地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

風呂

2012-08-11 23:15:58 | アラビア語(UAE)

حَمَّام(ハンマーム)

  UAEといえば、何でもゴージャスなイメージである。
 お風呂と言えば、トルコ風呂である。いわゆるサウナのようなものである。蒸し風呂であったまって、汗を流し、水風呂に入るのを繰り返す。マッサージやあかすりもある。
 UAEの街中でお風呂屋さんを探してみたが、一時の旅では見つけることが出来なかった。
 しかし、期待を裏切らないUAEならではの、高級スパはたくさんある。
 代表的なところでは、オリエンタル・ハマムがある。ここでは、アラビアンナイトの世界に入り込んだような、イスラミックなしつらえのスパが楽しめる。
 外国人のイメージするアラビアンナイト体験も魅力的であるが、写真のような庶民的なお風呂も見てみたい。
 博物館などで見ることが出来るが、説明がないと日本人にはこれが風呂場とはわからないかもしれない。
 写真左でお湯を沸かし、右の椅子に座って汗を流していた。
 他の国では見られる水槽がないので、UAEまで来ると水が貴重だったのだろうなあと想像する。
 果たして、現在のUAEの一般家庭のお風呂はどうなっているのだろうか?[a]

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2012-04-30 22:09:54 | アラビア語(UAE)

نَهْر(ナハル)

 

 ドバイ・クリーク沿いを歩くのはとても楽しい。世界中から集まってきたコンテナの脇を歩く時は、隙を突いてコンテナにもぐりこめないかと、挙動不審になったり、布地市場周辺では、きらめく反物に見とれ、服に仕立てるか、ファブリックにするかバックになるかなど、隣の店に行くまでに時間がかかる。
 と、こんな人は私だけか…
 ふと、運河に目をやると、あふれんばかりの人を乗せた水上バスが行きかっている。観光客がカメラで写真を撮るレンズが、反射してきらめく一艘…
 早く降りたくて、対岸に着くのをうずうずしている商人が沢山乗っている一艘…
 どちらもが混在している舟、女学生でわいわいしている舟…舟も新旧いろいろ。この舟はちょっと…と思えば待っていれば良い。
 ドバイと言えば、買い物天国と高くてピカピカのビルディング。世界のお金持ちが集まってくるところというイメージである。
 そんなまぼろしのような世界よりも、私にはこの川沿いを散歩する方が心落ち着く。
 人々の息遣いが聞こえる。市場ではイラン産のスパイスを勧められて、懐かしいペルシャを思い出す。
 河は、世界を、時をつなぐと言う。
 ドバイではそれを強く感じる。[a]

悠久の流れ…ドバイ・クリーク
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道(UAE)

2011-05-01 23:40:24 | アラビア語(UAE)

  شارع (シャーリア)

 「何にもないよ!」と、友だちが、何度もいっていたが、いや~降り立って納得。
 何もないわけじゃないが、ない。
 マドリードは灰色男の町(M.エンデ『モモ』)と私は表現したが、ここには灰色男も現れまい。
 世界の素敵なものはたくさん集められている。
 巨大な建物や、ゴージャスなインテリアもそろっている。
 でも何か殺風景である。
 それは、やはり「歴史」の問題であろう。
 UAEは、砂漠に竹の子のように「うごうご」と、急に立ち上がったビルの国である。
 道で話しかけてくるのはもっぱら外国人である。
 私のように、プラプラ歩いているのを見ると、住んでいると思われるようで、年中道を聞かれ閉口した。なんと着いた初日に2回も聞かれた。それも何度も来ている人たちに。
 
 世界中の道路の看板は、その国の言語表記の下に、英語でも併記されているのが一般的である。日本でもいろんな英語表記があるので、いつも興味深く見ている。明治通りだとアベニュー、2車線ぐらいの通りだとストリート。さて、UAEは?
 なんと「ロード」。ちょっと意外な気がしたのは私だけだろうか?
 もちろんストリートもあったが、大通りはおおむね「ロード」だった。
 
 しかし、この摩天楼のようなビルといつまでも渡り続けねばならない横断歩道。交差点の向こうで赤信号で止まる車のなんと遠いことか…
 アブダビ、車で颯爽と、モール巡りが出来るようになるまでは、再訪しなくてもいいかなと思った。
 それにしても、歩いている間中、NYが小さく感じるような錯覚を覚えていた。なんとなく雰囲気が似ていたのである。[a]

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コーヒー(UAE)

2011-04-26 15:38:22 | アラビア語(UAE)

قهوة (カフア

 アラブのコーヒーと言えば、甘くてどろっとした、トルココーヒを思い浮かべる人も少なくないだろう。
 
恐るべし、オスマントルコ。料理やお菓子のみならず、飲みものまでも制覇している。そしてそれが「トルコ」文化であるのに、私たちはそれを「アラブ」文化と錯覚している時がある。
 アラビア半島に降り立って初めて、この錯覚に気がつく。
 アラジンと魔法のランプみたいな、いかにもアラブ!的なコーヒー魔法瓶。UAE中で使われている。
 滞在中私は、このポットを買いたい衝動に何度もかられたが、そのたびに「中国製」の文字を見て、どうせ買うなら本物のコーヒーポット!と、自分に言い聞かせた。
 ここでまた、知識が邪魔してくる方もいるだろう。「砂糖で甘いコーヒーを魔法瓶に入れていたら、ベタベタして、さぞや洗いにくかろうと。
軽く炒ったコーヒー豆とカルダモンだけで入れたコーヒーは、それほど苦くもなく、芳香豊かである。そう、砂糖ははいっていない。
日本の茶道に通じるところがあると思うが、大抵一緒にナツメヤシや甘いバクラバなどが一緒に出てくる。甘いものを食べてから口にするコーヒーは格別である。
 おちょこのようなコーヒーカップに注がれたコーヒーは一口か二口で飲む。そうすると、すぐにまた注いでくれる。まるでわんこそばの様だ。
 もう十分と思っても「まあまあ、そう言わず」と、注いでくれる。これをストップするには、茶碗をひっくり返して、振ると納得してやめてもらえる。アラブ式茶道。
博物館やお店など何処へ行っても、このコーヒーセットは置いてあった。
 暑い時は特に遠慮せずにごちそうになりたいものだ。[a]

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家(UAE)

2011-04-13 00:00:00 | アラビア語(UAE)

 بيت(バイト)

 UAEのお家はどこか懐かしい感じがした。日本の家ではなく、エジプトはシナイ半島の先端、アル・トゥールで見た家にそっくりだったのだ。
 水玉模様みたいな壁面のアクセントはサンゴ。たくさんのサンゴが埋め込まれている。
 エジプトで聞いた話だと、壁を強化するので使用しているとのことだった。
 このサンゴを見ているだけでも、あっという間に時間が過ぎてしまう。
 梁の部分には、梁板の先が壁を突き抜けて外から見える。壁の間に木を入れるのも丈夫にするため。
 UAEでは、このような伝統的なお家を、博物館として公開している所がたくさんあるが、エジプトのように誰もついてこないし、見張りもいない。
 何処へ行っても床にとんがり帽子のような直径40センチくらいの麦わらで編んだものが置いてある。
 先っぽを持って、中をのぞいてみると、コーヒーセットとナツメヤシが置いてあることもあった。ハエと砂よけのカバーである。
 通りがかった人が「どうぞくつろいで」と言ってくれるので、しばしアラブのリビングで足を休めて、コーヒーをもらう。
 やってきた観光客が、展示品の中でくつろぐ私などにぎょっとする。そこで、次の人に席を譲る。なかなかないシステムであろう。
 時には、パンケーキを焼いて持ってきてくれることもあった。持ってきたおばさんは「フリー!フリー!」と、繰り返して笑った。
 6日間の旅で、個人宅へ行くことはなかったが、博物館で十分にお家体験を楽しんだ。
 もっとも、これで良かったのでは…と思っている。恐らく、今時のUAE人のお家は、ゴージャスでアラビアンナイトな一面はあり見られないかもしれないから。[a]

 

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レモン(UAE)

2011-04-05 00:00:00 | アラビア語(UAE)

لِيمُون(リムーン)

 ヨルダンでも良く見たが、アラビ半島の人たちはレモンとミントの組み合わせが好きなようだ。
 どこのレストランにいってもあるのが、レモン・ミントジュース。
 
写真はホテルの部屋にあった出前と、ルームサービスのジュースリスト。
 ホテルにレストランがあるのに、出前のお品書きがたくさん置いてあったのが不思議。
 その中の一つを見て笑ってしまった。写真の中では真ん中下の、写真のないお品書き。
 右側にアラビア語、左側に英語で書いてあるのだが、英語で「レモン・ナアナア」と書いてある。
 ナアナアはミントの事。本当は「レモン・ミント」と書かなければならないのだが、恐らくあまりにも身近すぎて間違ったと思われる。
 エジプトでレモンジュースと言えば、砂糖たっぷりの甘いレモネードだが、ヨルダンでもUAEでも甘味は抑えられた、酸っぱくて後からスッとするようなミントがやってくる。
 もっとも、日本人に受けるかどうかは微妙なところ。
 一緒にいた友だち二人は首をかしげて、一口しか飲まなかった。
 なれると病みつ気になりそうだが。暑い国で、暑いときには健康に良い飲み物として紹介したい。[a]
 

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電話(UAE)

2011-04-01 00:00:00 | アラビア語(UAE)

تِلِفُون(ティリフォーン)

 旅先で戦々恐々としているのが公衆電話があるかどうかである。近頃はどこの国でもとても少なくなっている。
 先に書いたヨルダンでは一度も見なかった。そして、ないときに限って必要になるのだ。
 家から一番近い公衆電話が無くなった時に、私は真っ先に文句を付けたが誰も取り合ってくれなかった。
 このたびの地震で私が真っ先に、訴えたのが「学校前の公衆電話を復活させてほしい」というもの。町内会を通じて要望を出してもらうようにお願いしてある。
 固定電話が使えない、携帯電話はさらに使えない、そんなときに公衆電話の復旧は早い。
 普段は利用頻度が低いかもしれないが「SOS」を発信できるところを、どこの国でも要してあると非常に嬉しいものだ。
 写真は、ドバイの公衆電話。UAEは公衆電話天国と言ってもいいぐらい、たくさんの電話が町中にあった。
 ドバイは特に人種のるつぼ。自国の人よりも外国人労働者が大多数を占める。母国に電話するのに、公衆電話はなくてはならないのだろう。
 ヨルダンでは、公衆電話がなくて大そう困ったが、ドバイではいつでもかけられるというのに、電話が必要になる事態は一度もなかった。そんなものである。

 日本も公衆電話を見直して、またたくさん設置させると良い。
 これから観光客集客を狙うのであれば、外国人旅行者の為にも必要である。[a]

 

 

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海(UAE) 

2011-03-23 22:54:19 | アラビア語(UAE)

بحر(バハル)

 今は海を見たくない人も多いかと思う。
 私の大好きは海は、太陽にきらめき、穏やかで、青く、蒼く、碧い…
 私が最後に見た海は、アブダビの海。
 雲が深く垂れ込み、今にも雨が降り出しそうであった。
 更には強い風が吹いていて、肌寒かった。
 これだけでも海を見に行くことを躊躇しそうになる日であったが、更に私を阻むものがあった。
 強風の中、飛ばされそうになりながら歩いてやっとついたはずの海岸線は、高いフェンスで覆われていた。
 ビーチにするための海岸工事で、フェンスはどこまでも続いていた。
 海はまったく見えない。
 風は強くとも、潮の香りもしてこない。
 遊歩道になっている海岸線を、歩いて、歩いて、フェンスに張られた海の写真を眺めながら休憩して、また歩いて…
 ようやく、フェンスの切れ目に到着した。
 灰色の空を吸い込んだ海の色はくすんでいて、どことなくしんみりとした感じがした。
 
 アラビア半島といえば、灼熱の大地。
 太陽が少しでも顔を出せば、射すような光にたじろぐ。
 今思えば、中東の不穏な空気のみならず、イスラーム世界に深く心惹かれる私に、
 大好きな、恋しい、恋しい、私の心と過去をつなぐ海が、今の置かれた状況を予言していたのかもしれないと思う。
 海に近づけまいとする、強風。
 海の前のフェンス。
 私の出遭ったUAEの海は、どこか寂しげに、蒼い波を漂わせていた。
 それは、私の想像を超えた世界であった。
 そして今、東北を襲った、海。
 思いや想像をはるかに超えた事が起きている現実を、己はどれほど理解しているのか。
 理解していると思っているだけではないかと、自問自答の毎日。
 祈りの日々はつづく。[a]


 

 

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