地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

パン

2007-11-16 13:38:04 | イタリア語

 Pane( パーネ)

 イタリアのパンは歴史も古い。メソポタミアからエジプト、ギリシャへと伝わる中で発酵技術が進んでローマに至る。ポンペイ遺跡の発掘では、パン工場や金持ちの邸宅のパン焼き場が見つかっているし、ローマ市内にも多くのパン屋があったそうだ。料理を地方色豊かに、多彩にしている長靴型の地形は、風土により様々なパンの味を生み出してきた。かつては、足を運ばなくては味わえなかった味も近年のイタメシブームで日本に上陸、お馴染みのものも増えてきている。

 細長い棒型でクラッカーのような「グリッシーニ」は16世紀のトリノが発祥。病弱な王子が医師から食生活の改善を指示され、御用達のパン職人が消化の良い粉で発酵して焼き上げた。食べやすい形とサクサク感が好みにあったせいか王子は健康で立派な王になったそうだし、当時の貴族の間でも人気のパンとして広がったというエピソードを持つ。

 ミラノ生まれの「パネトーネ」は、クリスマス時期ならでは。コモ湖周辺の自然環境で生まれた天然酵母を使い、長時間発酵させて焼いている。大きなパン(パネトーネ)という意味の通り、大きな円筒形のパン菓子である。柔らかい中にも弾力があり、たっぷりの干しブドウと砂糖漬けフルーツがケーキと違った独特の風味を楽しませてくれる。もう一つ、フルーツを入れず卵とバターをたっぷり使ってギザギザ型に焼き上げたのはヴェローナ生まれの「パンドーロ」で、金のパンという意味。初雪を思い起こさせる粉砂糖をたっぷりまぶして食すのが、いかにも冬の風物という感じだ。

 他、「パニーニ」や「フォカッチャ」という名前も珍しくなくなった。しかし「ロゼッタ」だけは、さすがの日本でも流通していない。薔薇の花という優雅な意味を持つローマの名物パンである。表面に切れ目があってパリッとした焼き上がり、中が空洞なのが特徴だ。旅行中はホテルでロゼッタとカプチーノが朝食の定番。バターだけでも勿論いけるが、横に切って空洞部分に生ハムやモツッアレラチーズなどを挟んだら立派な軽食になる(写真)。小さい頃、ローマに住んでいた友人はこのサンドイッチを持って現地幼稚園に行っていたそう。いかにもイタリアっ子のお弁当!友人の中では特別な思い出のパン、日本で簡単に手に入らないから旅で再会した時の喜びはひとしおになる。(さ)

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8 コメント

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ロゼッタといえば (yuu)
2007-11-17 13:47:07
ロゼッタという名のパンがあるのですか??
私、ロゼッタと聞くと「ストーン」という
言葉が続いてしまうくらいの、ボキャブラ貧困な
人間なのですが…(笑)
で、写真をよくよく拝見。う~ん、もしかしたら
食べたことあるような気がするような、
しないような??
何しろ、そちらのサンドイッチは絶品!
いつかまた、食べにいけたらいいなぁ~と思います^^
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Unknown (マーク)
2007-11-18 09:46:11
いつも楽しませていただいております。
確かに、「ロゼッタ」は日本では見ないし、聞かないですね!
生ハムにモッツァレラなんて、そりゃ、美味いでしょう!朝食をとったところですが、今日のお昼はこれにしようかな・・・。ついでに昼ならワインも少々・・・なんて(笑)

本筋とは関係ありませんが、最近「ポンペイの4日間」という街が消えるまでの4日間を描いた小説を読んだところで、ローマ帝国の技術水準の高さをあらためて知り、きっと美味しいパンを作っていたんだろうなぁと想像してしまいましたwww
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yuuさん (さらさ)
2007-11-18 23:39:40
確かに「ロゼッタ」と聞くと「ストーン」。
私もそう思った一人です(笑)
一緒に旅行をしたローマ在住の友人が「懐かしい!ロゼッタだ!」と大感激していたので、名前と共に強く印象に残って写真を撮ったりしたんです。
yuuさんもローマ旅行の最中にホテルの朝食などで、おそらく食べる機会があったと思いますよ!
私もまたイタリア食い倒れの旅がしたいです。
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マークさん (さらさ)
2007-11-18 23:47:52
こちらこそ、いつもコメントをありがとうございます!
さすがの日本にもロゼッタはない、しかし今回調べるとネット通販では冷凍がありました。プランタン銀座でも冷凍が買えるという話も・・。一度、偵察に行きたいものです。
そうなるとパルマの生ハムやモッツアレラチーズも揃えると、後はワインでしょう(笑)

マークさんが読まれた本の内容、興味深いです。ポンペイ遺跡でパン工場跡などが発掘されたという話とリンクしてきますね。
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ロゼッタ! (マーク)
2007-11-19 12:35:17
いえいえ、さらささんのところへ足跡ついでにこちらに流れてきているだけですので。。。。

それで、プランタン銀座にあるのですか!?
ちょっと、時間のある時にでも探訪しようかな。
冷凍というところが気になりますが、まあ輸入するにはしょうがないですかね。

見かけたら、報告しますね(^^)
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マークさん (さらさ)
2007-11-19 19:20:26
今、一度確認してみました。
all aboutのイタリアパンのページでロゼッタの解説をしている方が「私はいつもプランタン銀座で買います」と記されています。ただ、記事の出た時期を見ると2003年になっているので、今はおそらく売り場も皮ってしまって余程の人気商品でないと置いてないでしょうね・・。
ネット通販は今でも確実のようです。

無駄足になっては大変なので、他のグルメや旬スポット探訪のついでにもし見かけられたら是非教えてくださいね!
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ロゼッタとロッセット (hyblaheraia)
2007-11-21 08:37:00
ロゼッタはラグーザではあまりみかけず、ここの朝食ではリコッタ入りのコルネットが人気です。本土とシチリアではいろいろ違うんですね。
ところでロゼッタはパン、良く似ているけれどロッセットは口紅。前に、夫のセーターに赤いインクが付いているのを見つけて、どうしたのこの口紅!とわざと大袈裟に言ったつもりが、どうしたのこのパン!と間違え、大笑いされました。それ以来、このパンの名前を言うのに、一瞬ひるみます。
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hyblaheraiaさん (さらさ)
2007-11-21 22:06:14
お越しいただき、ありがとうございます!
ラグーザのパンもまた個性がありそうですね。
地方色が豊かというのは、また旅をする楽しみにつながります。いつか前世の風景を求めてラグーザに行き、リコッタ入りのコルネットで朝を迎えたいです。
ロゼッタとロッセットのお話しには笑いました!とても似ていますね~。そして場面を想像すると、ほのぼのとしてしまいました。
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