人命を救う人助けの車両!
緊急車両とて何一つ欠陥のない「聖人君子」ではない。
地球温暖化に結びつく二酸化炭素を排出するし、騒音や振動を振り撒き、事故にも無縁ではなく、人をはねたり、物損事故を起こすこともある。
それでも世の中にはなくてはならないものとされている。
このようなものを「必要悪」と言う。救急車や消防車すら必要悪なら、一般の車やスポーツカーは「不必要悪」ということになる。
現在、
飲酒運転が目の敵にされているが、死亡事故の大半は決して飲酒によるものではない。飲酒運転が撲滅されたとて、交通事故はいくらかが減少されるに過ぎない。
また、交通事故だけがクルマがもたらす負荷ではない。
クルマがもたらす環境負荷と社会への負荷は大きなものだけでも、地球温暖化、異常気象の増大、大気汚染、騒音・振動、塵埃、ヒートアイランド、地下水枯渇、中心商店街の衰退、都市の無秩序な郊外への拡大、街並み破壊、事故の脅威の常態化による地域の分断、遊び場喪失による児童の健全成長の阻害、高齢者の孤立化、道路・駐車場の建設に伴う行財政の悪化、樹木の減少と自然破壊、大量輸送の促進による廃棄物の増大、ポイ捨て、不法投棄、犯罪への利用増大と犯罪検挙率の低下・・・数限りない。
だから酒気を検知したら車が起動しない装置が開発されても以上の諸負荷が解消されるわけではない。それどころか「人類の破滅」に向かう図式はそのままなのだ。それでも多くの人は「クルマは不可欠」という。
飲酒運転は交通三悪の一つであるが、主犯ではない。主犯は「スピード違反」ではないか。だが、渋滞しない限り、ほとんどの車は制限速度をかなり超過する速度で走っており、警察も大目に見ている現状だ。緊急車両のような「必要悪」ですらない一般車両までが殺人的な高速性能を備えている状態を飲酒運転以上に問題視すべきなのではないか。
※ 写真はウィキペディアより