ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

落花流水

2007-09-30 16:50:49 | 本を読みました
ネットに接続できない件は、
プロバイダに申し入れしたので
週末には解決すると思う。

体調は不調。
金曜日の午後から昏々と眠りましたよ。
からだの重さは消えたけれど心臓が。。
ついに詰まったかしら???



さて、本を読みました。
山本文緒著「落花流水」です。
あっという間に読めてしまいます。

手毬という女性の物語で
章によって語り手が違う。
本人、母、義弟、娘、隣人のハーフの男の子。
いろいろな視点で手毬をみている。

手毬は母が17歳の時に生まれた子。
よって祖母の子として育てられる。
その祖母の死により母に引き取られる。
母は家のことをしないで安住の地を探し求めていた。
水商売曲がりの母とガリベンで目立たない手毬。
その母が平凡な安住の地を見つけた。
けれど、安住な地が物足りなくなり
母は家を出てしまう。
手毬も平凡な幸せを得つつも、
昔好きだった男の子のもとへ
駆け落ちしてしまう。

ここからはネタばれですので
白文字で書いております。
読みたい方は反転してみてくださいな。

普通、こういうことをしてしまうと
不幸せになるのが定番なのに、
母は80歳過ぎてでも
女性として現役!!!
手毬は、駆け落ちして子供にも恵まれる。
しかし、夫から別れをいわれて内心ほっとした。
手毬は最初の夫もその次の夫も愛していなかった。
一方最初の夫は手毬がいなくなった後
投身自殺をして二人の人を巻き込んで死んでいた。
義弟と娘は家と仕事を失う。

手毬は再再婚する。
恋愛でなく、家族として暮らすことが心に
なじむ人を選んだ。
だからキスをしたこともない人を
看取ったことも誇らしく思っていた。
看取った後も不思議な幸せ感の中で生活していた。
けれども手毬はいつの間にか若年性のアルツハイマーに
侵されていた。
その手毬をどうするかということで
手毬の母、娘が病院に集まるのだった。

それでも手毬の晩年は幸せだったと思う。
しかし、手毬が家を出たために義弟や娘、
そして夫の人生は悲惨なものになってしまった。

「人生は自分で切り開くもの」と考えれば
その後の娘の復活は自分で得たもの。

ハチャメチャの母が80歳過ぎても
つばめと一緒に生活している姿は
すごい!!!

人生は自分で切り開くもの。
この本を読んでそう思った。
がんばろうっと。
コメント
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