福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

ライブ

2006年08月07日 | 過去のBLOG記事

久々に、ライブに行ってきました。
西アフリカ、セネガルのドゥドゥ・ニジャエ・ローズ(DOUDOU N'DIAYE ROSE)
率いる、
パーカッション・オーケストラです。

今、六本木ヒルズで<アフリカンリミックス展>をやっているせいか、
アフリカ系のライブイベントがたくさん開催されています。


最近、絶え間なく続く制作の日々で“エネルギー不足?”と感じていた私は、
「アフリカン・ドラムが聞きたい!」という思いにかられてしまい、
今回ライ
ブに行く事にしました。アフリカ系の音楽に流れるエナジーをとても感じたく
なりました。

ドゥドゥの事は全く知らなかったのですが、“何となく良さそう”な気がしたのと、
日程や場所の都合が良かったという理由で急遽選びました。太鼓だけのアフリカンビートを、
劇場の大ホールで行うというのはいったいどんなライブになるんだろうと思いながら、
セネガルミュージックの予備知識なしで聞いてみる事にしました。



セネガルのサバールという太鼓の演奏は初めて聞きました。
手と、竹から作った細いバチで早打ちをするスタイルでした。
お腹に響く重い音というよりは、乾いた感じの軽い音の方でした。
軽い音といっても、太鼓は宗教的な意味合いで用いられたり、
遠くに知らせるために使われるものなのでとても響きます。
音だけ聞くと、花火大会の一番盛り上がる連発時とでも言いましょうか、
そんな音で18人が重なるのですからすごい迫力です。


そして、そのオーケストラを率いるドゥドゥは、真ん中で痩身の体で走り回ったり飛び跳ねたり、
時にはサバールの早打ちを披露してエネルギッシュなパフォーマンスで盛り上げるのですが、
なんと76歳(後から知った)と
いうことで本当に驚きました。
ドゥドゥが登場すると、観客の女性からのいわゆる黄色い声援が飛び交っていました。


彼はセネガルでは英雄で、言うなればサバールの神様的な存在らしく、
メンバーのドゥドゥに対する敬意の様子が随所に伺えました。
演奏したなかには歌もあったのですが、
サバール奏者の1人がとってもいい声で何度もドゥドゥを指さして歌っていました。
これも後から知ったのですが、
「ンダナン・ユングナ」というドゥドゥ自身を讃えた曲だったようです。

最後には、メンバーの中の1人がセネガルのダンスを披露したり、
観客もステージにあがって踊ったりして盛り上がりました。



この興奮を知人に話した所、ドゥドゥは世界的に有名なミュージシャンで数年前にスパイラルで公演をしたり、
NHKでドキュメント番組が放送されたりと日本でもかなり有名な方だったようです。
今回共演した18番目の息子さん
ワガン・ニジャエ・ローズさんもサバール奏者で
現在日本を拠点に活動しているようです
(実は息子さんの方は、演奏を聞いた事はなかったのですが何度かお見受けしていたようで、
「あの方の父上だったとは!」と驚いています)。



今はドゥドゥのCDを聞いて、迫る締め切りに気持ちを盛り上げて
制作しています。(笑)。
生きた伝説を目撃できて良かったです。

Doudou_CD

ドゥドゥのCD  多分今より少し若いドゥドゥ