子供のころ読んだ本で、「猫に未来はない」という本がある。
その中でこういう一文がありました。
「猫の脳には、人間で言うところの未来のことを考える部分と、数を認識する部分が欠けている、
だから、言うならば猫は延々と今だけを生き、未来を感じることは一生ない。
言い換えれば猫には未来というものはないのです。
そしてまた、数の認識ができないから数匹の子猫を持つ親猫から、
一匹子猫を取り上げても、そのときは騒ぐものの減ったことに気づかず、
すべての子猫を取り上げた時点で、子猫がいなくなったことにはじめて気づくのです。」
本当にそうだろうか?
実はつい先ほどジムから帰ると、家の前をいつものようにゴミ収集車が通り過ぎていきました。
するとその後に一匹の猫の姿が。
実はここのところ家の近所には野良猫がすごく増えていて、
顔なじみの猫家族もたくさんいるのです。
で、その猫にも見覚えがあったので、
「ああ、またこんなとこで無防備に寝て…」
そう思い近寄り顔を覗き込み、
「起きや~。踏まれるでぇ~。」
と声をかけたのですが…
まったく動かない。
まさかと思い、もう一度顔を覗き込みよく確認すると、
きれいな姿のまま横たわっているものの、全く動かず…
死んでいました。
私はしばらく呆然としていましたが、そのままにしておけないので、
あわてて娘を呼び出し現場を見張ってもらいながら、後始末をしようとうろうろしていました。
子猫を入れる段ボール箱をまず用意し、あと体をくるむバスタオルとビニール…
すると、そこに親猫と兄弟猫が現れて、
私たちがそばにいるにもかかわらず倒れた子猫のそばに来て
そして全員で体をぺろぺろと一生懸命舐めだしました。
子猫が死んだことに気がついていないのでしょうか、
「がんばれ、がんばれ!」とでも言うかのように一生懸命舐め続けます。
ですが、そうしている間にも自転車や車が通るので、このままだとほかの猫たちも危ない。
ですので、猫たちから子猫を取り上げ子猫を箱に詰めました。
親猫はかなり近くからその様子をじっと見詰めて、
私が家の中に箱を入れるまでずっとそのまま見続けておりました。
その後、お線香をあげたりしてしばらくあとに家の表を見てみると、
例の親猫が家の前を横切っていき、兄弟猫の姿も見えました。
どう考えても、親猫も子猫もその子がいなくなったことを十分理解してますよね。
実はこの親猫は以前紹介した近所のわんこと仲良しの猫なのです。
http://blog.goo.ne.jp/pudo-ru/e/0c11c6facea7808a49288804db536a0c
http://blog.goo.ne.jp/pudo-ru/e/b90bf83c3d654897c10206de4a6bbdd6
ですので子猫も実はよく見知っているのです。
その子猫の中でも、一匹だけすごく短足で、ふさふさで、
いつも「きゃぁ~!きゃぁ~!」言いながら群れの最後を走っていくどん臭くかわいらしい子がいたのです。
私は「あの子なら飼いたいな…」と奥さんにも漏らしていたのです。
そして今回死んでいたのはその子なんです。
先ほども述べましたが、ここ数年近所に野良猫が増え、
その猫にえさを上げに来る人たちもたくさん増えてきて、町内でもそれが問題になっているのです。
実際私の家の横にも餌を置いていかれ、害虫などや後始末にいつも苦労させられております。
ですので、
「本当に猫がかわいそうと思うならば、安易に餌やりをせず、
捕獲して、これ以上不幸な猫が増えないように避妊手術を受けさせてやってください。」
と貼り紙をしております。
(実はうちでも以前家に入り込んだ子猫を捕まえ手術を受けさせました。)
http://blog.goo.ne.jp/pudo-ru/c/658448f3d73252e959729013978f62fc
無論その考えは今も変わらないのですが。
野良猫の生活は予想以上に常に危険と隣り合わせ。
そして、生活環境もかなり劣悪。
実は遺体を処理している間も、遺体から数多くの蚤が出てきました。
おそらく、この子は生まれてからずっと、絶え間なく蚤にたかられて暮らしていて、
それが当たり前の生活だったのでしょうね。
楽しいことなんかあったのかなぁ?
兄弟で遊んだり、母猫に甘えたりくらいかな?
そんなことを考えると、夜遅くにやってきて美味しい餌をもらえることは、
それはとても嬉しく楽しいことだったのではないか?
そうも思えてきてしまって…
でも実際、それは間違った行為な訳で将来的にはよりいっそうの悪循環を招くだけだとも分かっているし。
何より野良猫に対する近隣の不快感を増大させ、猫を悪者にしてしまいかねない。
実は近所の奥さんは、自宅に猫の餌を置いておき、
野良猫を引き寄せて、その子らがなれたころに捕獲し、
そして避妊手術を受けさせまた開放しておられます。
無論これでも事故などの不安は付きまとうのですが、
ずいぶん猫と地域のことを考えておられる立派な行動だと思います。
それでも、そのことを良く思わない人も当然いるわけで、
「そういうことをするから、野良猫が寄り付くんや!」
と、苦情を言われております。
苦情を言うだけで協力しようとしない人。
とりあえずかわいそうなので、自己満足のために餌を与え続ける人。
実は根っこは全く同じで、自分のことしか考えていない人。
野良猫、野良犬の問題は、実は人間同士の問題なんですよ。
本当はそのことを誰もが気づいているのですが、
かかわりあうめんどくささや、相手の立場になって考えること、
そういうことを嫌がって、すべての責任を猫に丸投げしてしまっているように思えてならない。
このままでは本当に…
猫に未来はない!
だから決心しました。
近所の野良たちを捕獲して手術を受けさせます。
以前の黒かりんのように。
無論それで数が減るはずもないし、効果があるとは考えていませんが、
何もせずに黙ってみていて文句を言ったり、
できたことをせずに後悔したり、悲しんだりするのはもう嫌なので、
無理のない範囲で、今後続けていこうと思います。