので、ここに来た観光客はこの橋の上から海に向かってコインを落としました。地元の漁師さんの子ども達はお小遣い稼ぎに、競って海へ飛び込みコインを拾ったようです。晩ご飯の時間になってもコイン広いに熱中してうちに戻ってこない子もいたので、親は「こらー、シギナ!晩ご飯にはうちに戻れ~!」と言いながら子どもを捜し回ったというわけで、こういう名がついたのだそうです。
 潮が満ちたらここはもっと深くなるんでしょうね。


       
 これは野柳のシンボルとも言える「女王頭(クイーンズヘッド)」です。どうです、イギリスの女王様の横顔に似ていますか。この岩の前で写真を撮る人がいっぱいいるので、今では写真撮影待ちの印があるほど。
 この岩は年齢がなんと4000歳くらいなんだそうですよ。そんな気の遠くなるような年月をかけて浸食が繰り返されてきたのですねえ。
 女王様の首は年々細くなっているようです。雨や風や日射しに晒されるだけでなく、人が触ったりするもんだからなおさら細くなるんでしょうね。今現在、首まわりは142センチと言いますから、あとどれくらいもつでしょうか。
 それで今はクイーンズヘッドの管理が厳しくなって、触ろうとする人がいたら係員さんから“ピピー”と反則の笛を吹かれちゃいますので、ご注意を!


       
 これは「仙女靴(天女の靴)」。海沿いの大きな岩の上に掘り出されたような不思議な岩の形は、確かにサンダルに見えますよね!長い年月を経て海水に浸食され続け、こんな面白い形になったとはびっくりです。
 この岩にも伝説が残されています。天女が魔物を退治しにこの野柳に下りてきたとき、うっかり靴を海岸に置き忘れてしまったということなんです。あわてん坊の天女だったようですね。


       
 これは「珠石(玉岩)」です。天女の靴の右下に見られます。完全な丸い形をしているので、「地球岩」とも言われるそうです。


       
 こちらは「ピーナッツ岩」です。(下の岩)殻に入った落花生に見えるでしょうか。


       
 これは「象岩」です。天女の靴の左手に見えます。満ち潮だったら海水が多くなって鼻の部分が見えないかもしれませんね。
 天女が魔物退治のため象に乗って野柳へ下りてきたのだそうですが、なんと天女は象に乗って帰るのを忘れちゃったらしいのです。それで象は今でも天女が迎えにくるのを待っていて、陸に上がれないのだとか。
 それにしても天女は天上界に帰るとき、どうやって帰っていったんでしょうねえ。象の立場は・・・・・


       
 これはちょっと写真を撮る角度が悪くてよくわからないと思いますが、「マリンバード」という岩です。正しい角度から見ると鳥が振り返っているように見えます。


       
 野柳地質公園内に多く見られるこのような岩を「蜂の巣岩」と言います。岩の表面に穴が空くのは、岩の中に含まれていた貝のかけらやウニのトゲなどが溶けたりするためなんだそうです。


       
 園内に多くあるのは「キノコ岩」もそうです。上が太い球状で、下が細い石柱みたいになっているので、キノコ岩と呼ばれています。キノコ岩の頭の部分はカルシウムを含んだ左岸層だったそうで、これは大変硬く、下の部分の岩よりも浸食を受けにくいため、頭でっかちの形に残ったのだそうです。


       
 こちらは「ドラゴンヘッド」。龍の頭のように見えませんか?


       
 ちょっとわかりにくいかと思いますが、これは「ライオンヘッド」です。中央の岩がライオンの横顔に見えるのですが・・・・


       
 これは「生姜岩」と呼ばれている岩です。岩の表面に縦横に交差した筋が幾つもあるのが特徴です。野柳にはこういった生姜岩がたくさんあります。ゴツゴツした外観や、色合いが生姜と似ていますね。


       
 これも生姜岩ですが、その形から「焼いた鶏腿肉」と呼ばれているそうです。網で焼いたような跡がついていて、美味しそうに見えませんか?


       
 これは「鶏の足」。これも生姜岩の一つです。


       
 野柳の岩場にはこのような赤みがかった色の化石もたくさん見られます。これは2200万年ほど前に砂や泥に埋もれたウニ!なんだかアートのようです。


             
 野柳岬ができる過程で、外からの力が加わり岩層にはたくさんの裂け目ができています。この裂け目のことを専門用語で「節理」と言います。狭く小さい節理もありますが、橋を架けなくちゃならないほど大きな裂け目もあります。写真の裂け目(節理)もかなりすごいでしょう?


             
 この岩にも名前があるんですよ~。なんと、「日本の芸者」っていうんです!そう言われれば、日本髪を結った女の人のうなじに見えますよね。


       
 この岩も野柳のシンボル「燭台岩」です。富士山みたいな円錐型の上に、ちょこんとポッチリがのっている様子が、ろうそく立てみたいに見えます~。硬さの異なった岩の組み合わせと、長い年月をかけた浸食により、こんなにも不思議な岩が出来上がったんですね。


             
 これも面白い岩、「アイスクリーム岩」でーす!アイスクリームが器に盛られたように見えません??


             
 このアイスクリーム岩を後ろから見ると・・・・こんな感じに!ほ~ら、この顔に見覚えはありませんか?そうそう、そうです!ET!


       
 野柳の地面にはこういった美しい模様の風化紋も多く見られます。雨などによって岩石の中の鉄分が酸化し酸化鉄になりますが、この酸化作用も浸食の程度によって微妙に変化します。それで、こんなに綺麗なグラデーションができるのだとか。まさに大自然が作り出したアートじゃあ~りませんか!


             
 野柳では岩だけじゃなくいろいろな植物もありますから、それも是非ご覧ください~!これは「タイワンナツメヤシ」です。


             
 海辺でよく見られる植物「グンバイヒルガオ」。葉っぱが相撲の行司さんが持つ軍配みたいでしょ!


             
 野柳地質公園から東に約1キロくらいでしょうか、移動するとこのような丘が姿を現します。四角く窓がくり抜かれていますが、これは自然にできたものかな?ちょっと登ってみましょうか。


       
 中に入って窓から外を眺めると、こーんな感じです。う~ん、良い眺め。秘密基地みたいだ~い!!

野柳地質公園への行き方
國光客運バスで:台北北ターミナルから金山方面行き 「野柳」で下車
基隆客運バスで:基隆駅前から金山、淡水方面行き 「野柳」で下車
淡水客運バスで:MRT淡水駅から基隆方面行き 「野柳」で下車

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