主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
6年モノ
何事も熟成というのは大切だと存じますが…。
モノには限度ってモンがありますやね。
というわけで、今日のタイトルは6年モノのブレーキフルードです。
【まっ茶色なブレーキフルード交換記事です】
と、ブレーキフルードと申しましてもピンと来ない方も
おいでかと思いますので、念のため補足させて頂くと、
油圧で動作するブレーキに利用する作動液の事であり、
グリコール系のフルードは非常に吸湿性が高く、
ガレージなどで保管するとすぐに水を吸って性能が落ちます。
ゆえに、一度開封したものは何年も持つ訳ではないのですよね。
さて、なんでまた急にブレーキの話かと申しますと、
”ある時点”を境に、
フロントブレーキを積極的に利用した走り方をするようになりました。
その結果、”効く”とか”効かない”とかではなく
”思い通りにコントロール出来る”事が以前より更に重要化しまして
フロントブレーキに対する意識が変わっています。
無論、ブレーキ自体はサスペンションとタイヤを含めた一連の装置なので
他の部位に関しても同様の事が言えるのですが、
ことブレーキレバーの感触と、それと同期した作動を望んでいます。
前回のメンテは凡そ半年前ですが、
ここ最近に至り、明らかにフィーリングが悪化していたので
メンテナンスを行うことにしました。
それでは早速…とその前に。
先ずは先日の雨で若干汚れた車体を洗い流します。
スタンドでリアを上げると、途端にレーシングマシンのような風情に。
既に10年は経過しているメンテスタンドが錆びていますね。
最初にMC18のNSRを買った時に、港北のNap'sから担いで帰ったのも良い思い出。
以前から気になっていた油圧クラッチのフルード交換もしてしまいましょう。
定期的に交換を行ってはいる部位ですが、
CBRのそれはあっという間に汚れます。汚れの原因は諸説ありますが、
ブレーキシステムと違って元々の容量も少ない上に、
”エンジンの熱に曝される部分にスレーブシリンダがあるので劣化が早い”、
”マスターシリンダ部分のモリブデングリスが溶けだしている”
などと言われています。
ブレーキ程問題にはなりませんが気分的によろしくないので交換。
交換前
交換後
スレーブシリンダは、サイドカウルと共締めの遮音カバーの内側です。
この構造の所為でサイドカウルまで外すか、ずらさないと作業が出来ません。
手製のキャッチタンクを取り付け、作動油をカップから送り交換します。
この写真にも写っていますが、赤褐色の液体が飛び散っています。
これ、タンクの水抜きが上手くゆかず溜まって錆びたもの。
構造上、ブリーザーチューブが曲がりくねっているので
タンクを降ろした時に付け根に負荷が掛かり折れ曲がるのです。
曲がっていたのがコレ。よく曲がります。
折角外したので熱を加えて癖をなおし、再利用します。
クラッチマスターシリンダの作動も問題ない事を確認し、
次はブレーキです。
まずはフルード交換の前にキャリパの清掃とピストンの揉み出し。
この辺りの作業は、最早語るまでもない程度の作業なので割愛。
清掃後。それにしても減らないパッドです。
ZCOOのTypeC、レーサーの方から勧められて買ったのですが
”耐久レースで使っても消耗しきらない”というのは本当なようです。
それでも効きに不満が無いので非常に良いパッドだと感じます。
CBR1000RRのブレーキディスクは弱くて有名ですが(特にSC57後期)
ディスクそのものへの攻撃性も今のところは認められません。
20,000km程利用しているキャリパーですが、
定期的なピストン周りの清掃と揉み出しを行った上で
ダストシール手前にグリス溜まりを作ってありますので
ピストンシールが劣化している手応えはまだありません。
ピストンもピカピカで良い状態ですね。
全く問題ないのでシール交換は見送ります。
左右のキャリパーのメンテを終え、デジラチェで締めた後は
ブレーキ側の作動油の交換を行います。
6年モノのブレーキフルード(HONDA純正DOT4)を押し出しに利用し
途中で足りなくなった分は、ホームセンターで新しいものを購入。
経路の作動油を全て新しいものに置換してゆきます。
交換前はこんな感じ。これもスッキリと透明になりました。
キャリパのピストン位置を適切な場所まで押し出した後に適量を補充。
ブレーキタッチも改善され好感触です。
作業後は、全体をたっぷりの水で洗い流すのも忘れずに。
ここまでで、主なメニューは終えるつもりだったのですが
定期的にクリーニングをして使い回していたものの
流石に限界だったエアクリーナーを交換することにします。
BMCなどの社外品も考えたのですが、SC57型CBR1000RRのクリーナーは
容量的に余裕がある作りなので敢えて純正をチョイス。
タンクカバーを外し、タンクを跳ね上げてから
ECUを取り外し、エアクリーナーボックスの蓋を開けます。
銀色に見える円筒がエアクリーナーエレメントです。
同じ形状のものが2個使用されており、吸入面積はかなり広めです。
エレメントを取り外し、ホルダを外した後で新品と比較。
左が古いもの:右が新品です。
敢えて慣性で飛んだ塵で汚れた面を写真で撮っていますが、
新品と比べると吃驚するぐらいに汚れていますね。
エアクリーナーボックスを清掃した上で、
新しいエレメントにホルダを取り付けて座面にエンジンオイルを塗布。
2つとも綺麗なものになりました。
外したパーツを戻し、
タンクのドレンチューブの配線に留意しながら組み付けます。
タンクカバーの無い状態でエンジンをかけ、
作動に問題が無いことを確認してから全てを戻してゆきます。
そういえば、普段はTANAXのタンクバッグベースが付いているので
タンクキャップ周りに何もないというのは珍しかったりします。
今日の作業はここまで。
いくつかの懸念事項がクリアされたので気分が良いですね。
この週末はバイク的な意味で忙しくなりそうなので
早めの作業が出来て一安心という所。
長いこと使い切っていなかった6年モノのフルードも終わってスッキリです。