マージャンを半荘1回だけ。
明日も仕事がある杉野だ、早く終わらせようと焦るもののこんなときに限って手はまとまらない。
一進一退のせめぎあいから一歩抜け出したのは、古西。
学生時代を彷彿とさせるドラ爆で他を引き離す。
残りの3人が生き残りをかけての潰しあい。
ようやく沈みの2位で終了・・・午前1時。
午前2時、娘のめいとあいを連れて深夜の165号を飛ばす。
大阪到着が午前4時。
通天閣近くの24時間営業の店『串焼き一番』に娘たちと入る。
ソースの二度付け禁止を気にしながら串焼きをほおばる。
この場にれいはいない。
今ごろ家で一人で寝ているはず・・・かわいそうだとは思う。
しかし、それが浪人。
これが受験なのだ。
たった一人の夜を噛みしめて欲しい。
娘を連れて店を出ると外は明るい。
地面にへたり込んでいたおいちゃんが俺に声をかける。
「兄ちゃん、今日も暑いな」
「ほんまや」
「でも兄ちゃんうらやましいわ、若い別嬪さんを連れて」
「おいちゃん、これは俺の娘や」
おいちゃん、くしゃりと笑みがこぼれる。
ここいらにはあの頃の大阪が今もある。
娘たちを義父の家に預け、再びエスティマの運転席に座る午前5時。
25号から165号線、さっき来た道を逆行していく。
さすがに車が多くなってきている。
睡眠不足でフラフラしながら奈良盆地を走る。
もう限界!
藤原京の駐車場に車を入れ、朝日に照らされる藤原京跡地を眺め持統天皇の冥福を祈りながら瞬時に睡魔に犯される。
2時間の仮眠の後に再び東を目指すツアーがスタート。
塾への到着は午前9時半。
この時間で、すでに日の出前から森下とヨットハーバーで釣りでひと勝負やってきた!とほざくのは古西。
徹マンの延長戦が釣り!
オマエらは化け物や。
午前10時半、大垣が息子を連れて登場。
今日から暑い暑い、いや熱い熱い夏が始まる。
午後3時、越知・森下・古西・谷が帰還。
今日も海に行っていたとか・・・今度は泳ぎだ。
徹マンに始まり、釣り、さらに海水浴・・・。
越知はこれから名古屋まで出向き午後5時半から名古屋支店の先輩と一献、さらに7時から昨日の遅刻の埋め合わせのクレーム処理。
相手は今日が盆明けの初仕事となるユタカと太郎のチーム・三重銀。
さすが越知、売れっ子芸者が板に付いている。
森下が越知を久居駅まで送る。
スラム街のベッドでは谷と古西が仲良くダウン。
そんななかを中3は過去統一3回に入った。
後半戦が始まる。