11月15日

 @rinakko
 【針葉樹林/石松 佳】を読んだ本に追加
 
 “梨を四つに、切る。今日、海のように背筋がうつくしい
 ひとから廊下で会釈をされて、こころにも曲がり角があ
 ることを知った。そのひとの瞳には何か遠くの譜面を読
 むようなところがあり、小さな死などを気にしない清々
 しさを感じたために無数にある窓から射し込む陽光が昏
 睡を誘ったけど、それはわたしの燃え尽きそうな小説
 だった。”
 “針葉樹林を抜けた風がわたしを透過する。あの子は窓で
 はないのだけど、喜捨をする面差しで遠くを見つめたか
 ら、わたしはそれをゆっくりと褒めた。鬣の手触りのな
 かにわたしたちの冬がある。”

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )