山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

美女と放射能

2011-12-29 22:13:06 | Weblog

 「美女と野獣」という複合語は有名だが、「美女と放射能」という複合語は本邦初公開である。だが、この写真の建物がある土地で「美女」と「放射能」はきわめて良好な組み合わせのようである。
 その美女とはただの美女ではなく、歴史的実在の人物であり、それこそ「世界三大美女」の一人とまで言われている超美人である。
 その「世界三大美女」とは彼女と中国の楊貴妃、そしてエジプト女王のクレオパトラと言われているが、そう、彼女とはまさしく小野小町のことである。
 世界史上の美女の中の美女が我が山形県と関係があるというのだから山形県人として嬉しくなるのは当然である。
 その美女の中の美女はなんと92歳まで長生きしたという。
 さて「美人薄命」という言葉は「美人は短命」という意味と「どんな美人も美しいのは若い時だけ」という意味の二通りがあるが、もし前者の意味だとすれば、彼女には「美人薄命」という通念は適用できないことになる。
 彼女を長命にさせる一助になったのはどうやら「放射能」らしいのである。
 これまた「放射能は怖いもの」という通念をくつがえすことになろう。
 だが、その放射能、つまり放射性物質とはセシウムやストロンチウムのような人工放射能ではない。
 小野小町の長寿に関与したと考えられる放射能とはラジウムのことであり、ここで売り出されている「ラジウム卵」という土産品はよく売れている。また、ここではラジウム含有の湯が自由に飲める箇所が街角に散在している。
 さて、小野小町が訪れて長旅の疲れによる病気を癒したというこの土地の名前はいかにも彼女の名に因んでいるかのような小野川温泉であり、写真の建物は彼女が発見したと伝えられている温泉の湧出地点に建てられた入浴施設である。
 ここ小野川温泉は日本国内でも最もラジウムの含有量が多い温泉の一つであるようだ。
 まさしくこここそプラスの意味での「ホットスポット」と言えよう。
 むろん、いかに歴史的超美女を癒し長命にしたラジウムとて放射性物質であることには違いなく、小野小町もラジウムにより被曝していたことになる。
 被曝しながらも病身が癒されたり健康に効果的なことを「ホルミシス効果」というらしい。むろん、これも被曝量が少量な場合だが、有識者がこのことをあまり強く主張すると原発推進を擁護する「御用学者」と言われかねないのが現実である。

 昨日訪れた小野川温泉は豪雪に埋まり、老舗旅館の軒先には大きなツララの林ができあがっていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この懐かしさ、潤いの佇まいを記憶遺産にしたい

2011-12-28 07:23:15 | Weblog
 確か今頃は解体により消滅したであろう建物だが、山形の産業史の中でも傑出した業績を誇ってきた某工場の事務所棟は外観を目にしただけで、昭和前期の時代の懐かしさがこみあげ、その時代を知らない若い世代にとっても潤いを感じる佇まいである。
 でも、この建物はスーパー・マーケット新築の予定地となっているために解体を余儀なくされていた。
 それも時代の流れで仕方がないのかもしれない。
 それでも、この外観の佇まいは永く市民の記憶にだけでもしっかりと留めておくべきと思いカメラのシャッターを押した次第である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ここを「新しい国づくり構想」の拠点に

2011-12-24 23:12:20 | 建物
 今朝の山形市街地は今冬の最低気温だったが、日中は積雪ゼロ。
 夕刻になってようやくわずかな積雪があった。

でも、ここは蔵王。ただし写真は今月の10日だから、さほどの積雪ではなかったものの、サンタクロースがソリすべりするには都合のよい雪景色である。
 それにしても、だいぶ大きな意味の表題を掲げたが、その「心」は如何に?
 また、この蔵王の建物と「国づくり」との関連は如何に?

 ヒントは見出し写真の建物と8月22日の記事の内容だが、むろん、この二つだけでは「心」の奥底までは不可解のままであろう。
    http://blog.goo.ne.jp/rekishi-huukei/d/20110822
 今後の記事により徐々に除幕していきたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グレゴリオ聖歌が聴こえてくるようだ

2011-12-19 21:43:52 | 建物

 ここは某工場の倉庫内。
 以前は工場そのものの建物であったようで、現在は倉庫となっている。
 たまたまそんな所に入る機会があった。
 ところが、入ってみて、ここが単なる工場や倉庫ではないように思えてならなかった。
 クリスマスが近いせいか、なんだか聖歌が聴こえてくるような雰囲気であった。
 つまり、ここがそのままキリスト教会の大聖堂にもなりうるようなのだ。
 ガラス窓を彩色すれば、ステンドグラスのようになるだろう。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤沢周平氏は2度死ぬのか?

2011-12-14 21:43:28 | 建物
 鶴岡市の中心部には作家の故藤沢周平氏を記念する施設がある。[※注:この見出し写真の建物ではない]
 むろん藤沢氏の小説の人気は高いが、それ以上に彼の時代小説を題材にした映画により彼の知名度は高くなっているようだ。
 その記念館もその藤沢人気にあやかって近年建設されたわけだが、彼が若い時代に働いていた職場の方は消滅の危機にさらされている。

 彼はむろん現在の鶴岡市の出身だが、出身地自体は中心市街地からだいぶ郊外の村落であり、少年期は農村の環境の中で育った。だから、彼にとっての鶴岡の原風景は鶴岡の中心市街地ではなく、当然庄内平野が見渡せる農村風景であった。
 だが、彼が作家として大成し、帰郷して大きな衝撃を受け、怒りに震えたたことがあったが、それは庄内平野の広大な眺めを遮る高速道路(東北横断山形道)を伴う景観であった。
 そして今度は彼が夜間高校生の時に働いていたことのある旧黄金村役場の建物が解体されるというニュースが飛び込んできた。
 しかも草場の陰の彼をより悲しませるのは、鶴岡市役所に解体を申し入れているのはこの建物の周辺住民、すなわち彼の郷里の人たちだということである。
 つまり、老朽化のために倒壊の恐れがあり、地域住民、とりわけすぐ近くの保育園の幼児たちの安全・安心のためにも1日も早い解体をと迫ったようである。
 それでも鶴岡市役所は藤沢ファンのことを気遣ってか、解体後の建材はしばらく保存して「移築」などを希望する人(たぶん個人では無理であろう)に無償で供与するとという。しかし、移築よりはやはり現在地に在ってこそこの建物の価値があるのだ。
 藤沢人気で街起こしを企図している鶴岡市が一方で藤沢氏ゆかりの建物を解体するという矛盾に複雑な思いをするのはむろん私だけではない。
 立て、万国の藤沢ファン!

[参考記事]当ブログ2010年5月10日の記事より

 昨日宿泊した農家民宿「知憩軒」からほど近い金峯山の麓に昔懐かしい村役場の建物が庄内平野を見渡しているかのようにたたずんでいる。
 ここには4年ほど前にも知人とともに訪れ、空き家同然で地域の人たちにもほとんど使用されているようにも見えず、保存状態も決して良好にも思えないので、来年再び訪れた時には既に壊されているかもしれないなどと心配しながら山形へ戻った記憶がある。
 でも最近、保存活用の動きもあるとかの報道もあり、まだ“健在”であることが確認できたので是非再訪したいと思った次第である。
 この建物は昭和11年に建てられた旧黄金村(現在は鶴岡市)の役場で、昭和17年に近くの集落出身で鶴岡中学(現在の鶴岡南高)の夜間部に通学していた藤沢周平氏が書記補として勤務していたことで少しは知られている。
 鶴岡市との合併後には支所となり、やがて公民館となったが、近くにコミュニティセンターが新設されるに伴い次第に「空き家」化し、もし倒壊でもしたら隣の保育園の児童の安全が脅かされるからすぐにでも解体すへげきだという声が高い時期もあったようだ。
 でも藤沢文学や映画化された藤沢作品のファンにとってはたまらない魅力的な“史跡”であることは疑いなかろう。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借景庭園も台無し

2011-12-10 23:22:28 | Weblog
 先月末に訪れた当地方きっての名家のお屋敷の庭園。
 この家では中国の明代の精緻な工芸品を多数所持し公共のためにと公開している。
 でもこの家では大陸の名品ばかりを宝物としていたわけではない。
 庭園から望まれる優美で個性的な形の里山までも「宝」として大事にしていたことが、庭園のこちら側から見ればよくわかる。
 つまり、氏はこの里山を「借景」として庭園の一部に取り込んでいたのである。
 ところが、現代の行政は氏の里山に対する「好意」を台無しにする施策を重ねてしまっている。
 まずは、屋敷の東側に都市計画道路とかを開削して塀を作らせ、さらに地域住民の利便のために電柱や通行人の防犯上の「安全安心」のために街灯を設置し、また交通安全のために信号機を取り付けた。
 これら諸々の「文明の利器」が里山の姿を取り込んだ当地域有数の優美な庭園景観を損ねてしまっている。

 なお、ついでに。素晴らしいのは明代の工芸品と庭園だけでなく、国の有形登録文化財の家屋(写真の右側)も見応えがある。

 最後にクイズを一つ。
 その里山の名は? [ヒント]山形市内ではないが、山形市の近く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これから蔵王の氷河?は成長する

2011-12-05 14:49:13 | 風景
 あれれ、みちのくを二分けさまに聳え立つ蔵王の山並みの腹部に氷河のように見えるのは何であろうか。
 この景色の撮影は十一月も下旬の27日で上山の市街地(上は上山駅の東南、下は上山城跡公園から)からであるが、寒さを恐れてのお出かけであったものの、快晴も快晴で、その日以前もかなり温暖な天候が続いたためか蔵王の山並みが白銀一色という景観からきほど遠いかった。
 それでも「氷河」に見える部分の白さだけは突出して、蔵王も日本も知らない外国人ならば、確かに氷河に見えたに違いない。
 今日は既に12月も5日だが、今日の蔵王の景観も同じようなものであろう。
 それだけ初冬とはいえ温暖な日々が続いているのである。
 でも、やはり蔵王には雪がどっさりと降ってくれなければ困る人々が多い。
 とりわけスキー場の経営者や宿泊施設の皆さんたちは降雪・積雪を期待している。
 そうなれば下界から「氷河」を認識することは不可能になるであろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする