9月に読んだ本

2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:7801ページ
ナイス数:144ナイス

水の出会う場所水の出会う場所
読了日:9月29日 著者:魚住陽子
狂える者の書 (パラディスの秘録) (創元推理文庫)狂える者の書 (パラディスの秘録) (創元推理文庫)の感想
素晴らしく好みで、うとり…心ゆくまで堪能した。物語のねじれに絡め捕られつつ、背徳の情景に刺しとめられる快感に酔う。小昏い幻想と頽廃美、絢爛な血みどろと残忍な官能。虚ろな深淵を覗き込み、どうしようもなく狂気に魅入られていく読み心地は格別だった。異なる時代の三つの街で、せめぎ合う狂気と正気の渦にひしがれていく双子の兄妹フェリオンとスマラ、画家のレオカディア、オレンジ色の髪の娘イルド。彼らの運命が歪み縺れ、やがて描きだす蒼褪めた驚異の模様に、いつまでも見蕩れていた。(ペンギンとジンの組み合わせも忘れがたい)
読了日:9月28日 著者:タニス・リー
女郎蜘蛛 (創元推理文庫)女郎蜘蛛 (創元推理文庫)の感想
ぐいぐい引き込まれて息もつけない。一気読みには誂え向きの長さで、とても面白かった。本当の対決の図は誰と誰の間にあったのか…と、その真相が最後まで伏されているのもすこぶる見事。それを知ってまた唸らされ、読み返したくなる。(あと、自分の娘ほどに年の離れたナニーの魅力と境遇に絆され、後ろめたさを感じながらもパトロン気取りになってしまう中年男…て、その心理がリアルだと思った。)
読了日:9月27日 著者:パトリック・クェンティン
須永朝彦小説全集須永朝彦小説全集の感想
うとりうとり、耽溺した。美しい貼函の百合の姿も、骨みたように見えてくる。
読了日:9月26日 著者:須永朝彦
人形パズル (創元推理文庫)人形パズル (創元推理文庫)
読了日:9月25日 著者:パトリック・クェンティン
俳優パズル (創元推理文庫)俳優パズル (創元推理文庫)
読了日:9月25日 著者:パトリック・クェンティン
迷走パズル (創元推理文庫)迷走パズル (創元推理文庫)
読了日:9月24日 著者:パトリック・クェンティン
銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
読了日:9月23日 著者:ダグラス・アダムス
新訳 独身者機械新訳 独身者機械
読了日:9月20日 著者:ミシェルカルージュ
夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)感想
再読。
読了日:9月19日 著者:澁澤龍彦
パロマー (岩波文庫)パロマー (岩波文庫)の感想
カルヴィーノ、これも凄く好きだ。なんて引き込まれる文章だろう…と。三種類の主題領域、横に読む方法も試してみたい。
読了日:9月18日 著者:カルヴィーノ
ケルトの神話―女神と英雄と妖精と (ちくま文庫)ケルトの神話―女神と英雄と妖精と (ちくま文庫)
読了日:9月17日 著者:井村君江
バンヴァードの阿房宮: 世界を変えなかった十三人バンヴァードの阿房宮: 世界を変えなかった十三人の感想
これは絶対に好きだ…と手に取り、読めばあまりにもツボなのでにんまり。“うまくいかなかったことについて”の本は、そこはかとなく…どころではなく切なく、滅法面白い。壮大な夢もたぎる情熱も気が遠くなるような骨折りも、結果からみたら明後日の方向に突っ走り過ぎましたね…という話だが、その悲哀と滑稽さが一緒になってもう泣き笑いの気持ちで頁を繰るのよ。一度は高みに登りつめた稀有な才能の持ち主たちが、ひとたび凋落してしまえば如何に麓の人々からあっさり忘れ去られるものか…。故にこそ愛おしくも思えて、心惹かれる13人だった。
読了日:9月16日 著者:ポールコリンズ
シンベリン―シェイクスピア全集〈22〉 (ちくま文庫)シンベリン―シェイクスピア全集〈22〉 (ちくま文庫)
読了日:9月15日 著者:W.シェイクスピア
新アラビア夜話 (光文社古典新訳文庫)新アラビア夜話 (光文社古典新訳文庫)
読了日:9月13日 著者:ロバート・ルイススティーヴンスン
郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫)郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫)の感想
むむ、面白い。特異な作風にぐいっと掴まれた。とりわけお気に入りは、「うすのろサイモン」や「若く美しい柳」「ポリー・モーガン」「アラベスク―鼠」「王女と太鼓」。あと、表題作も凄く好きだ。最後に「え……」という笑いに取り残されるところとか。
読了日:9月13日 著者:A・E・コッパード
両シチリア連隊両シチリア連隊の感想
面白い…ていいますか、すこぶる好みだった。めくるめく惑わしに満ちた反ミステリ。まるでメビウスの帯の上を辿らされているようだったり、かと思えば合わせ鏡を覗き込む心地に似た…眩暈感に酔う、不思議な味わいの作品だった。ある殺人の謎と赤毛の美女ガブリエーレの恋と、それらをめぐる男たち(元両シチリア連隊)の暗躍、鞘当…。話の流れそのものが幻想の如く、風変わりに美しい。(ジルヴァーシュトルペの幻視など、とても印象的だった)
読了日:9月12日 著者:アレクサンダー・レルネット=ホレーニア
マルペルチュイ (1979年) (妖精文庫〈19〉)マルペルチュイ (1979年) (妖精文庫〈19〉)の感想
おぞましくて妖しくて、これはとても好みな幻想文学だ…とばかり思いながら堪能していたので、本当の設定を知った時にはのけぞった。マルペルチュイの内側で不気味にとぐろを巻く狂気の正体が、神々のものであったとは。(不調時に読んだのでぐるぐる酔った)
読了日:9月9日 著者:ジャン・レー
邪悪の家(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)邪悪の家(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
読了日:9月8日 著者:アガサ・クリスティー
ウッツ男爵: ある蒐集家の物語 (白水uブックス―海外小説永遠の本棚)ウッツ男爵: ある蒐集家の物語 (白水uブックス―海外小説永遠の本棚)の感想
チャトウィン、こちらも大好きだ。ゴーレム話もツボだったし、〈スパゲッティ食らい〉の描写が堪らない。もちろん、ウッツ男爵その人も。
読了日:9月6日 著者:ブルース・チャトウィン
ケルトの神話・伝説ケルトの神話・伝説の感想
纏まったものを読みたくて手に取った。一話ずつが長過ぎず、読みやすくてよかった。
読了日:9月5日 著者:フランクディレイニー
マダム・キュリーと朝食をマダム・キュリーと朝食を
読了日:9月4日 著者:小林エリカ
黒ヶ丘の上で黒ヶ丘の上での感想
素晴らしい読み応え。訳者あとがきによれば、紀行作家と呼ばれることにいらだちを感じていたチャトウィンが、旅などしたことのない人々について書いた作品である。ウェールズとイングランドの境界線上の家に生まれた双子の兄弟。国境沿いの小さな村に流れた百年間が描かれている。淡々と静謐な語り口を味わいつつ、田舎ならではのドラマの賑やかしさ、その営みの愛おしさと愚かしさに笑ったり驚いたり。殊更な描き方はされていないものの、やっぱりこの双子はどこか不思議だった。神話のように。胸がいっぱいになって本を閉じると、この表紙は沁みる
読了日:9月3日 著者:ブルース・チャトウィン
フェアリー 愛蔵版フェアリー 愛蔵版の感想
人の目には触れ得ないはずの妖精を、本来本然の姿に描くとはどういうことか。それはこの本を読み進んでいけば自ずと分かる。可愛らしくも綺麗にも仕立てられていない、いたずらで気まぐれで意地悪な妖精たちの表情に魅入った。
読了日:9月2日 著者:ブライアン・フラウド,アラン・リー
泉鏡花集 黒壁―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)泉鏡花集 黒壁―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)の感想
夏を惜しんで怪談を読む。極上の味わいだった。とりわけ好きなのは「紫障子」と「尼ヶ紅」。
読了日:9月1日 著者:泉鏡花

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