上砂理佳のうぐいす日記

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悪は存在しない(のか?)★

2024-05-11 | うぐいすよもやま日記
★画像はYahooニュースよりお借りしました。

「ドライブ・マイ・カー」で知られる濱口竜介監督の映画「悪は存在しない」を見てきました。
新聞で「絶対見るべし!」とあったのですが、平日にもかかわらず満席に近く。やっぱり賞の影響力もあるのかな。

冬木立を下から見上げた、どんよりとした灰色の空から始まり、うっかりすると寝てしまいそうな文芸調の空気。タイトルが英語なので、最初っから世界で公開することを見据えた作りです。

雪の残るうっそうとした森で、ひたすら薪を割る中年の男。ログハウス的な家が後ろにあり自宅でしょうか。
男には8歳くらいの女の子がいますが、母親の姿はありません。女の子は森の妖精のごとく、自由に木立を駆け氷の張った池へ遊びに行きます。

山の上から流れてくる水は澄んでいて、主人公の男は汲んでポリタンクに詰め車まで運びます。
都会から移住して飲食店を営んでいる若めの男が途中で作業に加わり、彼の店のために水を汲んでいたことがわかります。
銃声が響き、遠くで猟師が鹿を撃ったのでしょう。それが日常のようです。寡黙な主人公の男は「山暮しを何でも知っている達人」のようでした。

そんな暮らしに割り込んできたのが、ここでグランピング施設を作るため住民説明会にやってきた、東京の男女二人。芸能事務所の営業の男と女優志望の若い女の子でした。
なんで芸能事務所が絡むのかよくわかりませんが、そんな仕事も請け負わねばならないくらい、会社が傾いているのでしょう。
説明会では当然、環境破壊の懸念から住民に猛反対されます。
説明不足!と言われて出直しを迫られ、一旦、二人は東京に帰り「この企画は無理だ」と発注元の会社に訴えますが、既に補助金をもらっているのでプロジェクトはもう引き返せない、と突っぱねられます。
再び山へ行って住民を説得するよう命令され、半ば投げやりに車を走らせる二人。
主人公の男を頼りにして、薪割りや水汲みを手伝っているうちに、二人は山暮らしを徐々に理解し馴染んでいくかに見えましたが、女の子が行方不明になったことで事態は一転します。。。

ラストが!
ええええええー!
ここで終わり!?まさか?
「なんでやねん」が頭をかけめぐりました。
でも後で映画レビューの「考察」を何件も読んで、自分なりに納得…したようなしてないような。
モヤモヤは残るものの印象深い映像美でした。日本の現代映画は絵面が美しくないことが多く不満でしたが、この作品は森や落ち葉や池や空や鹿や、自然美が詩的で、音楽も素晴らしい。
謎めいたラストで好みは分かれるそう。。。タイトルの「悪は存在しない」は、「それが自然の理(ことわり)というもの」かなあ。知らんけど。

退院してから先週は初めて大阪まで出て、今週は京都まで足を伸ばせました。
ゆっくり歩けば大丈夫。でもなるべく重い荷物を持たないように。
そして、毎週通ってたストレッチ&ソフトエアロビクス教室も、ゆるゆる再開してみました。激しい動きはパスですが。
すべて「ゆっくり」「慎重」「無理しない」モードです★
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