退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「途方もない時間の経過で『複雑な機械』になったわれわれとその現在あるいは古典ホラーの傑作」について

2020-02-27 02:51:04 | Weblog
晴れ。夜にやや冷える。

フロイド・E・ブルーム他編「新・脳の探検(下)」を読む。

本作で扱っているのは「サーカディアンリズム=概日周期」
「ウルトラディアンリズム=短日周期」や「インフラディアンリズム=長日周期」。

若い頃から「昼夜逆転の生活ぶり」が変わっていない自分を思う。
相当「ヤバイ人」なのかも。

動物の冬眠や人の睡眠あるいは時差ボケ、女子の生理、
情動、記憶、学習、思考と意識や行動障害、うつ病、統合失調症など。

それにしても想像を絶する時間の経過の下に
「人」は実に「複雑な機械」に「進化」したものだと思うことしきり。

とはいえその結果が現在の劣化かと思うと何ともはや。

アルフレッド・ヒッチコック「サイコ」(’60)を久方ぶりに再見。
どうやらかなりの「記憶の捏造」があったことを知る。

冒頭のサムとのやりとりや警察官に不信を抱かれるシーンなどは「忘却の彼方」へ。
さすがに有名なシャワーシーンのカットは大丈夫だったけれど。

沼から車が引き上げられるシーンはラストだったのか。
ライラとサムの「捜査」の途中のことだと思い込んでいた次第。

ヒッチコックの姿は確認。
ソール・バスのモノトーンの上下の線の移動によるタイトルロールはやはりオシャレ。

音楽バーナード・ハーマンの「切り裂くような音」も素敵。
探偵マーティン・バルサムが階段から落ちる映像の「スクリーン・プロセス」よ。

監督の娘パトリシアはジャネット・リーの同僚役。
「娘は父親に似るものだなあ」とあらためて。

ラストの精神科医による「解説」は当時としては必要なものだったのだろう。
もちろんアンソニー・パーキンスの顔が「ドクロ」と重なるのも確認。

「現代の目」からすると作品はもう少し短くてもよかったかもなどと。
サムのジョン・ギャヴィンの魅力の薄さもあり。

中古車の店主が「初めての客は不吉だ」と言ったり
ノーマンの部屋に剥製がいっぱいあって「鳥はおとなしいからいい」と言ったり。

深夜についつい「ヒッチコック・トリュフォー 映画術」を本棚から取り出し。
そうそう冒頭で場所と日付と時間が画面に映し出されるのも忘れていたか。

沼に沈んで行く車が途中で動きを止めることも。
主人公は犯罪者なのについつい「沈んでくれ」と思う観客心理を誘い。

客の4万ドルを盗んだマリオンが
ノーマンとの微妙な会話の後で「改心」するものの殺されてしまうことも同様に。

味わい深い「古典ホラーの傑作」を是非。
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