Nonsection Radical

撮影と本の空間

シャブ中容疑で逮捕確実

2010年03月04日 | Weblog
某月某日
いつものごとく一人で残業をしていたが、注射器の具合が悪くなった。
予備の注射器はすべて使ってしまっていた。
予定では明日金曜日の夜に買い出しに行く予定だったが、それまでもたなかった。
さてと、時計を見ると7時半過ぎだ。
一瞬の考察の後、帰り支度を始めた。
もちろん帰るわけでない。
注射器を買い出しに行くのだ。

何をしているかというと、直径1.2mm、深さ1mmの穴を埋める作業をしているのですな。
試行錯誤の末、注射器に穴埋めインクを入れて、穴に注入していくのが最適とわかった。
それでヨドバシの模型売り場に行き、接着剤注入用の注射器を以前買ったのだ。
たまたまハンズへ行くとテルモの注射器が売っていて、こちらの方が安かったので2個だけ試しに買って、現在はこちらを使っていた。
正確には注射器と言わず、テルモシリンジ ツベルクリン用と言う。
一回限りの使用なのだが、注射するわけではないので、詰め替えて使っている。
しかし4回詰め替えると中のパッキングが壊れる。
4回で6500個の穴を埋める事が出来る。
いくつ埋めるかって?
160000個だよ!
16万個。
16マンコ!
これを今月中にやれと言われるのだが、計算上無理である。
無理だが、やらずに無理と言っても無駄なので、やって無理だと理解させるしかない。
現在1時間に600個埋める事が出来る。
この作業を延々顕微鏡を見ながら続けるわけだ。
1時間に600個。
10時間で6000個。
100時間で60000個。
ざっと266時間かかる。
もちろん普段の仕事をした上の作業だから残業だけが頼りだ。

バスと電車を乗り継ぎ、ターミナル駅の東急ハンズに行く。
計算上はあと22個注射器が必要なのだが、とりあえず15個購入。
注射器には針は付いていない。
注射用の針は売っていない。
悪用する人がいるからだ。
そのかわり針先が尖っていないものが注入用に売っている。
世の中にはこんなに穴埋めする人がいるのか?と思うが、もちろん接着剤用だと知っている。

で、購入後また会社へ戻ると午後9時をすぎるので帰る事にした。
街なかを歩く時には、いかにも紳士らしく颯爽と右手と右足、左手と左足を同時に出して歩いた。
なにしろ大量の注射器を持ち歩いているのだ。
不審人物に思われ職務質問、持ち物検査となると「多量の注射器発見!シャブ中容疑者確保!」となってしまう。
16万個の穴を埋めるためだと説明して、誰が納得してくれよう。
オシッコを採取されても覚せい剤反応は出ないが、糖尿病の反応は出るかもしれない。
それはそれでかなりのショックだ。
糖尿病の反応は出なくても、加齢のためにかなり濃くなっているので嫌みのひとつも言われよう。
用心に超した事はないので、普段より明るく、陽気な日本人を演じるのも専守防衛の知恵なのである。

satoboはシャブ中ではない。
仕事中毒なのである。
コメント (11)
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