ネコと珪藻土

昨日Ｔさん宅へ道路から敷地に入ろうとすると、道路に一匹の猫
がいました。私を案内するかのように、その猫は私の前を悠然と歩いて
いきました。私が玄関ドアの前に立つと１ｍ先を歩いていた猫は、振り
返り私の様子をじぃーと見ました。「どうしたか、おまえの家か」という
と、その猫は近づいてきて私の回りを一周しました。一周した後、私を
見上げてきたので「そうか、遊んでほしいのか」というと「ニャーン」
と小さな声でなきました。そして私の回りをぐるぐる回り始めたので、
頭を少しなぜてやると、今度は安心をしたのか、私の足にまつわりつい
てくるようになりました。私のカバンのポケットには、珪藻土の玉石が
入っていたのでこの猫に見せてやろうと思いました。
珪藻土は今から２０００～３０００万年に、植物性プランクトンが海底
に堆積して化石化したものです。それが隆起して陸地になり、日本の数
ヶ所で珪藻土が取れているわけです。珪藻土には百万分の１ミリ単位の
穴が無数にあいていて、これを部屋の壁に塗ると、その穴が湿気を吸っ
たり吐いたりして室内の湿度の調湿をしてカビ、ダニの発生をおさえま
す。特にアトピーの人には、おすすめ壁材として喜ばれています。
カバンから取り出した珪藻土の玉石を猫に見せると、近づいてクンクン
とにおいました。そして、不思議そうな顔をしました。この珪藻土は、
海の底の深い先祖からの贈り物のようなものです。懐かしい香りのする
珪藻土を欲しそうにしたので「あげられないよ」と言うと、それでも猫は
欲しそうに「ニャーン」となきました。どうやら珪藻土のすごさが猫にも、
わかるようでした。

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