↑ 以前遊郭だった建物 戦前は日本の将兵、戦後は進駐米軍将兵で賑わった
↓ 戦前は出征兵士、戦後は陽気な米兵の出入りが激しかった旧写真館
またぞろ古くて新しい「従軍慰安婦」問題が国会の内外で持ち上がっている。今回の発端は日本でも中韓でもなく、なんとアメリカ議会。中国系や韓国系のアメリカ人や在米の中韓両国人の働きかけが米議会を動かしたようだ。
もし、日本軍の積極的関与が事実なら国家公認の業務ということになり、近年の看護師や保健師、助産師の呼称に倣い、従軍慰安「師」と称すべきことになる。(※「婦」という文字には女性を社会的に男性よりも一段低い意味を含むとして「師」に置き換えられたと思われる。したがって「慰安婦」も差別用語になりそう。)
この問題はむろん戦前の日本軍に関係する問題だが、敗戦後の日本でも全国で米兵相手の日本女性が大勢存在していたことは人道上の問題にならないのか。
かつて写真館を営業していた人の昔話を聞くと、訪れる進駐米軍将校の多くは着飾った日本人女性を同伴させ、同伴していない若い米兵たちは撮影後は大挙して近くの“遊郭街”に繰り出したものだという。
私も後に米兵とともに渡米した複数の女性のことを母から聞いている。そのまま米国で幸せな家庭の主婦となった人も居るようだ。だが、“不幸”な境遇に陥った女性も皆無とは言えないはずだ。その場合は米政府や米軍当局に責任はなかったのだろうか。また、それらの日本女性に対して一切“強制性”はなかっと言えるのか。
山形でも敗戦直後、米占領軍の進駐を前に米兵の暴虐を予想して怯えた市民が多かったようだが、温和で陽気な米兵が多いのに接し、市民は安堵したが、これは山形の場合であって、他の地域ではどうだったのか。沖縄では今でも反米感情が強いようだし、イラク駐留米軍はイラク女性に対してどうなのか、朝鮮戦争時やベトナム戦争時の米兵はどうだったのか、米議会は慰安婦(師?)問題について日本糾弾だけでなく、自国の軍についても検証してみるべきではないか。
※ この種の問題は何処の国の戦時体制下の軍隊にもつきまとう問題であり、日本の旧軍特有の問題とは到底思われない。「謝罪」や「賠償」が必要ならば、過去の戦争に参戦した諸国はすべてその義務を負う。(3/31附記)