中国を代表する家電、パソコン、自動車産業の低コストの秘密 第8回
第三章 パソコン産業ー同質化の行き着く先
日本産業は「閉じられた垂直分裂」や「統合型インテグラル」製品を志向するのに比べて、中国企業は「オープンな垂直分裂」や「モジュラー型」製品を志向する。1981年IBMは自分のパソコンの仕様を公開してソフト開発会社の自由な参入をねらった。そしてIBMはアメリカでトップシェアーを獲得したが、同時にIBM互換機が次々に登場した。1988年にはIBMの世界シェアーは四分の一に低下した。1984年中国のレノボはIBM互換機に差し込んで中国語入力できるソフトを開発した。1990年にはいって中国はIBM規格を受け入れパソコンの生産をj始めた。大学のベンチャー企業が参入し、マザーボードからHDD、デイスプレー、メモリーなど部品を組み立てるキット式のブランドなし(兼用機)のパソコン生産であった。そしてソフトは違法コピーが重要な競争手段である。基本ソフト料がただなので安く出来るわけである。兼用機はブランド品に比べて二から三割安い。中国国産パソコンは1990年には30%に過ぎなかったが1999年には50%を占めた。つまり中国のパソコンは全部海賊版ソフトを前提としているので、国際特許法上から極めて遺憾な状態である。中国の四社のパソコンメーカーの利益率は3%以下で赤字のメーカーも多く、開発投資ゼロの企業は薄利多売に苦しんでいる。パソコン販売店の四分の三が組み立てサービスを行っている。キット式で買った人が組み立てるのではなく、販売店が組み立てて無料の違法コピーソフトを入れてくれる仕掛けになっている。中国パソコン市場には卸と小売の区別は明確ではない。勿論日本のような系列店はない。製品価格はすべて市場で決まるのである。日本の大手パソコンメーカーは小型化、画質、テレビやオーデイオ、電話など機能を付加することで差別化を図って来たが、中国の兼用機では組み立てに便利なデスクトップ型が85%を占める。中国のパソコン業界は価格競争で農村向け低価格製品に流れる一方、IBMの買収にみるようにブランド化も志向しているようだ。
第三章 パソコン産業ー同質化の行き着く先
日本産業は「閉じられた垂直分裂」や「統合型インテグラル」製品を志向するのに比べて、中国企業は「オープンな垂直分裂」や「モジュラー型」製品を志向する。1981年IBMは自分のパソコンの仕様を公開してソフト開発会社の自由な参入をねらった。そしてIBMはアメリカでトップシェアーを獲得したが、同時にIBM互換機が次々に登場した。1988年にはIBMの世界シェアーは四分の一に低下した。1984年中国のレノボはIBM互換機に差し込んで中国語入力できるソフトを開発した。1990年にはいって中国はIBM規格を受け入れパソコンの生産をj始めた。大学のベンチャー企業が参入し、マザーボードからHDD、デイスプレー、メモリーなど部品を組み立てるキット式のブランドなし(兼用機)のパソコン生産であった。そしてソフトは違法コピーが重要な競争手段である。基本ソフト料がただなので安く出来るわけである。兼用機はブランド品に比べて二から三割安い。中国国産パソコンは1990年には30%に過ぎなかったが1999年には50%を占めた。つまり中国のパソコンは全部海賊版ソフトを前提としているので、国際特許法上から極めて遺憾な状態である。中国の四社のパソコンメーカーの利益率は3%以下で赤字のメーカーも多く、開発投資ゼロの企業は薄利多売に苦しんでいる。パソコン販売店の四分の三が組み立てサービスを行っている。キット式で買った人が組み立てるのではなく、販売店が組み立てて無料の違法コピーソフトを入れてくれる仕掛けになっている。中国パソコン市場には卸と小売の区別は明確ではない。勿論日本のような系列店はない。製品価格はすべて市場で決まるのである。日本の大手パソコンメーカーは小型化、画質、テレビやオーデイオ、電話など機能を付加することで差別化を図って来たが、中国の兼用機では組み立てに便利なデスクトップ型が85%を占める。中国のパソコン業界は価格競争で農村向け低価格製品に流れる一方、IBMの買収にみるようにブランド化も志向しているようだ。