先日ポンプで加圧しても火力が上がらないというご相談を受けました。
ガソリンストーブを燃焼させたところ、
ポンプで加圧しても、ケロシンストーブの様には火力ががあらない。
これはもしや、ポンプの加圧が不十分だからではないのでしょうか?
そういった内容でした。
どうもオーナーさんは手持ちのケロシンストーブ(マナスル)との燃焼の違いからそう感じられた様子。
確かにケロシンストーブは、ポンプの加圧が即火力の増大につながりますが、
実は、ガソリンストーブの場合は一概にそうとも言えないのです。
その理由が次の通り。
・灯油はニップル穴が大きいうえにバルブが常時開放なので、ガスの噴出量の大小は加圧の程度で決定する。
ゆえに、加圧に応じて即火力の変化が見られる。
・ガソリンの場合はニップル穴が小さく、またガスの流量をバルブで調整しているため、ポンピングによる加圧によるガス噴出量の変化は一定レベル以上は分かりやすい変化が見られない。
それでもどちらのストーブも使用するにつれ火力は上がるし、
特にガソリンストーブの場合は恐ろしいほど内気位になっているのを見た方も多いと思います。
それは主に、燃焼から起こる加熱とその結果によるタンク内圧の高まりが原因です。
バーナー部やチューブが熱せられ気化が激しく促進され圧が高まると同時にタンク内の圧が高まり結果勢いを増す。
だからこそ、タンクへの遮熱をしっかりしない状態で連続使用をすると最悪内圧に負けてタンクが爆発したりします。
特にガソリンは灯油に比べ揮発性うと爆発性が高いため、安全弁が装備されているものが多いのです。
こう考えると、点火準備におけるポンピングが果たす役割についても、灯油とガソリンで目的が明らかに違うのもお判りと思います。
灯油の場合は、タンクからの燃料の圧送と、気化したガスを噴出させる文字通り火力増大のため。
ゆえに、灯油ストーブには欠かすことのできない必須の装置。
一方ガソリンの場合は、燃焼準備のためにはウイックの吸い上げを利用するのですが、さらにその後押しとしてを通じヘッド付近まで燃料を圧送することが主な目的。
祖sてか量の増大については、その後の過熱による圧力の増大も影響が大きい。
つまり、ガソリンの場合は、燃焼初期の立ち上がりの速さを獲得するための補助装置。
ゆえに、サブ的な意味合いなので、ガソリンストーブの場合は特になくとも、ストーブとして機能できる。
そしてどちらの場合でも、いわゆる本気の火力を得るためには、
燃焼自体からの過熱、そしてその結果としての加圧が必要となります。
そしてそれを制御するためのセーフティ装置が安全弁ということとなります。
実際のところ、もしガソリンストーブの火力をポンプによる加圧のみで増大させることができるとしたら、
極端な話、ポンピングで安全弁を作動させるほどのパワーが必要となりますが、
現実的にそんなことは不可能なのはお分かりでしょう?
以上のことから、
・ポンピングしたのちフィラーを緩めても勢いよく空気が出ない。
・燃焼させたのちポンングしても火力が上がらない。
とそう言った症状も、それが即故障というわけではなくこともお判りいただけると思います。
ですから、ポンプの加圧に対して疑問があるときにもっとも重要な判断材料は、圧送の確認と燃焼状態の確認。
・燃焼前、ポンピングの後加圧しバルブを開いた際燃料が勢いよく噴出するか否か。
(過去の動画で言うとこの部分です)
・燃焼時、きれいな青火が途切れることなく続いているか否か。
この二つが問題ないならば、まず加圧を疑う必要はありません。
灯油とガソリン、良く混同されがちな燃料ですが、実は燃焼条件も反応の仕方も異なります。
ですから、当然ストーブの構造もそれぞれにあったものでないとうまくいきません。
だから、同じ「加圧ポンプ」というものが付いていたとしても、
その役割は実はまったく同じではないということなんですね。
ヽ(^∀^)ノ
**追記**
参考までに、以下の過去記事もご一読いただくと、より理解が深まるかと思います。
・液体燃料ストーブの仕組みとメンテナス【その1 ストーブの基本構造】
・【その9 ウイックとポンプ】
・【その10 燃料の話】
ガソリンストーブを燃焼させたところ、
ポンプで加圧しても、ケロシンストーブの様には火力ががあらない。
これはもしや、ポンプの加圧が不十分だからではないのでしょうか?
そういった内容でした。
どうもオーナーさんは手持ちのケロシンストーブ(マナスル)との燃焼の違いからそう感じられた様子。
確かにケロシンストーブは、ポンプの加圧が即火力の増大につながりますが、
実は、ガソリンストーブの場合は一概にそうとも言えないのです。
その理由が次の通り。
・灯油はニップル穴が大きいうえにバルブが常時開放なので、ガスの噴出量の大小は加圧の程度で決定する。
ゆえに、加圧に応じて即火力の変化が見られる。
・ガソリンの場合はニップル穴が小さく、またガスの流量をバルブで調整しているため、ポンピングによる加圧によるガス噴出量の変化は一定レベル以上は分かりやすい変化が見られない。
それでもどちらのストーブも使用するにつれ火力は上がるし、
特にガソリンストーブの場合は恐ろしいほど内気位になっているのを見た方も多いと思います。
それは主に、燃焼から起こる加熱とその結果によるタンク内圧の高まりが原因です。
バーナー部やチューブが熱せられ気化が激しく促進され圧が高まると同時にタンク内の圧が高まり結果勢いを増す。
だからこそ、タンクへの遮熱をしっかりしない状態で連続使用をすると最悪内圧に負けてタンクが爆発したりします。
特にガソリンは灯油に比べ揮発性うと爆発性が高いため、安全弁が装備されているものが多いのです。
こう考えると、点火準備におけるポンピングが果たす役割についても、灯油とガソリンで目的が明らかに違うのもお判りと思います。
灯油の場合は、タンクからの燃料の圧送と、気化したガスを噴出させる文字通り火力増大のため。
ゆえに、灯油ストーブには欠かすことのできない必須の装置。
一方ガソリンの場合は、燃焼準備のためにはウイックの吸い上げを利用するのですが、さらにその後押しとしてを通じヘッド付近まで燃料を圧送することが主な目的。
祖sてか量の増大については、その後の過熱による圧力の増大も影響が大きい。
つまり、ガソリンの場合は、燃焼初期の立ち上がりの速さを獲得するための補助装置。
ゆえに、サブ的な意味合いなので、ガソリンストーブの場合は特になくとも、ストーブとして機能できる。
そしてどちらの場合でも、いわゆる本気の火力を得るためには、
燃焼自体からの過熱、そしてその結果としての加圧が必要となります。
そしてそれを制御するためのセーフティ装置が安全弁ということとなります。
実際のところ、もしガソリンストーブの火力をポンプによる加圧のみで増大させることができるとしたら、
極端な話、ポンピングで安全弁を作動させるほどのパワーが必要となりますが、
現実的にそんなことは不可能なのはお分かりでしょう?
以上のことから、
・ポンピングしたのちフィラーを緩めても勢いよく空気が出ない。
・燃焼させたのちポンングしても火力が上がらない。
とそう言った症状も、それが即故障というわけではなくこともお判りいただけると思います。
ですから、ポンプの加圧に対して疑問があるときにもっとも重要な判断材料は、圧送の確認と燃焼状態の確認。
・燃焼前、ポンピングの後加圧しバルブを開いた際燃料が勢いよく噴出するか否か。
(過去の動画で言うとこの部分です)
・燃焼時、きれいな青火が途切れることなく続いているか否か。
この二つが問題ないならば、まず加圧を疑う必要はありません。
灯油とガソリン、良く混同されがちな燃料ですが、実は燃焼条件も反応の仕方も異なります。
ですから、当然ストーブの構造もそれぞれにあったものでないとうまくいきません。
だから、同じ「加圧ポンプ」というものが付いていたとしても、
その役割は実はまったく同じではないということなんですね。
ヽ(^∀^)ノ
**追記**
参考までに、以下の過去記事もご一読いただくと、より理解が深まるかと思います。
・液体燃料ストーブの仕組みとメンテナス【その1 ストーブの基本構造】
・【その9 ウイックとポンプ】
・【その10 燃料の話】
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