![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/91/1927f9d7556f8fd8abfb1f9b9db08f8a.jpg)
ノートには好きな歌が書いてある。吉井勇の歌だ。いつ、どこで会ったか記していない。どこかの抜き書き。
☆ 広重の海の色よりなお淡(ウス)き我がこのごろの悲しみの色
どんな悲しみだろう、こころに沁みた。そのまま覚えた。
何年かして、はじめて吉井勇歌集を読んだ。
「昨日まで 秋と冬」のなかにある一首。
☆ 広重の海の色よりややうすしわがこの頃のかなしみの色
メモした歌と歌集の歌は微妙に違っている。
なお淡(ウス)き と ややうすし
東京国立博物館、広重の「阿波鳴門之風景」のまえで、この歌のことを思い出した。吉井の胸にきざまれたヒロシゲブルーはどこにあるだろう。この版画は渦潮を花に見立てているとあった。
「なお淡き」に惹かれた。「ややうすし」より、こころを鮮やかに写している気がした。歌集が正しいとしても、なお淡きをとる。
感覚だけでこれを選ぶ。
企画展は見ず、本館のみ。蕪村の書状や池大雅の書(七言二句)を見て満足。ベルリンの至宝展は大混雑。
茶道具の棗を入れる仕覆が好きだ。武相荘を訪ねしより。能「杜若」の展示も。四時間ゆっくり堪能した。ショップで小さな買い物。
ユリノキ、泰山木の花盛りなり。山を下りてうさぎやに寄る。
-☆-
ユリノキは半纏木、ルピナスさんに教わりました。半纏木なら近くの公園にもあります。急げ!カラスが多いから
☆ 広重の海の色よりなお淡(ウス)き我がこのごろの悲しみの色
どんな悲しみだろう、こころに沁みた。そのまま覚えた。
何年かして、はじめて吉井勇歌集を読んだ。
「昨日まで 秋と冬」のなかにある一首。
☆ 広重の海の色よりややうすしわがこの頃のかなしみの色
メモした歌と歌集の歌は微妙に違っている。
なお淡(ウス)き と ややうすし
東京国立博物館、広重の「阿波鳴門之風景」のまえで、この歌のことを思い出した。吉井の胸にきざまれたヒロシゲブルーはどこにあるだろう。この版画は渦潮を花に見立てているとあった。
「なお淡き」に惹かれた。「ややうすし」より、こころを鮮やかに写している気がした。歌集が正しいとしても、なお淡きをとる。
感覚だけでこれを選ぶ。
企画展は見ず、本館のみ。蕪村の書状や池大雅の書(七言二句)を見て満足。ベルリンの至宝展は大混雑。
茶道具の棗を入れる仕覆が好きだ。武相荘を訪ねしより。能「杜若」の展示も。四時間ゆっくり堪能した。ショップで小さな買い物。
ユリノキ、泰山木の花盛りなり。山を下りてうさぎやに寄る。
-☆-
ユリノキは半纏木、ルピナスさんに教わりました。半纏木なら近くの公園にもあります。急げ!カラスが多いから
広重にこのような版画があることは、ついぞ知りませんでした。虚庵夫人の生地が淡路島ですので、身近に感じられました。
淡路島は、春先「いかなご」が獲れますが、それにまつわる落書きと拙い歌を、以前に紹介しました;http://blog.goo.ne.jp/kyoan/d/20050406
ご紹介されている歌の世界とは、随分とかけ離れた俗界のことにてお恥ずかしい限りですが、ご笑覧下さい。
釘煮は大好き(ラグタイム) 2005-06-07 16:19:16
食べたくなりました。デパートで良く買います。レストランのお味は、さぞやと羨みました。
花の「阿波鳴戸之風景」のほかに、雪の「木曽路之山川」、月の「武陽金澤八勝夜景」とで「雪月花三部作」と称される広重晩年の風景画の代表作、だそうです。
鳴くこえに (ラグタイム) 2005-06-07 23:54:02
食い気ばかり…
吉井勇の歌 (bonito) 2005-06-08 06:34:26
わたしも勇の歌はときどき墨彩画にも入れます。ところで企画展をキャンセルして、本館のみに集中するセンス、素敵ですね。!!!
九州ではそんな機会も滅多にありませんが。
「広重の海の色より」の歌への見解、ご自分の感性を大切になさるのがいいと思います。
ただし、メモされた歌が初案だろうとは思いますが。
「淡き」の連体形で「悲しみの色」の色
になだらかに係っていくか、「ややうすし」で一旦終止し、一呼吸おいて下の句をゆったりと表出するかの違いだと思います。
たしかに「ややうすし」は少し俗っぽい
感じ、(大変失礼!)「なほ淡き」の方が音も字面もいいですよね。
共感! (ラグタイム) 2005-06-08 11:36:41
bonitoさん
さすがのご考察、ありがとうございます。自分の感性をたいせつに… うれしく受けとめました。
絵も、批評家がいいと言うからではなく、自分の感覚で捉えたい。映画も文学もすべてにおいて