寒の雨 亜紀子
芥狙ふ鴉も仕事始かな
今朝の富士雲の真綿を被てをりぬ
百合鴎夕焼うするる京の空
うすずみの如き交はり寒の雨
冬ぬくき母の口ぐせありがたう
受験子の列雪雲も押し移り
くぐるたび真白に現るる巫女秋沙
両の耳音で蓋して冬の街
自転車の稽古ころぶな寒四郎
庭草に霜の花噴く寒さなり
蝶番きしむ寒中体操に
早番の子に凍て星のさめゐたり
ささくれて春を待ちをり唐楓
飛梅と立札たちぬふふみをり
鶺鴒の忙しせはしと寒ゆるぶ
寒の雨 亜紀子
芥狙ふ鴉も仕事始かな
今朝の富士雲の真綿を被てをりぬ
百合鴎夕焼うするる京の空
うすずみの如き交はり寒の雨
冬ぬくき母の口ぐせありがたう
受験子の列雪雲も押し移り
くぐるたび真白に現るる巫女秋沙
両の耳音で蓋して冬の街
自転車の稽古ころぶな寒四郎
庭草に霜の花噴く寒さなり
蝶番きしむ寒中体操に
早番の子に凍て星のさめゐたり
ささくれて春を待ちをり唐楓
飛梅と立札たちぬふふみをり
鶺鴒の忙しせはしと寒ゆるぶ