11月に読んだ本

11月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3932


緑のハインリヒ (1) (岩波文庫)緑のハインリヒ (1) (岩波文庫)
読了日:11月30日 著者:ケラー
欠落ある写本: デデ・コルクトの失われた書 (フィクションの楽しみ)欠落ある写本: デデ・コルクトの失われた書 (フィクションの楽しみ)の感想
面白かった。所々破れ、焼かれた跡さえある写本をめぐる珍かな話。第一の内容『デデ・コルクトの書』の作者(に擬せられた)コルクトの史詩と相違する覚え書きは、幾度も分断され、そこに第二の内容シャー・イスマーイール1世と影武者の物語が差し挟まれる。平行する二つの筋。その意図の不可解さに惑い、答えらしいものも探しあぐね…。歴史の闇へ埋もれた数多の秘密から、一つ二つの謎を取り出して存分に思いを巡らせてみたような本でもあり。「欠落ある写本」を提示する意義を疑い自問し続ける“私”の言葉も印象深いが、私は謎の解明を堪能した
読了日:11月28日 著者:カマル アブドゥッラ
宝石の国(8) (アフタヌーンKC)宝石の国(8) (アフタヌーンKC)
読了日:11月23日 著者:市川 春子
デデ・コルクトの書―アナトリアの英雄物語集 (東洋文庫)デデ・コルクトの書―アナトリアの英雄物語集 (東洋文庫)
読了日:11月21日 著者:
三つの金の鍵―魔法のプラハ三つの金の鍵―魔法のプラハ
読了日:11月20日 著者:ピーター シス
奇商クラブ (創元推理文庫)奇商クラブ (創元推理文庫)の感想
再読。チェスタトンを読む至福。『奇商クラブ』はブラウン神父の刊行から6年遡る短篇集で、未だ洗練されているとは言い難い…が、“新しい奇妙な儲け口を発明した人たちばかりの集まり”というクラブの設定が無性に好きな作品である。そして中篇2篇もお気に入り。どこか禍々しさのある話にハンガリーの辺境やコーンウォール海岸といった舞台の描写が相まったところに、忘れられない情景が残る。とりわけ「驕りの樹」は、迷信深い人々が多い土地ならではの話なのに、そこを更に反転させて見せるような鮮やかな謎解きへと導かれていく。素晴らしい。
読了日:11月19日 著者:G.K. チェスタトン
ペルシャの鏡 (プラネタリー・クラシクス)ペルシャの鏡 (プラネタリー・クラシクス)の感想
再読。5冊の架空の書物が登場し、可能的世界をめぐる連作の幻想哲学奇譚5篇。そもライプニッツの「可能的世界」とはなんぞ…と踏み入る。“神はすべての可能的世界の中から最善なものとしてこの現実世界を選択した、はず”(訳者あとがきより)…とな。ところが、思弁上の問題として導入された可能的世界という考え方が、登場人物によってまったく違う文脈で語られだすのでややこしい。その迷宮の眩暈感と、設定と題材でひき込まれる。今回は、表題作と「異端審問教程」が面白かった。
読了日:11月16日 著者:トーマス パヴェル
木曜の男 (創元推理文庫 101-6)木曜の男 (創元推理文庫 101-6)の感想
再読。
読了日:11月15日 著者:G.K.チェスタトン
新ナポレオン奇譚 (ちくま文庫)新ナポレオン奇譚 (ちくま文庫)の感想
再読。
読了日:11月14日 著者:G・K・チェスタトン
失われた時失われた時の感想
再読。初読時は不調だったのでもっかい読んでみた。うーん。
読了日:11月10日 著者:グザヴィエ フォルヌレ
ふたつの人生 (ウィリアム・トレヴァー・コレクション)ふたつの人生 (ウィリアム・トレヴァー・コレクション)の感想
素晴らしい読み応え。人生は怖い…という苦味ある思いが、喉に刺さる小骨のように残る。儘ならぬまま褪せゆく歳月の中、そこだけが特別に輝く時間があったとして、愛があったとして、その美しい思い出だけで残りの人生が変わってしまう(“幸せ”にさえなる)ということが、わからなくはない…いやむしろわかるからこそ胸が軋んで辛い。確かなものが何もないのなら、束の間だった慰撫の記憶をどこまでも引き延ばし、その夢に包まれながら生きたとして誰に咎められよう。そう…するしかないくらい、冷たい現実の醜さは人の心を傷付け刮いでいくのに。
読了日:11月09日 著者:ウィリアム トレヴァー
とつくにの少女 4 (コミックブレイド)とつくにの少女 4 (コミックブレイド)
読了日:11月08日 著者:ながべ
火の書火の書の感想
こちらも頗るよかった。堪能したわ。うおん。人が火に狂う。火の神秘に傾倒していくその感覚、魅入られた人たちのその姿は凄く異様なはずなのに、捕り込まれ読み進むうち、なるほど火とはそういうものかもしれない…と得心してしまいそうになる己の足元の覚束なさよ。とりわけ好きだったのは「火事場」や「花火師」、「ゲブルたち」「炎の結婚式」「有毒ガス」。エッセイを読めたのも嬉しい。
読了日:11月07日 著者:ステファン・グラビンスキ
文学ムック たべるのがおそい vol.4文学ムック たべるのがおそい vol.4の感想
概ね順番どおりに読んでいたのに、何故か途中で飛ばしてしまって最後に読むことになった「橙子」。ああ、私はこの気持ちを知っている…と思いながら読んで、ひりりと痛くて愛おしくて抱きしめたくなる一篇だった。先ずは皆川さんのエッセイからねぶねぶ堪能し、読みごたえのあった「ディレイ・エフェクト」や、初めて読むマルレーン・ハウスホーファー、私には久しぶしだった町田康、とても好みだったフランス古典小説集…と、満足のため息がこぼれるばかりだ。ほう。
読了日:11月05日 著者:木下 古栗,古谷田 奈月,町田 康,宮内 悠介,澤田 瞳子,谷崎 由依,山崎 まどか,山田 航,辻山 良雄,都甲 幸治,皆川 博子,伊舎堂 仁,國森 晴野,染野 太朗,野口 あや子,アルフォンス・アレー,マルセル・シュオッブ,マルセル・ベアリュ,マルレーン・ハウスホーファー
ワルプルギスの夜:マイリンク幻想小説集ワルプルギスの夜:マイリンク幻想小説集
読了日:11月02日 著者:グスタフ マイリンク

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