11月20日(木)のつぶやき(読んだ本、『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』)

@rinakko 10:19
【ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密 (創元推理文庫)/ポール・アダム】を読んだ本に追加

 ふふふ、面白かった。まずなんと言っても、ヴァイオリン職人兼修復師兼探偵役のジャンニさんが、その人柄といい初老のやもめぶりといい仕事ぶりといい(そりゃ、燻し銀ですわ…)すこぶる好ましくて私にはツボだ。もちろん今回も薀蓄はたんもりで、歴史上最も有名かつ悪名高い天才演奏家パガニーニについて(悪魔的な難曲のこと、女性たちのこと…)や当時の職人や宝石細工について…などなど、とても興味深い内容で堪能した。
 
 

@rinakko 12:19
“火災ベルが鳴ると、図書館の真ん中に横たわっているカードに太陽の光が真直ぐに落ちていた。予約なしでよく入れた、と自分で自分の奇行に感心していた。文字たちと尼僧たちは海に向かって走り出し、睡蓮の刺を探すために、衣の裾をめくりあげて、ひらひらと砂浜を渡っていく。
@rinakko 12:20
(続き)自分の肖像画と似ている人が滅多にいないのと同様、昼食の席で緑色のくしゃみをしながら熱帯の沼地を思い浮かべる人間もめずらしい。どこからともなく始まったナイフが皿を叩く音、それに抵抗するつもりなのか、雨のように振り注ぐ柱時計のきしみ。”40頁(多和田葉子『きつね月』「遺伝子」

@rinakko 12:21
多和田さんの『きつね月』を再読。ぐでんぐでんぐでん…。
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