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線路沿いにたくさんの植物が見える。それらは植えられたものか、たいていは野鳥の贈り物だ。柵の内側で夏みかんがたわわな時もあった。ひとが通るそばに一つもなくて、奥の枝にかぎり、おもげな黄金色がまぶしかった。
季節はめぐり、たわわな枇杷の実。写しながら、ウィリアム・モリスの世界だなと思う。肉厚な葉も葉脈も、裏の毛皮さえいとおしくなった。果実にはイエローとバーミリオンを少しばかり。青みものこして。
子供の頃は、種ばかり大きく食べるところが少ないと見向きもしない。家の周りそこら中に枇杷も無花果もはえていた。有るときはほしがらず、無いとなれば無性になつかしく味も香りも思いだす。もっと親しんでおけば良かったと後悔する。
店には、大きく瑞々しいのを行儀よくならべてある。
先日、平家物語りを聴いた。琵琶の音色と流れるようなラインをわすれない。
枇杷から琵琶へ、辞書をひく。
三省堂 全訳 漢字海より
枇杷…①弦楽器の一つ。琵琶 【釈名】元来胡中(コチュウ)から出たもので、馬上で演奏するものである。手を前に推す動作を「枇」といい、後ろに引く動作を「杷」という。これを演奏するときに象(カタド)って名付けたのである。②果樹名。バラ科の常緑の木で、形が楽器の琵琶に似た実をつける。
広辞苑
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