塩竈市は宮城県で山形市にも近いし、交通の便でも山形市には近いものの、やはり宮城県内であることには変わりがないのに、なんで「郷土史」なのか。
山形市のシンボルである千歳山は「阿古耶姫伝説」でも有名であるが、姫が植えたとされる「阿古耶の松」の名は古代の都の貴人たちにも歌枕の松としてもよく知られており、三十六歌仙の一人としても有名で清少納言とも親交が深かった藤原実方が陸奥国司として下向した際も阿古耶の松を探し当てようとしていた。
実方が知っていた阿古耶の松の歌は山形盆地はまだ陸奥国に属していた時代に作られたもので、実方の時代には山形は既に出羽国に編入されていたので、実方は当然陸奥国内で阿古耶の松を探し出すことは不可能であった。
途方に暮れていたところで老翁が現れ、「阿古耶の松はいまでは出羽国になっていますよ」と教えてくれて立ち去った。
その老翁とは塩竈明神の化身であった。
海の神であり、製塩の神ともいうべき塩竈明神は航海の水先案内ばかりでなく内陸の道案内までしてくれたのである。
山形市のシンボルである千歳山は「阿古耶姫伝説」でも有名であるが、姫が植えたとされる「阿古耶の松」の名は古代の都の貴人たちにも歌枕の松としてもよく知られており、三十六歌仙の一人としても有名で清少納言とも親交が深かった藤原実方が陸奥国司として下向した際も阿古耶の松を探し当てようとしていた。
実方が知っていた阿古耶の松の歌は山形盆地はまだ陸奥国に属していた時代に作られたもので、実方の時代には山形は既に出羽国に編入されていたので、実方は当然陸奥国内で阿古耶の松を探し出すことは不可能であった。
途方に暮れていたところで老翁が現れ、「阿古耶の松はいまでは出羽国になっていますよ」と教えてくれて立ち去った。
その老翁とは塩竈明神の化身であった。
海の神であり、製塩の神ともいうべき塩竈明神は航海の水先案内ばかりでなく内陸の道案内までしてくれたのである。