あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

あを雲の涯 (十八) 林八郎

2021年07月07日 07時19分15秒 | あを雲の涯 (獄中手記、遺書)


御母堂との面会の時、林は優しく慰めの言葉をかけて
「 お母さん 泣いてもいいですよ 」
と いったという。

母への遺詠
御心をやすむる時もなかりしが
  君に捧げし此身なりせば
母上様に捧ぐ
昭和十一年七月十一日
八郎


不変の盟

鬼となり神となるともすめろぎに
  つくす心のたゞ一筋に
すめろぎの隈なき光みつれやと
  たぎる血汐に道しるべせん
焰峰生  林八郎書

遺詠
不惜身命
為  松下孝君
焰峰  林八郎
・・・同期生に宛てたもの
・・・林八郎 『 不惜身命 』 


林八郎  
ハヤシ ハチロウ
陸軍歩兵少尉
歩兵第一聯隊
大正3年9月5日生    昭和11年7月12日銃殺
陸士47期生 池田俊彦 常盤稔 清原康平 鈴木金次郎 と同期


結末は吾人等を踏台に蹂躙して幕僚ファッショ時代現出するなるべし。
あらゆる權謀術策を、陛下の御名によって弄し、
純忠無私、熱誠殉國の志士を虐殺す、國體を汚辱すること甚し。
御聖徳を傷け奉ること甚しい哉
吾等も死すれば不忠となる。 斷じて死せず
吾等の胸中は明治維新の志士の知る能はざる苦しみあり、憤あり。
如何に師團を増し、飛行機を製るも正義を亡し、國體を汚して何の大日本ぞ
大日本は神國なり、不義を許さず。
勢の窮まるところ最後の牙城を倒す時に眞の維新來るなり
・・・
林八郎 『 一挙の失敗並に成功の真因 』 

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