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Carne(カルネ)
トリノオリンピックで話題のイタリア。肉といえば生ハム。イタリア語ではProsciutto(プロシュート)、最も有名な産地はパルマである。ミラノから車で南に2ー3時間のエミリア・ロマーニャ州にあり、他にもチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」(通称パルメザン)や一時期サッカーの中田選手が在籍していたことなどでも知られている街である。
日本ではなかなか手の出ない高級品も現地では安価。昼下がりのバールで生ハムとモツッアレラチーズ、フレッシュなバジルの葉を挟んだサンドイッチとカプチーノでのしばしの休憩。また、夕暮れの街へ出て地元の人たちで賑わう庶民的なトラットリア(食堂)に入り、生ハムやオリーブののった前菜の盛り合わせや生ハムメロンと冷えたハウスワインで始める夕食などが思い出される。
「パルミジャーノ・レッジャーノ」の小さな塊をチーズおろしで粉状にして熱々のパスタなどにたっぷりとかけるのも当時は珍しく、日本の缶入り粉チーズとは味も香りも全く別物という驚きの食の体験もした。
さて、パルマでもう一つ忘れてはならないのは画家「パルミジャニーノ」。「パルマの若造」という意味になる名前はニックネームで本名よりもこちらで認知されている。
代表作はフィレンツェのウフツィ美術館蔵『長い首の聖母』。ラファエロの慈愛に溢れた聖母の調和と好対照になる不自然な美しさが忘れられない。「長い首」というタイトルも、うつむき加減の聖母が縦に引き伸ばされたようなフォルムも印象深い一枚。これはローマに出て勉強した成果を故郷パルマに戻って発揮したという作品である。そして絵画史でルネサンス以降に出てきた新しい表現「マニエリスム」を代表する絵画の一つに位置づけされている。
自然を超えた洗練、芸術的技巧、観念性などが追求されたマニエリスムの旗手は、ギリシャのクレタ島出身で後にスペインで活躍したエル・グレゴであることも記しておきたい。
イタリアの小さな街らしい静かな風情と川と渓谷を抱く自然条件が、美味しい食だけではなく時代を先駆ける画家の感性も育んだようである。(さ)
*『長い首の聖母』をご覧になりたい方は、文中の青い文字をクリックしていただくと検索ページになります。検索結果1『長い首の聖母』のところをを更にクリックしてみてくださいね。
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トリノオリンピックで話題のイタリア。肉といえば生ハム。イタリア語ではProsciutto(プロシュート)、最も有名な産地はパルマである。ミラノから車で南に2ー3時間のエミリア・ロマーニャ州にあり、他にもチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」(通称パルメザン)や一時期サッカーの中田選手が在籍していたことなどでも知られている街である。
日本ではなかなか手の出ない高級品も現地では安価。昼下がりのバールで生ハムとモツッアレラチーズ、フレッシュなバジルの葉を挟んだサンドイッチとカプチーノでのしばしの休憩。また、夕暮れの街へ出て地元の人たちで賑わう庶民的なトラットリア(食堂)に入り、生ハムやオリーブののった前菜の盛り合わせや生ハムメロンと冷えたハウスワインで始める夕食などが思い出される。
「パルミジャーノ・レッジャーノ」の小さな塊をチーズおろしで粉状にして熱々のパスタなどにたっぷりとかけるのも当時は珍しく、日本の缶入り粉チーズとは味も香りも全く別物という驚きの食の体験もした。
さて、パルマでもう一つ忘れてはならないのは画家「パルミジャニーノ」。「パルマの若造」という意味になる名前はニックネームで本名よりもこちらで認知されている。
代表作はフィレンツェのウフツィ美術館蔵『長い首の聖母』。ラファエロの慈愛に溢れた聖母の調和と好対照になる不自然な美しさが忘れられない。「長い首」というタイトルも、うつむき加減の聖母が縦に引き伸ばされたようなフォルムも印象深い一枚。これはローマに出て勉強した成果を故郷パルマに戻って発揮したという作品である。そして絵画史でルネサンス以降に出てきた新しい表現「マニエリスム」を代表する絵画の一つに位置づけされている。
自然を超えた洗練、芸術的技巧、観念性などが追求されたマニエリスムの旗手は、ギリシャのクレタ島出身で後にスペインで活躍したエル・グレゴであることも記しておきたい。
イタリアの小さな街らしい静かな風情と川と渓谷を抱く自然条件が、美味しい食だけではなく時代を先駆ける画家の感性も育んだようである。(さ)
*『長い首の聖母』をご覧になりたい方は、文中の青い文字をクリックしていただくと検索ページになります。検索結果1『長い首の聖母』のところをを更にクリックしてみてくださいね。
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イタリア・パルマの事をとても興味深く読ませていただきました。
僕はまだ日本から出た事も無いような人間なのですが、近いうちに美術館巡りをしたいと思っています。長い首の聖母も一度はこの目で実物を見に行ってみてみたいものです。
またこの綺麗な文章を読みに来たいと思います。
なんだか、さらささんの文章を読んでいたらわかる気がしました。
もうちょっといろいろな人生経験を積めたらイタリアの美術館めぐりをしてみたいです。キリスト教の原罪って考えが理解しずらいので、苦悩の表情の絵が辛い時があります。もっと多角的にモノを見られる様になったらイタリア美術史面白そうです!未熟者の私には「綺麗だな」って感想しかまだ出てこないです
そう、今回の記事は私も書きながら喉がなってしまいました。中華も美味しいけどイタリアンも大好き。
前菜は生ハムだけっていう注文いいですね。お皿一杯の生ハム、食べたい!私も日本食には全くこだわらないので、パン、ワイン、ハム、チーズで幸せです♪
ウフッツィー美術館も広くて絵が沢山あって一日では
本当に駆け足ですよね。「春」、「ビーナスの誕生」とボッティチェリ作品がやはり一番印象に残っています。
海外の体験がこれからなのですね。
それは楽しみなことです。世界中の情報がリアルタイムに入る現代でも、やはり「百聞は一見に如かず」であることを初めて海外に出た時に(ヨーロッパ周遊)実感しました。街並みも建築も絵画もやはりその場所
で味わうのが一番!素晴らしい文化が待っていますよ。美術館の質も高いです。
まだまだ勉強不足の文章をお褒めいただき、ありがとうございます。ゆっくりの更新ですが、是非またいらしてくださいね!
キリスト教の原罪・・難しい問題ですね。絵画も磔刑の場面など重たいテーマが描かれることが多いので
確かに鑑賞が辛いというのも解ります。この時代の絵画を見るのに必要な知識は何と言っても聖書(キリスト教)とギリシャ神話。神話のことは聞いてくださいね~!
ウフィツ美術館の屋上に何故かバールがあります。
ガイドブック等にはのってないのですが、
私のお勧めのバールの一つです。
なぜかというと、目の前にドォーモのクーポラが目の前にドーンと!
美術見学にくたびれたらエレベータで屋上に上がって、飲み物を取って元気をつけてまた、
美術鑑賞してくださいね。
お勧め時刻はもちろん夕方です。
今でも、あると思うのですが、10年以上前の話なので、なかったらごめんなさいね。
貴重な情報をありがとうございます。
何て素敵なカフェなんでしょう!
2回もウフツィ美術館に行っていながら、全然知らなかったです。残念!
ドォーモのクーポラを目の前にカプチーノなんて・・
考えただけでもドキドキしてしまいます。
それ自体が美術鑑賞ですね~。
いつかまた訪ねる機会を絶対に作り、お茶したいです。