大観覧車
各地の遊園地やレジャー施設には、大きな観覧車が設置されているところがあります。
この観覧車、建設された当初の経緯は、フランスのエッフェル塔に対抗してなのだそうですが、ご存知でしたか?
そこで今日は大観覧車について調べました。
観覧車が世界で初めてできたのは、今から123年前の1893年のアメリカ・シカゴで、そのきっかけはフランスに対抗したアメリカ対フランスの技術力バトルだったようです。
その経緯は、観覧車が登場する4年前の1889年、フランスで「パリ万国博覧会」が開催されましたが、このときに目玉となったのが、当時世界一高い鉄塔「エッフェル塔」の建設でした。
当時の高さが312mで、「鉄鋼時代の幕開けの記念碑的存在となるだろう」と言われたそうです。
そして4年後の1893年にアメリカで「シカゴ万国博覧会」が開催される年に、エッフェル塔を超える、鉄鋼の展望室を造れないかと検討されました。そこでジョージ・フェリスが考え出したのが観覧車だったのです。
高さ75m、ゴンドラ数が36、各ゴンドラには40の座席と20人の立ち席があり、1周20分で、全ゴンドラに安全確保のため係員が同乗していたそうです。
なお、英語で観覧車を「フェリス・ホイール」と言いますが、これは発案者フェリスの名前をとっているのだそうです。
日本初の観覧車も博覧会から始まりました。
即ち、1906年(明治39年)3月15日に大阪の天王寺公園で戦捷記念博覧会が開催されましたが、これは1904年~1905年に勃発した日露戦争において日本が勝利をおさめたのを記念して開催されたイベントですが、この時に日本初の観覧車が設置されたのです。
蒸気機関を使って回転し、14個のゴンドラがついていて5分程度で一周したそうです。
東京に登場したのは明治40年(1907年)、上野で開催された東京勧業博覧会の時です。
空中回転車とよばれ、高さは30メートルほどですが、当時の新聞によると顔面蒼白になってめまいを訴えた人もいたということです。
昭和30年代に入ると各地に観覧車が設置されてきました。
そして1989年から2000年までは東京江東区のパレットタウン大観覧車(115m)を始めとして、日本が観覧車の大きさで世界一の記録を更新していたようですが、現在ではその地位は海外に譲っています。
参考までに、現在の世界の大観覧ビッグ3は次の通りです。
1位.シンガポールフライヤー 165メート (シンガポール)
2位.南昌之星(なんちょうのほし) 160メートル (中国江西省)
3位.ロンドンアイ 135メートル (イギリス)
一方、日本で一高い観覧車は、東京の葛西臨海公園にある高さ117mの「ダイヤと花の大観覧車」だそうですが、今年7月1日に大阪エキスポシティに(万博記念公園付近)にグランドオープンする「レッドホースオオサカホイール」が123mで、日本一の高さは受け渡すことになります。
・日本一高い葛西臨海公園にある高さ117mの「ダイヤと花の大観覧車」です。
世界も日本も一番を目指して果てしなき観覧車の戦いが続きそうですね。