
動かないばかりか、リリーはバックを始めだしたのだ。
ランランとの距離は縮まっていき、リリーは完全にけんかを売
るつもりなのかもしれない。私の指示を無視するリリーをこれ
以上許すわけにはわけにはいかない。
・
ムチを順手に持ち替えると、「ビュー」と音がして「バシッ」
とものすごい音がした。「キャー」、ランランに騎乗していた会
員さんの悲鳴と共に、ランランも驚いて向きを変えてリリーか
ら遠ざかっていった。
・
先ほどの一瞬の出来事がなかったかのように、リリーは駈足の
スピードをあげていく。右回りから左回りをおこないながら、
巻乗りを加えてしばらく走り続けていく頃には、リリーは汗び
っしょりになり本日の騎乗時間終了となった。
・
馬装をはずして足の内太ももに水をかけてなると、熱を帯びた
太ももの熱がさめる音がした。「ジュワ」、リリーの顔がゆるん
で気持ちよさそうだ。顔にも水をかけてやり、最後にタオルで
体と顔を拭いてやってようやく手入れが終了した。
・
最後の大仕事は、足洗い場から厩舎まで連れて行くことだ。
リリーの横顔の目を見ながら歩いて行く途中、馬場の中にいる
他馬にけんかを売ろうとする一瞬を見逃さずに、リードロープ
を下に叩く。「ガシャン」するとおとなしくなる。問題は他馬が
いる厩舎前通るときが一番要注意だ。リリーの目を穴があくほ
ど見つめるとリリーはプレッシャーを感じたのか、始めておと
なしく通り過ぎて自分の馬房に入っていった。
今日のブログがよかったらクリックしてね
↓ ↓ ↓ ↓
下松市賃貸情報 http://www.sennenhome.sakura.ne.jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます