地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

エネルギー

2020-07-20 09:22:03 | アラビア語(エジプト)

(ターカ)طاقة

コロナで神頼みは日本だけでなくエジプトも同じ。
もっともイスラーム教の国なので、日本のようにアマビエさまが流行ったりするような現象は起きないし、大ぴらにおまじないをしたりはしない。
古代からの神々の力やピラミッドパワーで、コロナがなくなると信じる観光客がきたらいいなと願っているエジプト観光業の人は少なくない。
ファラオニック・パワーはアラビア語でターカ・ファラオネーヤ。
「古代エジプトは永遠に我々を食わせてくれる」というエジプト人の友達の言い草に、言葉を失った。
ピラミッドは永久に滅びず、お金を生むと信じて疑わないのだ。
大事に保存し、環境を整えなければ、形あるものはいつか滅びる。
もっともエジプト人が純粋に「ピラミッドは永久に壊れない」と信じている「パワー」も、ピラミッドを維持させている一因なのかもしれない。これぞ神のみぞ知る。
昨今エジプト人も瞑想したりヨガをやったりしている。アラブの春以降、若者は絶望し神を否定するものも出てきた。(写真はファラオニック・パワーの瞑想ルーム)
新興宗教などは国の圧力もあり台頭することはないが、目に見えないパワーやエネルギーを、イスラームよりも信じる者が増える世の中が来るかもしれない。

太陽神の国、エジプトでは強い太陽がさんさんと輝いている。これを利用しない手はないと思うが、どちらかといえば風力発電の方が歴史があり、太陽光発電はなかなか進んでいなかった。
最近やっと普及してきたようだ。ターカ・シャムセイヤ(太陽光発電)という言葉を耳にするようになった。
もっといろんなところで使われるようになるといいと思う。

なんにしても、人々が未来を信じるエネルギーをもって、コロナ問題に打ち勝ってもらいたいものだ。
気の力は大きいと思う。[a]


消毒液

2020-07-13 15:01:14 | アラビア語(エジプト)

كحول (クフール)

顔にはマスク、手には消毒液のミニボトルを持って歩くのが定番になったエジプト。
買い物したお釣などにもシューッとふきかけたりしてる。
クフールはアルコールの意味。
イスラームの国でアルコール?と思われる方もいるだろうが、問題とされているのはビールなどのアルコール飲料。医療などで使うことは問題ない。
スーパーなどの大型店では入り口の警備員や店員に検温、マスクをちゃんと鼻まで覆ってつけることや手を消毒してから入店するように誘導される。
飲食店では入店時、メニューを見たあと、食事が運ばれてきた時と、何度も消毒液を店員が吹きかけてくる店もある。
大型の店や駅、バスなどの車両の消毒も定期的にしている。ジャブジャブかけるように消毒しているのを見ると「かければいいというものでもないのに」と思う。
大型スーパーなどでは、電話ボックスサイズの通過式ゲートがあり、通過すると上から消毒液が自動噴射されるタイプもある。
問題はエジプト人はあまり構わないことである。やたらめったら消毒させたがり、レストランでは入店したところ、席に座って、注文して、注文品が運ばれてきたところ、会計前、会計後と、店員と接触するたびに「シュッ
」と吹きかけてくる。
また客の持ち物を気にかけてくれることもなく、革製のバックだろうが、色落ちしやすいシルクだろうが構わず「シュッ」と吹きかけてくる。
まだまだ観光客が戻ってくるような状況にないが、神経質な日本人観光客が戻ってきても、この消毒体制では、ガイドは神経使うだろう。
マスク同様早く懐かしくなってもらいたいものである。[a]


マスク

2020-06-09 19:51:08 | アラビア語(エジプト)

كمامة (キマーマ)

毎日コロナコロナで、世界が疲弊している。
毎日の感染者数が1000を下回らない(2020/6/8)エジプトでは、夜間外出禁止令や、公官庁や大型の店舗、銀行などではマスクの着用が義務づけられている。
長年エジプト人を見ていて、人々がマスクをしているのを見るのは、実に2011年の革命以来だ。

2011年の革命から2013年の軍が政権を取り戻すまでの間は、催涙弾がデモ隊に投げられたりして、
この時はマスクに縁のなかった人々がマスクをした。
とはいえ、それはカイロの地下鉄利用者が主であった。
このたびはエジプト全土でマスクをしている。
当時マスクは1ポンド(約20円)で、「マスク1ポンド!」と、行き交う人の間で物売りが売っていた。
それまで、日本人観光客が、エジプトの砂埃や排気ガスに閉口してマスクをしているのを見ると、
クスクス笑いながら「やーね!あの中国人テロリストみたい!」などと通りすがりにこちらが判らないと思って、
アラビア語で言うのをよく耳にした。
そんなエジプト人がマスクをしているのを見て仰天したものだ。
そして、このマスクはいったいどこからやってきたのだ?と不思議に思った。

このたびのコロナ騒ぎで、エジプトもマスク必須になった。
エジプトらしいマスクエピソードが日々耳に入る。
政府の商業用布マスク製造にあたり、厳しいガイドラインが設けられている。
コットニールというエジプトコットンブランドも第一弾は政府の検品ではねられたために店頭販売はできなかった。
町中の物売りが「コットニールのマスク安く売るよ」と声をかけてくる。
まさかとは思うが、この不良品が闇で売られていてもおかしくはあるまい。
ゾッとする話は、裁判所の前で「貸しマスク屋」が出ているという。
裁判所に入るためにはマスクが必須だが、忘れてきた人に入り口でマスクを有料で貸し、回収する。
また忘れてきた人がいると貸すのを繰り返しているという。
日本人にとって家族がつけたマスクは、コロナ云々にかかわらず身につけたくないものだ。
もともとエジプトでは、誰が飲んだか判らないコップに口をつけて水を飲むのも抵抗がない人が多い。
タクシーに乗って運転手に「水を飲ませてくれ」と言われることがる。
持っているペットボトルの水を一口飲ませてくれと言うのである。
いっそペットボトルをあげるならともかく、どこの誰とも知れない運転手が口をつけた水など、おぞましくて飲めないのが日本人である。
こういう環境ではコロナ様が猛威を振るってもおかしくない。

家族、同性の友だちに会ったらハグして、両方の頬に接吻するのがご挨拶の国で、
人に触れてはいけないというのは強烈なストレスとなっている。
「あなたはコロナ持ってない!」と盲目的な信じる心で愛しい人の頬に接吻するエジプト人たち。
そしてその結果は毎日「本日の感染者数1500」などという数字となって表れている。
さすがのエジプト人もこれはえらいこっちゃと、マスクをするようになった。
貸しマスクが現れる国である。
自分のマスクはいったい何日使って洗っていないのかが気になるところである。
不織布のマスクはゴムが切れるまで使っていると思われる。
布マスクやいかに…
不織布のマスクは2ポンドから5ポンドが相場で、庶民には高い。
一番良く見る黒い布マスクは10ポンドで売られている。
かわいい生地のマスクもときどき見かける。
さて気温40℃越えの日もあるエジプトで、マスク生活にどこまで耐えられるだろうか。
湾岸の女性たちがしている目だけ出して、顔の前に布を垂らしている二カーブが
マスクよりも楽なのではないかと思った。
エジプト人の友だちに話したところ、同じことを考えたという。
コロナの間だけやって、終わったらやめると宗教的にどうなんだろうと考えてしまったという。
教義的に問題なくても近所の人にいい加減な信仰心の持ち主だと思われる気がするとのことだった。
日本の冷感マスクを恨めしく思うカイロの夏になりそうである。[a]





フラフラ散歩、オーストリアへ

2017-10-30 20:51:51 | コラム

 

10月、気温30度のエジプトからもう冬突入のオーストリアはウィーンへ!気温は7℃前後で雨もしとしと。
飛行時間3時間半とは思えない気温差に体がついて行かない。
今年はエジプトのネット回線速度がものすごく緩やかで、あらゆるブログへのアクセスが非常に困難であった。
運が悪いと、アクセス時間が長すぎてパスワード確認が追い付かないのだ。
まあ、しょうがないよね。神がお望みじゃないんだからと思うよりほかにない。
エジプトでは最近自転車に乗る人が増えてきた。とはいえ道路は整備されていないし、おしゃれな自転車はぜいたく品。
都市部以外ではまだまだ女性が乗る乗り物ではない。
対してウィーンは、自転車道が整備され、駐輪ポイントもたくさんある。渋滞緩和に非常に役立っている。
エジプトがここまで来るにはあと何年かかるだろうか?
うらやましく思いつつ、ちょっとウィーンを散歩してきた。[a]


エチオピアでナンパをすすめる

2016-04-19 23:28:28 | コラム

散歩に出たきりどこをほっつき歩いているのか?
見限らないで遊びに来てくださる方々に感謝。
なんと、エチオピアを散歩する機会がありました。
人生何があるかわかりません。
エジプトから日本に帰るのに、格安航空券を探していたら、エチオピア経由で帰るのが一番安かったのです。
こんな機会でもなければ、エチオピアに行くこともないでしょう。

今回日本へは、約4万年前に日本でナウマンゾウを狩って暮らしていたと思われる
野尻湖人とその狩場を探す発掘をするための帰国でした。 
エチオピアではルーシーという、350年前のお嬢さん(?)に会うことができます。
お嬢さんにそっとささやいてみました。
「年下の彼氏を探しに一緒に日本に行かない?」

「そおねぇだいぶ若いわね…」と、返事が返ってきたような気がしたのは気のせいでしょうか?

エチオピアはアムハラ語という謎の文字と言葉の国でした。
エチオピアの正式名称はもっと長いですが、通称የኢትዮጵያ (Ityop'iya) が、読める日は来るでしょうか?
ミミズがのたくったアラビア語は謎ではない私ですが、これは象形文字にしか見えません。
イタリアの植民地だったエチオピアでは、エチオピア風イタリア料理がホテルでは出されます。
首都のアジスアベバは都会で、ビルが立ち並んでいました。
ちょっと立ち寄ったエチオピアの景色を少々、お届けする予定です。[a] 


ナツメヤシ

2015-10-09 21:27:28 | アラビア語(エジプト)

تمر(タムル)/بلح(バラハ)

エジプトは今、ナツメヤシの仕込み?の季節。
エジプト各地で真っ赤になった実がたわわに実っているのを見ることができる。
地域や畑にもよるが、デルタ地方(カイロからアレクサンドリアにかけての地域)では、
真っ赤に実った木とまだ青い実をつけている木が交互に植えられているのを良く見る。
ナツメヤシは実がまだ赤くなりきらない、オレンジ色のうちに収穫し果物屋に並ぶ種類もある。
これは食べると渋柿を食べた時みたいに、口の中の水分を奪われて、シブシブになってしまい、
私などはできるだけ食べたくない。
この生のナツメヤシを出荷する地域は、収穫時期が異なる種類を交互に植えている。
写真は階段ピラミッドにほど近い、メンフィスのナツメヤシ畑。
ここで収穫した実は10日ほど天日で干し、巨大な籠に入れ寝かせる。
出荷するのは一年後という。
ナツメヤシは生のものをبلح(バラハ)という。
乾燥したものはتمر(タムル)という。
日本語だと名前が変わっていくのは出世魚ぐらいだが、アラビア語は状態が変わると名前が代わるものが少なくない。
さて、一年後、このナツメヤシの実はどこへ行くのだろうか?[a] 


同じものを見ていても…

2015-04-01 00:07:51 | コラム

同じものを見ていても、同じことを思っているか感じているかといえば、まったく違うのはよくあること。
時には「え!」と仰天するような事を、隣の人が思っていたことを知ることもある。
地球散歩は、他のブログでは発見することがしにくい、そういう視点を重要視してきた。
住んでいる人、ツアーで訪れた人。気に入って何度も通った人…同じ道を歩き、同じものを食べ、
同じ気候の時に訪れても、その人達が同時に、同じ場所に居合わせても、
絶対に見ているもの、感じたことは違うのだ。
 
イタリア散歩は唯一、地球散歩のコンセプトで成功している。 
住んでいた人が二人、旅した人が一人書いている。
今回 旅人がもう一人、旅の記憶を記したい。
住んでいたミブーさんの貴重な情報のおかげで知った、
日本では有名らしい、頬に指をあて、グリグリしながら「ボーノ」と言うのはちょっと恥ずかしいと、
私は地球散歩で知った。
いや~びっくり!
日本人はみんな知っているんですねェ!
やっていましたよ!
私も一緒になってやってもよかったが、そういうのはもとより似合わないので、静かに眺めていた。

スプーンを使ってパスタを食べるのは、大人のすることではないと、
我が家では教えられて育ったので、 それは知っていた。だから、スプーンが出てこなくても驚かなかった。
日本のイタリアンでは良く見る、オリーブオイルに唐辛子の漬かった、タバスコもどきのようなものもまったく見なかった。
と言うことは、あれはどこから入ってきたものだろうか?
イタリアでも、どこかの地方では使っているのだろうか?

知りたいことは尽きないのである。[a] 


知らないは怖い、見えないは闇

2015-02-17 11:23:16 | コラム

「どうして逃げ出さないのかしら?」

「なぜ帰ってこないのかしら?」

それは被災地や戦火の地にいる人たちに向けられる疑問。
あなたの今いる土地は、本当に安全で安心なところですか?
どんなに素敵できれいな場所よりも、誰が何と言おうとも、自分の家が一番安心ではありませんか? 
どんなところでも、自分が生まれ育った、慣れ親しんだ環境が最高なのです。

「エジプトは大丈夫?なぜ帰ってこないの?」 

私にとって、エジプトは慣れ親しんだところです。
エジプトよりも、はるかに地震の方が怖いのです。
さて、私は痛いのも、怖いのも、窮屈なのも嫌いです。
今いるところにその気配を感じたら、また旅に出るか、生まれ育ったところに帰るでしょう。

エジプトの市場ハンハリ―リにある、フセインモスクのお祭りは今夜。
数日前から、ひっそりと祭り会場の準備がそこかしこで進められていた。
金曜日には、モイッズ通りのモスクの前の広場で、タンヌーラ(スーフィ―の踊り)が披露されていた。

誰もが、自分の暮らしたいところで安心して暮らせるように。
そのことを、他の誰かが心配しなくて済むように。
その為に、血で血を洗うことを世界のみんなが止めることを。
ただ願うばかり。[a]
 

 


腸詰

2015-01-23 20:47:55 | アラビア語(エジプト)

أنديل(アンディール)

未年なので、羊について書こうと思っていたのが、エジプトで使われている腸詰の腸は、牛の物であるようだ。
今年も最初からずっこけているあたりは、私らしいということで初笑いにしてほしい。
2007年に「米」で書いたモンバール(ご飯の腸詰)  家庭でもよく作られていた。
エジプトでマハシ(野菜の中にご飯を詰めたもの)は必ず二種類以上作らねばならならない決まりがある。
その時々によるが、茄子とズッキーニとか、キャベツとブドウの葉とか、中に入れるご飯の味付けは同じだが、外側の野菜は二種類以上と決まっている。モンバール(ご飯の腸詰)もそのひとつのようで、モンバールとマハシがセットででてくる。
中のご飯は同じである。
エジプトにもソーセージはあるが、豚の濃厚ソーセージに慣れている日本人にチキンなどの淡白なソーセージは物足りない。
家庭でモンバールを作っているのを見て、ふと、ハーブのたくさん入ったソーセージを自分で作ればいいのではないかと思うようになった。
まだ思っているだけだが、今年はやってみたい。エジプトではブタは手に入るので、自分で合挽ソーセージを作ることも可能。
さて、できるかな?[a] 


2014-12-13 14:13:16 | アラビア語(エジプト)

سحابة(サハーバ)

エジプトで天気はガッワ。ガッワ・ワヘシな季節がやってきた。(天気が悪い)
寒い日が多く、朝も暗い。雨が降ると、排水設備がなっていないので、道と言う道がバハル(海)になる。
かつて私は夏にしかエジプトを訪れたことがなく、雲はほとんど見たことがなかった。
日本人の癖で旅には折り畳み傘。スーツケースに傘を発見した友だちに大笑いされた。
「エジプトに傘を持ってくるなんて!」
夏はそうでも、1月などは傘が手放せない。
雲も深く垂れこめた日が多く、気分も憂鬱になる。
職を変えて今度は冬にしか来られなくなると、毎日雲を見るようになった。
私のエジプト初期の旅の写真は真っ青な空ばかりであるが、だんだんと雲が多くなってくる。
写真のような空と景色を見て、カイロだとすぐわかる人があまりいない。
「どこの国へ遊びに行ったの?」と聞かれたことも一度や二度ではない。
エジプトにこんなに厚い雲がかかるなんて、そして雨が降るなんて思いもしない人がたくさんいる。
エジプトを取り巻く環境は目下曇りであるけれど、真夏のピカッとした太陽の元、青空の広がる国になる日が早く来ますようにと願わずにはいられない。[a]


地中海文明を散歩する

2014-07-18 22:33:11 | インフォメーション

私がギリシャを訪れたのは、一昔前の五月。
時折降るスコールが冷たかった。
アテネ中を歩き回り、小さな博物館を片っ端から回ったが、肝心の考古学博物館が休館中という残念な時だった。
あそこへ行っていたら、
あそこで私は壺絵を好きになっていたに違いない。
残念ながら、ギリシャの神々は私に壺絵を好きにさせるチャンスを与えなかった。
「ほかにも壺なんかたくさん、ごろごろしているでしょう?」
ええ、もちろん。
しかし、私の見たい、必要な図柄は、どこにもなかったのだ。
もっとも、シンタグマの駅構内にはド~ンとあったので、神は私をお見捨てにはならなかったとも思った。

さて、ある日私は頼まれた図を仕上げて、師匠のところに持っていくと
「はい、よろしい。百点。では「おじい」が散歩しているような構図を考えてみて」
と言われました。
おじい…?
ピタゴラスが散歩しているように?

作家たちと本を作る仕事はこれまでもしてきた。
しかし、好きなエジプトの本にかかわることができる日が来るとは思わなかった。
それも「おじいが散歩」である。
「おじい」も「散歩」も私には大事なキーワード。

雨上がりのぬかるんだ道、石畳、春の花が咲き乱れ、
あおい緑の草が生い茂るアゴラを思い出しながらこのページを作った。

『【図説】地中海文明史の考古学-エジプト・物質文化研究の試み』長谷川奏(彩流社)
詳しい内容は紀伊国屋書評ブログで→こちら
ガイドブックとして持ち歩けるように、紙は軽いものを採用し、図版と地図が盛りだくさんである。


ブログからトンずらして、古代地中海世界を散歩していた編集長をどうぞおゆるしあれ。[a]



ラマダーン~日中の飲食を断つ

2014-07-06 00:05:27 | コラム

便りのないのはよい便り…と申しまして。
ラマダーン・カリーム!

イスラーム社会では断食月です。
夜明けから日没まで一切の飲食を断ちます。
とはいえ、子供やお年寄り、病気がある、女性の場合は生理期間中は免除されます。
逆に、健康を害する恐れがあるのにもかかわらず、断食することは禁じられています。
今年二回目のカイロでのラマダーン、異教徒への強制はありません。
イスラーム教徒が断食することにより、神からの恩恵があるもので、誰でも彼でもやるものだと
イスラームでは教えていません。
そのため、私は断食する義務がありませんが、
やはりそばに断食している人がれば、ちょっと遠慮するというのが人情というものでしょう。
いろいろ真似してみた結果、私が完全に断食できるとすればそれは冬しかないと思いました。
イスラーム暦はいわゆる陰暦なので、毎年断食月はずれてきます。
夏の暑い時期の断食で最もつらいのが、水分補給ができないことです。
慢性扁桃腺肥大と、血管が人の半分の細さの私が、暑いさなかに水分を取らないとみるみる具合が悪くなっていきます。
今日は試しに部屋でゴロゴロして動かないというのをやってみました。
動かなければ、食べなくても大丈夫でしたが、
11時の時点で扁桃腺がヒリヒリして、腫れてきました。
14時には、肩こりがしてきて、腕が重くなってきました。
これではいけません。
断食ができる健康体を、神様からいただいたことを感謝できる意味もあると実感しました。

エジプトでは、ラマダーン中にランプを飾ります。
カイロの考古学博物館脇の大きなランプ。[a]


地中海生活

2014-02-20 11:47:09 | コラム

便りのないのはよい便り…
と、昔から申しまして…
それにもあまりにも長いお休みにもかかわらず、
「お散歩を続けていらっしゃることと思います!」という暖かいメールやお手紙をいただくことがあります。
とても、とても感謝しています。
さて、この長い音信不通の間、何もしていなかったわけではなく、
そう遠くない時期に、素敵な報告ができると思います。
地球散歩の書き手は、なにがしかの形で本を作ることを目指しています。
その最初の一冊が出ます。
『地球散歩』というタイトルでもなければ、このブログが形になるわけでもありませんが、
地中海案内の本作成に、碧が参加しました。
私たちにふさわしい、地中海を散歩するのに持って歩けるコアなガイドブックです。
さて、正式発表は桜の花のころの予定です。
ぜひお楽しみに!

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エジプトより

2013-08-03 13:46:35 | コラム

こんなにも長く「地球散歩」に便りが届かなかったことはかつてありません。

今、大混乱のエジプトで、のんきに生活しています。

日本で大震災が起きた時、神戸でも東北でも、遠く離れた地では、いつもと同じように生活し、
同じ国で起こっている大変なことを「大変」と認識つつも、目の当たりにしないとわかりませんでした。

今のエジプトも同じです。
私の住んでいるところはとても静かです。
今年の6月30日~前大統領政権に反対する人たちが集まったのは我が家の近所でした。
その時は写真のように路地路地まで人であふれていました。

現在は、現暫定政権に反対する人たちが座り込みやデモを活発にしています。
その場所から私の家は遠いです。
とはいえ、職場はその会場の近所で、バスで通勤していた通りは現在封鎖されています。
装甲車と鉄条網をかいくぐり通勤するのにも慣れました。
人々は生活してかなくてはりません。
本当に危険であれば、出社は会社からストップがかかります。
デモや座り込みは文字通り歩いている、座っている人々がほとんどです。
彼らは一般市民で危険な人達ではありません。
ですから、私たちも今まで通りに近い生活を送っています。

私は長い介護と看病、闘病(と言うほどではない)生活から一息つく必要がありました。
インターネットとブログは、そういう生活の中でとても有用であり、心の支えでありました。
しかし、本来の私は日が出たら起きて、沈んだら寝るような生活が性に合っています。
機械とはちょっとおさらばしたくなったのです。

エジプトは今のところネット回線を遮断されることはありません。
現暫定政権下では、TVは一部の衛星回線で遮断されることがありますが。
私は散歩し続けています。
ただ、便りが届かないのはエジプトではなく私の問題です。
書きかけた手紙から顔をあげて、窓の外を見ている。
今の私はそんな感じです。
いつもいつも思っています。
地球散歩に便りを出そう!
ある日、狂ったように書くかもしれません。
まだ、今しばらくふらふらしているかもしれません。

この国流に
「神がお望みならば…」

(エジプトでの私の生活はFB、ツイッターにUPしています。
 常連さんでご覧になりたい方はご一報ください)

断食明けの食事の後は爆竹を鳴らします。
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ピザ

2013-03-25 21:17:49 | アラビア語(エジプト)

بيتزا(ビッザ)

エジプトに来て初めてエジプトの話。
破裂音はないので、PiではなくBiザである。

エジプトのピザとグラタンにはなぜチーズがのっていないことが多いのか?
長年の謎が解決した。
謎と言うか、この国はスペインやトルコ同様にチーズはのっていないものだと勝手に思い込んでいた。
たまたま、今回来てどこの家でもごちそうになった最初がマカローナ・ベシャメル(マカロニグラタン)だった。
何をごちそうになったの?と聞かれて、写真を見せると日本人は誰しも「チーズは?」と聞くのである。
そこで、3回目のマカローナ・ベシャメルが登場した後で、聞いてみた。
すると、「エジプトでもチーズは使うわよ。美味しいわよね。でも今日はないのよ」という答え。
なるほど。「あればもちろんのせて焼きたいわ」と言うことだった。
2軒目で聞いたところ「もちろんのせたいわよ!!!でもね、とろけるチーズいくらするか知ってる?白チーズ(エジプトの家庭で毎日食べられている一般的なチーズ。フェタのこと)が1キロ4ポンドなのに、とろけるチーズは40ポンドするのよ」
と、非常にわかりやすい回答が返ってきた。
なるほどのっていないわけである。
日本じゃ安いので、残り物ごまかすのに、食パンに残り物のせて、チーズかけて即席ピザトースト作っちゃうくらい安いと言ったら、「うらやましい」と言われた。
エジプト人はピザ大好きである。
伝統的なピザ屋ではもちろんチーズはのっていない。パン屋の惣菜パンでもピザは人気らしく、どこのパン屋でも店頭に並べている。
直径20㎝くらいのと、一口ピザ(これはグラムで買う)を売っている。これももちろんチーズはない。
今までチーズのったピザを食べるには、ピザハットなどの4星店に行かなければならなかったが、近頃は町中にピザ屋が増えてきた。エジプトのファミレス、フェルフェエラにもピザ屋が登場した。
高級スーパーでは、とろけるチーズが山になっていた。
トロッとしたチーズのピザがいつでも庶民の口に入るようになる日は近いだろうか?
写真はパン屋で売っているピザ。イチゴの季節なので、イチゴパンを頼んだら「ピッザ・ファラウラ(イチゴピザ)ね」と、お店のお姉さん。
これもピザ![a]

 

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