英の若者「住宅危機」

イギリスでは賃貸住宅の家賃高騰が止まらない。
長く続いた低金利政策で住宅市場が過熱したところに、コロナ
禍とその後の利上げで賃貸物件の需要と供給のバランスが大き
く崩れたことが背景にある。
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ロンドンに住む駆け出し俳優、トムさん（２５）の自宅は長さ
５ｍほどの「ハウスボート」だ。中心部に係留するボートは１
年半前にローンで購入した。船内は傷んでいたが、住めるよう
に自分でキッチンなどを整えた。
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俳優業はロンドン以外ではできないが、ロンドンの家賃は「ば
かげているほど高額」シェアハウスでも月額１５万円程になる
。俳優の稼ぎは１５万円しかなく、行きついたのがボートだっ
た。運河の両岸には、ハウスボートが軒を連ねイングランドと
ウェールズ両地方だけで３万２０００隻に上がる。
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英国では若いうちに小さな家を購入し、世帯の状況で大きな家
に買い替える慣行がある。ところが、コロナ禍前１０年間で低
金利環境は住宅市場の過熱を招き、賃貸暮らしを続けているう
ちに不動産価格がさらに上がって手が出せない。コロナ禍を経
て賃貸住宅の需給のバランスが崩れていった。
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英政府は住宅の整備目標を揚げているが、深刻さを増す住宅危
機をどう解決するか。７月の総選挙後に発足する新政権はさっ
そく手腕が問われる。



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