医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

女性は心筋梗塞で胸痛がないことが多く死亡率が高い

2012年05月06日 | 循環器
急性心筋梗塞の発症は男性の方が多いのですが、一旦発症すれば女性の方が予後が悪いということが分かっています。最近、それらのことを大規模に調査した研究が発表されました。

Association of age and sex with myocardial infarction symptom presentation and in-hospital mortality.
JAMA. 2012;307:813-22.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)

1994年から2006年の間に急性心筋梗塞で入院した114万3,513人が調査の対象となりました。男性の発症平均年齢は67歳であるのに女性の平均年齢は74歳と、女性の方が有意に高齢でした。

受診時に胸部痛や不快感のなかった患者は男性が30.7%であるのに対して女性は42.0%で、女性の方が典型的な症状がない割合が有意に高くなりました。

女性が男性と比較して何倍症状のない場合があるかは、年齢に関係していて、45歳未満では男性の1.30倍、45歳~54歳では1.26倍、55歳~64歳では1.24倍、65歳~74歳では1.13倍、75歳以上では1.03倍というように、若い患者ほど症状のない割合が多くなりました。

院内死亡率は男性が10.3%で女性は14.6%と、女性の方が有意に高くなりました。

急性心筋梗塞の予後が女性の方が男性より悪いのは、女性の方が胸部痛や不快感などの症状がない場合が多く、積極的な治療の開始が遅れることが原因ということが証明されました。

急性心筋梗塞は心電図され施行すれば診断できますので、女性の皆さんは心筋梗塞に典型的な症状がなくても心電図を施行してもらいましょう。

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