山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

韓ドラ時代劇で見た古代山形の悲恋伝説

2011-11-26 22:15:41 | Weblog

 韓国で製作されたテレビドラマ、いわゆる「韓ドラ」が日本中を席捲しており、これを嘆く日本人によるデモまで行なわれ、話題紛々である。
 当ブログ主もまた韓ドラを数多く視聴している者の一人であるが、もっぱら歴史ドラマである。
 だからといって無批判にのめり込んでいるわけではない。
 近代以前の韓国の王宮などの建物の内外も人物の衣装や軍装も煌びやか過ぎることに対しいくらなんでもそれほど煌びやかであったはずはないと思いながら、今まで知らな過ぎていた韓国の歴史を学習する上でも大いに参考になることは確かである。
 日本のテレビドラマでの歴史物といったら、ほとんどが源平、戦国末期、忠臣蔵、幕末維新の4つのジャンルで占められるのだが、韓ドラの場合は古代の場合も高句麗物、新羅物、百済物はむろん、中国側が中国の地方史として捉えている渤海王朝の物までドラマ化され、古代末期に韓半島を統一した高麗王朝物、そして李氏朝鮮物の場合も始祖の李成桂の時代から五百年後の李朝末期に至るまでほぼ網羅されていると申してよい。
 ここで紹介しているのは李朝時代後期の妓生(キーセン)の女性を主人公にした『ファン・ジニ』の場面であるが、つい近日に録画していたのを眺めていたら、なんと山形の代表的伝説である「阿古耶姫と松の精との悲恋」のストーリーとそっくりな場面にでくわしたので大変驚くとともに妙な感動を覚えた次第である。
 ◆一番上の写真◆ 屈強な男たちが遺体を入れた棺を乗せた荷車を曳こうとしながら、何故かびくともしないでいるシーンである。棺には主人公の妓生ファン・ジニの恋人の遺体が収められている。彼は支配階級「両班」の御曹司だが、低い身分の妓生との結婚を両親など周囲に反対されて悶死している。

 ◆二番目の写真◆ 男たちが荷車を動かせないでいるところに主人公のファン・ジニが出くわした場面。場所は妓生たちの芸能教習所の門前

 ◆三番目の写真◆ 荷車が動かないのは亡き恋人が死んでもなお少しでも長くファン・ジニのそばに留まりたいからであるが、彼女は棺に別離の挨拶として優しく手を触れた。すると荷車はすんなりと前へ進むことができた。

 さて、山形の「阿古耶姫と松の精との悲恋」の伝説であるが、時代設定は白鳳時代だから奈良時代よりも古いことになっている。
 阿古耶姫は山形のシンボルの山である千歳山(下の写真)の松の精の化身の若者と恋仲になるのだが、その松は川の氾濫のために流された橋の再建のために切り倒されることになり、若者は自分が松の精であることを明かして消え去った。
 だが、大勢の屈強な男たちがいくら力を入れても倒された松は動かず、びくともしない。そこでかけつけた阿古耶姫は横倒しされた松に向かって「川の流域の人々のお役に立ちなさい」と言いながら優しく手で触れると、松はするすると動くようになった。
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いっそ旧暦のクリスマスまで続けたら

2011-11-19 20:53:32 | イベント
 冬の繁華街の夜を彩る「光のページェント」が一昨夜から山形市の中心商店街で始められた。
 なるほど心の中まで華やかにしてくれそうなほど美しいものだ。
 ところで、街路樹をおおうイルミネーションがクリスマスツリーの華やかさにあやかったものであることは確かで、これらの光の競演の中に橇に乗ったサンタクロースの姿も見られることからもわかる。
 えっ? もう12月? いや、そんなはずはない。
 確か今日は11月19日だから電飾が点灯されたのは17日。
 まだまだ11月も中旬でしかない。
 なんという気の早いサンタクロースのお出ましなのか。
 気の早いというよりはクリスマスソングでも唄われている「あわてん坊のサンタクロース」そのものだ。
 とにかく最早クリスマス・ムードいっぱいの光景だが、さすがにここ山形ではクリスマスの主役にして御本尊のイエス様の姿は見当たらない。
 でも、イエス様に対する信仰が希薄だからというわけでもなく、クリスマスとはサンタクロースの誕生を祝う行事と勘違いされているからなのかもしれない。
 ところがこの光のページェントは1月の上旬で終わりにされるそうだ。
 しかし1ヵ月以上も前からクリスマス・ムードを演出させるのだから、いっそうのこと1月下旬まで延長させたらどうか。
 もし、クリスマスを旧暦でも祝いたいのなら、1月の下旬ということになりそうだからである。
 それでこそ日本人の面目躍如となる。
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「原風景」に出会う

2011-11-08 23:51:27 | 風景
 日本国内から原風景的な景観が急速に失われ行く現在は同時にマスコミ等では「原風景」という言葉の使用が顕著になっている。
 先日、米沢の郊外を訪れた時に、まさしくこの原風景という言葉にぴったりの風景と出会った。
 まさしく「絵画」そのものの晩秋の風景であった。
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[予告] 山寺ホテルで虚無僧姿の尺八演奏

2011-11-02 11:40:31 | 建物
 先日は旧山寺ホテルで琵琶の演奏会があったが、今度は(と言っても明日の3日のことだが)なんと虚無僧姿の方がたによる尺八の演奏が行われる。
 しかも建物の中だけでなく、同所での演奏会の前に山寺駅前から同所まで尺八を演奏しながら(むろん虚無僧姿)で練り歩くということである。
 写真のように山寺駅(写真左)も旧山寺ホテル(写真右)も「和風」が基調で、歴史的名勝の山寺の景観にふさわしい。[※ただし山寺駅の写真は冬季での撮影であり、虚無僧の写真は関連HPの写真の加工によるもの]
 むろん和風の2つの建物の間での虚無僧姿の行進も和風であり、これを見る市民や観光客は時代劇のロケのような気分に浸れることになろう。そしてまさしく「文化の日」にふさわしいイベントであると言える。
 開始は3日13時から14時30分まで、旧山寺ホテルでの鑑賞は無料である。
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