中小企業脱炭素化へ

銀行が中小企業の脱炭素化支援に本腰を入れ始めた。
温室効果ガス排出量の測定を促したり、排出の削減量に応じて
金利を優遇したりする動きが広がる。背景には、取り組みが進
んでいない企業に資金提供を続けると、銀行も株主から批判さ
れかねないという危機感がある。
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岩手県の老舗酒造「南部美人」で７月、桶から搾った生酒をタ
ンクに移され、ヒーターで熱す「火入れ」を経て常温保存でき
る日本酒となる。酒蔵ではヒーターや巨大な冷蔵貯蔵庫を使う
ため、電気代は月１００万円を超える。そこで６月に、岩手銀
行からの提案で、温室効果ガス排出量の測定システムを導入し
た。排出量と電気代の削減につなげる狙いがある。
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「酒造りでも脱炭素に配慮しないと、顧客が離れかねない。ま
ずは現状を把握したい」と酒造メーカー。さらに岩手銀行は
「南部美人のような地域の象徴的な企業が脱炭素に取り組むと
、回りの企業への波及が期待できる」と話す。
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山口銀行が手がけるのは脱炭素に向けたコンサルティングだ。
中小企業にはノウハウがなく、何から始めたらよいかわからな
いケースが多いため、計画測定から対策、分析までを一貫して
支え、必要な設備投資の融資も行う。
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中小企業にとって脱炭素化の最大のハードルは費用面だ。金融
機関がしっかりと促し、支えていけるかが問われている。






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