2月13日

 @rinakko
 【山中智恵子歌集/山中智恵子】を読んだ本に追加
 
 〈うつしみに何の矜恃ぞあかあかと蠍座(さそり)は西に尾をしづめゆく〉
 〈バビロンの肝占ひの羊皮紙に心ほろぼすよろこびしるす〉
 〈さくらばな陽に泡立つを見守(まも)りゐるこの冥き遊星に人と生れて〉
 〈異境とは誰(た)が異境とぞ急(せ)き問ひて何すれぞここにわれを捨てざる〉
 〈幻の林のまひる月、日、星、羽のむらさき空に叛くや〉
 〈ひとひとり在りとしみえて茜さすなにもみえねば醒めざらましを〉
 〈死後の時間はいかにながれむ副葬の星時計かがやく夜に対ひて〉
 〈昼顔の花と宝石ランボオの酔ひどれ舟を漕ぎたまふかな〉
 〈権力と音はかかはるはげしかる則天武后に音楽の書ありと〉
 〈雲入(くもいり)といふ雲雀料理のありしこと料理物語に読むことあはれ〉
 〈猫の会議に急ぎゆく猫この夜半を世紀の終に追ひつきなむか〉
 〈脳(なづき)に薔薇植ゑられてわがさすらふは世紀尽くるもたのしかるらむ〉
 〈いづくかに玉葱の王ありといふ 廃せられたる王にあらずや〉

 @rinakko
 〈いづくかに玉葱の王ありといふ 廃せられたる王にあらずや〉
 この歌で、ふっと澁澤龍彦の短篇を思い出したんだけど、何に入ってたっけ‥(´ー`)

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