癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

『北海道中央分水嶺踏査記録』

2007年01月06日 | 登山・旅行
 1/3の檜倉岳でご一緒させていただいた函館在住の日本山岳会会員のU氏より、貴重な氏自らの踏査報告も掲載されている『北海道中央分水嶺踏査記録~宗谷岬から白神岬まで~』(日本山岳会北海道支部発行・2006年10月14日出版)を戴いた。

 この本は、日本山岳会創立100周年記念事業である日本列島中央分水嶺踏破計画のうち、北海道支部が2004年~2006年の2年半で、宗谷岬から白神岬までの約1130kmを踏査回数201回、延べ参加者968人を掛けて、1本の線で繋いだ貴重且つ壮大な記録である。

 その分水嶺上に登山道があるのは極々わずかで、ほとんどは藪に覆われ、高度な登はん技術が要求される岩稜もある。当然夏期の登山は限られ、そのほとんどは積雪期に集中して行われたものである。しかも、この計画に参加した会員の平均年齢が64歳というから、これまた凄い!

 昨日から、取り合えず「道南」の部分だけであるが、PCでカシミールの1/25000地形図と照合しながら、全コースをじっくりと読ませていただいた。 

 「道南」は276kmで延べ85日を要している。そのうち60代後半のU氏とやはり檜倉岳でご一緒した70代のKa氏とのコンビで半分以上の150km(姫待峠~白神岬ほか)を踏破しているのが凄い。もちろん何度にも分けてであるが、積雪期の林道は奥まで入ることができず、分水嶺の距離以上にそのアプローチの長さが何倍にもなる・・・夜明け前にスタートし、日が暮れてからの下山はしょっちゅうで1日12時間以上の行動時間はざらである・・・熊とのニアミスも数多い・・・信じられない体力・気力と情熱と責任感である。

 さらに敬意を払いたいのが、分水嶺に到達するまでと、踏査後に下山するための地図上でのアプローチルート工作である。特に道南の場合、その情報など皆無に等しい。読んでいて、その努力にも頭が下がる。

 先日、U氏とKa氏から直接聞いたことであるが、「それまでは、登山道の整備された山ばかり登っていたので、この様な登山は初めてだった。」と言うから、これまた、日ハムのヒルマン監督ではないが「シンジラレナ~イ!」

 また、お二人以外の記録ではあるが、高度な登はん技術を駆使しての、私には絶対無理な難関・雄鉾岳北峰~割岩前後、岩子岳南稜、沖沢山南稜などの突破は圧巻である。

 中には、私の積雪期の今後の計画に入っている山も多くあり、大変参考になるとともに、まだまだ生ぬるい自分の山に対する姿勢の反省とまだまだ進化できる希望と夢を与えたいただいたことに心から敬意と感謝の念でいっぱいである。

 さらに、このお二人以外にも、記録を見ると、親しくお付き合いいただいている北海道山岳界の重鎮やHYML仲間も名前を連ねているのがうれしい。特にmy掲示板に、私のトワルタップコップの記録が役に立ったと、キムンタップコップとトワルタップコップ踏査の報告をご丁寧に書き込んでくださり、びっくりさせられた、重鎮の札幌のYa氏も70代のはずである。氏も両山の更に詳しい報告を掲載しておられる。