山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

長井たてもの巡り(4) 昭和ロマンの木造校舎、他

2006-05-18 06:51:37 | 建物
 この日は日曜日だが、中心街通りの人出が大変少ない。開店している店は少ない。それでもクルマの通行は結構多く、買い物などでやはり郊外や他の市町にクルマででかけるのであろう。だが、昔は人通りが多かったに違いない。豪壮な店構えの古い和風の商家や瀟洒な旧医院などがいにしえの繁栄を偲ばせてくれる。

 ↑ 昔のメインストリートには連子格子が美しい豪壮な商家が並ぶ

 ↑ かつて銀行だった建物。

 ↑ 中心街のすぐ裏手にこんな「小道」が。長井では「歩行」が勧められている。

 ↑ 長井小学校旧校舎部分 昭和8年建造。卒業生でもないのに懐かしさが込み上げて来る。南側は広い緑地となっており、開放的である。

 ↑ スウィング・ガールズ鉄道に乗って、さようなら長井。
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長井たてもの巡り(3) 鄙(ひな)には稀なる麗しき貴婦人たち・・・

2006-05-17 06:26:40 | 建物
 前回紹介した扇屋資料館は純和風の建物で京都を思わせる風情だが、今回紹介の2件の洋館はまさにヨーロッパを思わせる佇まいであり、神戸か横浜を思わせる。いずれにしても、東北地方の内陸部の片隅のような所に位置する僅か3万人台の小都市にこれほど優雅で壮麗な古建築が残されているのは奇跡に近い。

 ↑ 桑島眼科医院旧診療所。現「桑島記念館」。近くに移転のうえ保存され、市民、特に女性団体の利用に供されている。昭和2年建造。

 ↑ 旧桑島医院2階の内部。旧山形県庁舎(重文)の会議室のような優雅さ。

 ↑↓ 旧小池医院。昭和6年建造。英国テューダー朝様式の産婦人科医院。
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長井たてもの巡り(2) 旧呉服商扇屋

2006-05-16 07:12:56 | 建物
 今回の長井市街地の建物巡りは行き当たりばったり的であったが、それがミステリー・ツァー的で、思いがけないほど素晴しい建物にめぐり合えることになったとも言える。その筆頭が昔呉服商であった豪商の建物・屋敷である。あまり山形県民にも知られていないが、本当に奥床しい「宝物」のような屋敷である。長井にはこのような素晴しい箇所が点在しているが、長井市民は観光名所として混雑するのを望まないようであり、これまた奥床しい。だが、長井市民はレインボー・プランなど環境保全活動にも積極的なことで知られている。

 ↑ 扇屋の正面。我々のグループは裏口(旧郡役所方面から)から入館。間口も決して狭くないのに、奥行きもなかなか深い。(平成15年県文化財に指定)

 ↑ 左手が母屋。その他6棟が県文化財。また、南側にこの商家出身の彫塑家長沼孝三氏の彫塑館(有料)。母屋など扇屋資料館は無料で入館できる。

 ↑ 数棟ある蔵の一つの1階部分の蔵座敷。南側に面しているので明るい。

 ↑ 店の奥に続く居間など母屋の居宅部分(明治23年建造 以前の母屋は焼失)
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長井たてもの巡り(1)

2006-05-15 06:41:50 | 建物
 昨日グループで長井市にでかけ、古い建物めぐりをやった。
 長井市は山形市から列車で乗り継ぎ待ち合わせ時間を加え約1時間半の人口3万人台の小都市だが、西置賜地方の中心都市である。

 ↑ 赤湯駅からの「フラワー長井線」は映画「スウィング・ガールズ」のロケで有名になっており、車体も楽しげに彩られている。

 ↑ 長井駅から東北方面に約7分ほどの所に古風で屋敷の広い質屋があった。

 ↑ 旧西置賜郡役所(明治11年創建というから郡役所の建物として全国でも最も古い建物の一つといえる。現在「小桜館」という名で多目的に市民の利用に供されている)

 ↑ 旧西置賜郡役所玄関内部とステンドグラス
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欧州都市の現代版“万里の長城”とは?

2006-05-13 07:06:39 | Weblog



 この通常は何の関連性もない2つの写真も考えようでは大いに関連づけられる。上は言うまでもなく中国北部の万里の長城であり、下はフランス・グルノーブル市街を走る路面電車である。
 万里の長城は遊牧系の機動力ある北方の“蛮族”の襲来を防御するために築かれたものであり、グルノーブル市の路面電車が軽快に走れるのも“蛮族”の中心市街地への大挙侵入が防がれているからである。それだけでなく、歩行者も安心して歩け、また壮麗な歴史的街並みも“蛮族”の破壊から護られている。
 えっ? 冬季五輪が開かれたことのあるフランスの都市を襲撃しようとする“蛮族”が21世紀の今も存在するの?
 Yes! 厳然と存在する。しかもグルノーブルだけでなく、全世界の都市は“蛮族”の襲来と対策で大いに疲弊しており、多くの市民が殺戮され、街並みは砲爆撃並みにズタズタに破壊されている。むろん日本のほとんどの都市が常時被害の受け通しである。
 ただし“蛮族”も鎧兜を脱げば、ただの温和な人間である。だが、現代文明によって製造される車輪つきの鎧兜を装着すればたちまち機動力抜群の“蛮族”の兵士に変身する。
 古代ローマ帝国の末期に“蛮族”出身者からなる傭兵部隊が帝国に重宝がられたように、現代社会も“蛮族”は大変重宝がられており、甚大な被害すら大目に見られているほどである。
 だが西ローマ帝国はついにゲルマン人傭兵隊長により滅ぼされた。その轍を踏むまいと考えられたのか、現代の欧州都市では市街地への“蛮族”侵入を極力抑制して帝国主義時代の壮麗な街並みと市民の安全を護る手だての構築が盛んである。“蛮族”は市街地の周辺部で武装解除されて、路面電車などの公共交通機関に乗り換える。これを「パーク・アンド・ライド方式」という。 “万里の長城”に相当するのが郊外の大駐車場(“蛮族”の武装解除の場)である。
 “蛮族”も鎧兜を脱げば“蛮族”ではなくなるが、車輪付きの鎧兜で身を固めて街なかを動く限り、どんな品行方正な白馬の騎士も、歩行者を威圧し、騒音と毒ガスを撒き散らし、街並みを喰い尽す“蛮族”となりうるのである。

※2枚の写真は関連ホームページより
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西行法師も愛でた!?西蔵王の大山桜

2006-05-12 07:17:54 | 風景
 近年一躍山形の桜の名所の筆頭に躍り出たかに見える西蔵王高原の大山桜の見頃は連休も後半を過ぎてからになったようである。「ようである」というのは私自身が今年はそこを訪れていないからである。それでもこの大山桜を取り上げないわけにはいられないので、昨年と一昨年の写真で紹介したい。

↑ 放牧場の内外に群生する大山桜。背後の屏風のような山は龍山。蔵王温泉はその陰。

 ↑ 満開時にはおおぜいの家族連れの花見客で賑わうので、樹勢を養生するため周囲には柵が巡らされるようになった。

 ↓ 西行法師も文治2年(1186)にここを訪れたと伝えられ、『山家集』にある次の歌はここを訪れた時のものと言われている。
  たぐいなき おもひいではの さくらかな うすくれないの はなのにほいは

 ここを訪れて写真を撮影する人は多く、ホームページやブログで紹介されている大山桜の写真は多い(キーワード「西蔵王 大山桜」を打ち込むと多数のリストが現れる。)が、今回は同じ山形市に住む「グランマさん」という私よりは幾分(或いは相当?正解だとしたら失礼!)年長の女性のブロガーの写真を紹介したい。
http://blog.goo.ne.jp/binnt/e/2c78d323bd72e5d290b661bc16c74f03
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戊辰戦争の英霊がゴミ分別を監視?

2006-05-11 07:10:30 | 郷土史
 国分寺薬師堂の祭礼も昨日で3日間の幕を閉じたが、広い境内の一角に大きな墓標が立っている。それには「戊辰薩藩戦死者墓」と刻まれ、「大勲位侯爵松方正義」の名も添えられている。
 すなわち明治初年、薩摩藩兵を主力とする維新政府の官軍が奥羽鎮定のため山形盆地にも進攻し、寒河江方面で庄内藩兵と戦火を交え、かなりの死傷者を出したが、彼らの氏名がこの墓標の下に刻まれている。
 驚くことに十代が多く、中には15歳の少年兵の名も見える。しかも満年齢ではさらに1,2歳下回ることになる。
 遥か遠い薩摩(鹿児島県)から奥羽の地まで引き連れられ、この地で若い命を散らしたのである。彼らの両親や兄弟姉妹も無事の帰郷を祈っていたであろう。
 この墓石を撮影する前は数名の怖~い感じのうら若いお兄さん方が墓石の台石や柵に腰掛けてたむろしており、また、超ミニスカートの女子高生たちの黄色い声も若葉の樹林の間に響き渡っていた。殺戮を強いられることのない幸せいっぱいの彼ら彼女らの中で同年代で死んだ異郷の少年兵たちが眠っていることに気付いている者がどれだけ居たであろうか。
 薩摩の少年兵たちは安らかに眠るどころか、祭りのゴミ分別監視の役目を担わされているかのようである。
 
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これが蔵王連峰の主峰

2006-05-10 01:15:39 | 風景
 山形の人なら、「蔵王」のことを「ざおう」と呼べるが、県外の人は必ずしもそう呼べるとは限らない。かなり知識があるように見受けられる人士ですら「ぞうおう」と呼んでいるのを聞いたことがある。それも無理はない。なんで「ざおう」とよまなければならないのか、むしろその方が不思議なくらいだからである。
 それはともかく、「山形市は蔵王の麓」ということは山形市民であろうとなかろうと認識しているが、それでは「どれが蔵王」もしくは「蔵王の主峰はどれか」と問われても正確に指差しできる人は必ずしも多くはない。というよりは、山形市の中心市街地からは蔵王の主峰は西蔵王の龍山(前日の記事の最後の写真)に隠れて見えないので、指差し不可能なのである。主峰は熊野岳(1841m)であるが、かなり南の方からでないと目にすることはできない。
 蔵王連峰の歴史など詳細については後日紹介したい。
 
 ※上山城天守閣から眺望した蔵王連峰
    左から龍山、鳥兜山、三宝荒神山、地蔵岳、熊野岳(主峰)、中丸山・・・ (蔵王温泉は龍山と鳥兜山の間。代表的な樹氷原は三宝荒神山の斜面あたり)

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偉大なり征夷大将軍! 蝦夷弁根絶は間近

2006-05-09 07:08:51 | 郷土史
 出羽国分寺と称せられる薬師堂の祭礼は植木市と露店で大賑わいとなる。
 とりわけ近年は露店めあての高校生など若者や子供たちが多い。むろんほとんどが山形の子供たちだ。だが、あれよ、彼らの会話からは山形弁がほとんど聞こえてこない。口調もほぼ東京と同じだ。
 確か10年ほど前までは中高生の会話にはまだ方言や訛りが残っており、金髪茶髪でも会話が山形弁だとほっとしたものだが、現在ではこれが山形の子供たちかとかなり淋しさを感じてしまう。(下に続く)

    ↑ 国分寺薬師堂(以前は真言宗寺院の本堂だったが、明治の末に移築され天台宗の堂宇となる。明治前期は県会議事堂としても使用された。)
 ↓ 毎年お馴染みのお化け屋敷の前は中高生と子供たちだらけ

 ↓ ケヤキ林の若葉と女子高生たち。 どちらも若い若い!!

 国際化の時代に方言衰退を嘆くとは何とも時代錯誤かとも言われそうだが、山形弁が堪能な米人タレントのダニエル・カール氏も方言の多様さに日本語の奥深さに感動したと述べているように、たとえ粗雑な響きの言語でも、古代、否、縄文時代から連綿と続いて来た蝦夷?!風の言語文化が消滅するのは惜しいことである。(下記に続く)

 ↑ 植木市が開かれているここは年長者が多い。「日本三大植木市の一つ」の幟旗が見える。他に、熊本と大阪らしい。400年の伝統がある。
 ↓ ビルの間から龍山(蔵王主峰の前衛の峰、1364m)の残雪が望める。この雪が消えるか消えないかの時期に植木市が開かれる。

 朝廷からは坂上田村麻呂などの征夷大将軍が蝦夷人の征討のために何度も派遣され、精神的鎮撫の拠点として「国分寺」が設置され、中世、近世にも幕府のトップは征夷大将軍と称した。また、近代の文明開化の時代、戦後と現代の民主主義とITの時代になっても方言は子供たちの間でも話されていた。それが、ここ10年ほどの間に方言は急激に衰退しているのは何故か。
 蝦夷文化の根絶は蝦夷風言語の根絶をもって完結する。歴代征夷大将軍の強力な遺志は現代になって成就したかのようである。みちのく奥羽の原風景、言葉の上でも失われつつある。
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若葉の中で映える八重桜・・・いよいよ大植木市

2006-05-08 07:06:15 | 風景

      ↑ 若葉が薫る国分寺薬師堂前公園のケヤキ林

      ↑ 千歳公園(薬師公園)北部分の八重桜
          ↓ 千歳公園(薬師堂の北側)の和風庭園のみどりと池


 ソメイヨシノの花びらが散って若葉が頭上を覆うようになると八重桜が強いピンク色が淡い緑の中に浮き立ち、こうして山形の街もようやく彩り豊かな時期となる。
 この緑の息吹きに歩調を合わせるかのように、この公園の周辺では明日からの植木市の準備作業が進められている。
 明日から3日間は観桜会をも上回る人出でこの周辺はごったがえすことになろう。
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