地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

レモン

2012-12-12 23:33:50 | 日本語

 日本にレモンが入ってきたのは明治になってからと言うので、それほど歴史は古くない。
 高村光太郎や梶井基次郎の檸檬(レモン)作品が輝いて見えるのは、当時とてもお洒落な果物だったからに違いないと想像する。
 昭和っ子の私の懐かしいレモンといえば、迷わずレモンケーキである。
 多少なりと違うのだが、包み紙は黄色くて、緑の文字でレモンケーキと書いてあるのが、いろんな洋菓子屋さんやパン屋さんあるのが不思議だった。
 レモンケーキ組合でもあるのだろうか?どこかでまとめて作っているのか?
 とにかく遠目にもすぐわかるレモンケーキは郷愁で、お店の窓越しに積んであるレモンケーキが目に入ると、お店に飛び込んでしまう。
 どうやらそういうやからは私だけでなく、日本全国に沢山いるようで、レモンケーキで検索をかけたら、通販でも沢山売っていた。
 いつでも食べたい時に食べられるのは、天邪鬼な私には面白くない。
 レモンを探して、通りがかった知らない町の洋菓子店で、二つばかり買う。
 次はいつ食べられるかな?と、そっとかじる。そう、これはレモン。フォークでお上品に食べたりしない。
 高村智恵子ががりりと噛んだレモン…懐かしさに浸りながら、甘いレモンを、まるですっぱいかのように少しづつ食べる楽しみ。
 次ぎ出逢うのはいつだろう。[a]

 

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2012-11-13 00:00:00 | 日本語

町からどんどん山奥へ入り、道路が一方通行になったころ、川のせせらぎがかすかに聞こえてくる。狭い駐車場に車を止め、背の高い木々の間のゆるやかな登り道をほんの少し歩くと、目の前に、本当に唐突に、滝が現れる。

これは、龍双ヶ滝。日本の滝100選に選ばれているとか。落差60メートルで、大きくもなく、小さくもない。滝の麓は奇麗に整備され、だれでも簡単に水浴びができるようになっている。私としては、とてもお気に入りの場所。

あともう少ししたら…ダム建設のための工事が始まって、近づけるのかどうか分からない滝。

冬は道が閉鎖され、訪れることは出来ないけど…きっと冬の間も、美しい姿でひっそりと佇んでいるんだろうな。

そんなことを思いながら眺めていると、虹が現れた。また春がきて暖かい日差しが戻ったなら、この滝を訪れ、美しい姿を愛でようと思う。[y]


 

冬は凍ってるんだろーなー!寒そう!

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2012-08-23 22:22:57 | 日本語

川(かわ)

 なんだか妙な書き出しである。
 地球散歩の書き手は、主に地中海民族であり、亜細亜圏の人もいるが、いずれも川といえば大河をイメージできる人が少なくない。
 日本語で川といえば「川」であり、「河」と言うのは日本にはない「幅の広い大きな河」を指す。
 しかし、一級や、二級河川という川の分類もあり、そこには「河」の字が使われる。日本語は難しい。
 「河」で送られてきたのはyuuさんの「大河」が最初であったために、タイトルは「河」になっている。それを、日本の表現では「川」となる。というのが、今回の書き出しである。
 「川」も「河」も中国からやってきた文字であるが、「かわ」というのは古来より日本人が使っていた言葉で、川の音が「がわがわ」流れているように聞こえるところから、「かわ」と言うようになったらしい。
 ♪春の小川はさらさらゆくよ♪
 であるが、「かわかわ」と、ご先祖様には聞こえていたのか?
 「川遊び」は夏の季語。水に入らずとも、川辺は涼をとるのにもってこいである。西の方では「川床」という、川にせり出した店先で食事などを楽しむ文化がある。
 関東でも出来れば、昔ながらの天然クーラーを、もっと活用したいものである。[a]

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パン

2012-01-13 00:00:00 | 日本語

パン


 

長いこと貴重な穀物だった米は、日本では神聖な食物として扱われてきた。神の力を授かったものとして、にぎる時の形にまで意味を込め、大切に食されてきた。 

 

現代日本人はパンも好んで食べる。給食では、ご飯かパン、どちらかが必ずメニューに載った。 

 

米も好きだがパンも好き。そのどちらもの要望を満たすかの如く、登場したのが写真にある米パン。米の消費量の減少、小麦粉の価格の急騰、こうした時代背景が生み出した、画期的なアイディアだったんではないかと思う。東西の主食が混ざってできた米パン、果たして他の国でも食べられるものなのだろうか。 

 

キリストの肉を具現化したパン。一粒一粒に神が宿る米。ああ、この米パンには、どれだけの神様が宿っておられるのだろう?宗教や食文化というのは、ひょっとすると、こういう風にして、少しずつ形を変えてゆくものなのかもしれない。[y]

 

 

 


 

日本のパンについてはこちら、米についてはこちらを是非読んでね♪人気ブログランキングへ


アイスクリーム

2011-08-12 00:00:00 | 日本語

  幼い頃、これと同じ構造のプラスチック製アイスクリーム器を持っていた。
  一回り違う従姉妹が生まれた時にあげてしまうまで、かき氷器と共に夏は大活躍した。 
 アイスクリームの味はうろ覚えだが、とにかく回すのが楽しかった。
 
『王さまのアイスクリームという本を読んで、アイスクリームを作る。
 夏休みの思い出。

 万延元年遣米使節(まんえんがんねんけんべいしせつ)の人たち。若き日の福沢諭吉もお供でついて行っているので、一緒に食べたかもしれない。
 使節団の一人が横浜で売り出した高級氷菓「あいすくりん」はその後、資生堂パーラーでもお目見えした。
 「あいすくりん」を想像したら、チェリーとウェハースがのっただけの、バニラアイスクリームが急に懐かしくなった。[a]


写真:江戸東京博物館
  

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2011-07-02 08:16:39 | 日本語

暦は7月に入った。今年は梅雨も明けないうちから厳しい暑さがやってきている。突然の酷暑で体調をくずされている方もいらっしゃるのではないだろうか。

先日、近所の神社で茅の輪を見つけた。これは「夏越の祓え(なごしのはらえ)」という神事の為に準備されたもの。鬱蒼と茂る木々の中央に据えられた円。本殿に向かって伸びる石段がすっぽりと入って、吸い込まれていきそうな感覚だ。誰もいない境内は清浄な気に満たされていた。

一年の折り返し地点となる6月30日に半年間の人々の罪や穢れを清め、無病息災を祈るのが「夏越の祓え」。8世紀頃から宮中で行われた神事を起源とする。輪をくぐるという形はスサノヲノミコトに一夜の宿を用意した貧しい青年「蘇民将来(そみんしょうらい)」が「茅の輪」をいただいたことで疫病から身を守ることができたという伝説からからきていて、左回り、右回り、左回りと8の字に3回通るのだそう。

『拾遺和歌集』のよみびと知らず  水無月の なごしの祓をする人は ちとせの命 のぶというふなり

自身ではなく被災地の方々の除災と招福を祈らずにいられなかった。おそらく神事に参加した全ての人がそうであったと思う。今年は亡くなった方を悼み、無病息災を願うことにつながる年中行事が各地で特別な意味を持って行われている。

本格的な夏はまだこれから。皆様、どうぞご自愛ください。(さ) 

参考文献*『京都の祭り暦』 小学館

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たまご

2011-06-16 12:36:02 | 日本語

 卵は玉子とも書く。
 たんに丸いからかと思いきや、魂の入っているものという解釈もあるそうだ。
 なるほど、確かに魂は入っているが、そう考えると食べにくくなる。
 だからかどうかは解らないが、日本人が卵を食べるようになるのは、南蛮文化が入ってくるまではあまりなかったらしい。

 私が子どもの頃、大人が「お見舞いと言えば木の箱におがくずがはいった卵を持って行った」と言っていたのを聞いて、さぞかし美味しい玉子に違いないと想像を膨らませたものだ。

 最近の卵では何故か気が進まないが、子どもの頃は、卵のお尻に穴をあけて、醤油をたらして生卵を飲んだ。
 殻は千代紙を貼ってお雛様を作った。

 「玉子」が安価なご馳走だった頃は生卵。
 「卵」になった現在は、煮卵が好きである。
 最近「玉子」はみかけない。卵文化は昭和から平成にかけてかなり変わったと思う。

 温泉玉子は、観光名物だったのに、今やコンビニ弁当にまで出現している。

 オムライスのトロトロもいつの間にか市民権を得ていて、びっくりである。

 卵については、飽きずに語れそうである。[a]

 

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2011-05-05 00:23:42 | 日本語

 

春を代表する日本の花と言えば、菜の花。私が住む新潟市内でも、2週間ほど前にソメイヨシノが見頃を迎え、信濃川の川岸を春色に染め上げた。雪国の春が明けるのは遅く、桜が見ごろの時季も寒の戻りが激しい。雪の後、さほど間を置かず降り続いた春雨のせいで、桜を楽しめた期間はほんの僅かだったが、残念に思ったのも束の間、今度は色とりどりのチューリップの花が街を覆い始めた。

日本でチューリップの名所と言えば、歴史的にオランダと縁の深かった長崎を真っ先に思い浮かべる人が殆どだろう。九州出身の私にとって、チューリップと言えばオランダ村にハウステンボスである。ところが意外や意外、新潟県は、チューリップの生産率が日本一なのだそう。そういうわけでチューリップは新潟の県花ともなっている。
GWを挟むこの時季、新潟の各地ではチューリップ祭りが開催されている。
中でも五泉市では、150万本以上からなるチューリップ畑に出逢うことが出来るし、文字通りチューリップ生産日本一の胎内市では、広大な菜の花畑と隣合せてチューリップを楽しむことが出来る。今年の胎内市のチューリップフェスでは、「がんばれ東日本!」の花文字も見下ろすことが出来る。新潟市内では、JR新潟駅から信濃川に架かる国の重要文化財・万代橋まで約800メートルの区間、市内の園児・小学生が育てたチューリップのプランターが途切れることなく一直線に並んでいる風景が圧巻だ。

トルコと共にチューリップの原産地であり、国花であるイラン、チューリップがヨーロッパへ広がるきっかけを作ったトルコ、そして世界への玄関口となったオランダ。そして、ここ新潟でもチューリップとの縁がまた深まった。
一人ひとりの心に笑顔が一日も早く戻ってきますように、それぞれの幸せを取り戻せますように、きっとそう願って育てられた今年のチューリップたち。イランでチューリップが殉教者の血のシンボルであったように、トルコのスルタンのターバン(チュルバン)の名称がチューリップの名前の語源となったように、現在、新潟中に咲くチューリップの花一本一本にも、きっとシンボリックな力や意味が込められているに違いない。(m)

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2011-03-09 00:00:00 | 日本語

花  

 待ち望んだ春の訪れを感じながら寒の戻りに凍える日もある3月。この時期に咲く菜の花は、日だまりや暖かさをイメージする黄色と大地に萌える若草の色だ。雛飾りの横に活けた桃の花に添えられた一輪、里山に群れて咲く黄色の絨毯、いずれも春の明るさやエネルギーを届けてくれる。

 菜の花で思い出すのは山村暮鳥の「純銀もざいく」という詩。暮鳥は明治、大正時代に室生犀星や萩原朔太郎らと活動、40歳の短い生涯をキリスト教の布教、詩歌や児童文学の制作に捧げた詩人である。

 平仮名だけの「いちめんのなのはな」が8行×3連という繰り返し。各連に「ひばりのおしゃべり」「かすかなるむぎぶえ」「やめるはひるのつき」と1行だけ異なったフレーズを挿入している。初めて読んだ時は、こんな詩があるのかと驚いた。大正時代とは思えない斬新さである。

 菜の花が延々と咲く黄色い春の野を、これほど端的に表現した詩はないだろう。文字と言葉を並べ、小さな大理石を組み合わせて作るモザイク作品のように風景を描き出している。(さ)    

いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                        いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                                        いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                            いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                           いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                                                  いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                            いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな                                                 ひばりのおしゃべり    かすかなるむぎぶえ    やめるはひるのつき                                                                      いちめんのなのはな    いちめんのなのはな    いちめんのなのはな

 

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2011-03-01 00:00:00 | 日本語

 

 

 

Mitraが雪国の冬を初体験していたころ、私も同じように北陸の大雪を経験していた。

 

私自身、生まれも育ちも東京だが、縁あって今は雪国に住んでいる。最初の冬、イギリスで買ったブーツが雪で壊れた。「壊れる」なんて思いもしなかったが、雪国の人に言わせれば「革靴なんか履いているからよ」そうか…やはりここではブーツではない。長靴なのだ!

 

ところ変われば雪質も変わるもの。私の住む地域では、水分を多く含んだ重たい雪が降る。東京では2センチほど降った翌日というのは大抵晴れて、アイスバーン現象が起きたりする。こちらでは空気中の湿度も高いせいか、少しでも溶けようものなら、水たまりがあちこちに出現する。だから長靴がぴったりなんである。

 

雪は、交通渋滞を引き起こし、雪かきの労力を要する「やっかいもの」である。しかしながら、考えようによっては、「運動不足の解消」と、音のない静寂な夜、そして晴れた日には白銀の世界を満喫できる。雪解けの音は、なんともいえない喜びを感じさせる。そう、雪は溶けるのだ。心配には及ばない。

 

住めば都、その土地なりの良さを見つければ、地球散歩もお手のものなんである。[y

 

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2011-02-20 00:00:00 | 日本語

ラニーニャの影響による全世界的な異常気象と時を同じくし、日本では寒波到来。豪雪地帯以外でも、大雪による被害が多数見られたこの冬。新潟生活初心者の私は、早速、厳しい雪国の冬の洗礼を受けることとなった。

テレビニュースでよく目にする、雪壁に囲まれた辺り一面真っ白の風景は、同じ新潟県でも上越・中越地方の雪景色。下越の新潟市内は、雪が降ることはあっても、さほど積もることはないと聞いていた。ところが今年の冬は、新潟市内にも例外なく雪は降り積もった。
どの家の軒下も、日本海側の水分を多く含んだ雪が大人の身長と同じくらいに積み上げられ、厚い雲に覆われた空の下、その雪は溶けることなく日に日に氷へと変わっていく。除雪車や融雪車が通る大きな道路はまだ良いが、家の前の路地や歩道に残った雪は、日に日に体積を増していった。
外に出れば、そこはアイスリンク状態。普通に歩くこともままならなかった。

その頃からよく目にするようになったのが、店先にずらっと雨靴を並べた靴屋の光景。デパートにあるような、どんなお洒落な靴屋でも、一番に目に飛び込んでくるのはゴム長靴。街中を見渡せば、流行のファッションに身を固めた人やスーツ姿の若い女性も、足下を見れば長靴姿。防水の意味もさることながら、滑り対策としても有効なのだという。
雪国ならではの「ファッション事情」に当初は驚いたものの、足元が覚束ず、外出もままならない自分の状況を鑑み、私もいよいよ長靴を購入する決意をした。「なんと大袈裟な」、と思うかもしれないが、お洒落大好きな私にとって、どんなに全身を格好良く決めても、足下が締まらなければ全てが台無し。
しかし、さすがは雪国!遠めに見ればブーツにしか見えないようなお洒落な雨靴が充実していること!首都圏でも、何年も前から、梅雨を楽しもうという意識からお洒落雨靴が流通していることはもちろん知っていたが、その頃は、自分の生活に必須のアイテムになろうとは思ってもいなかった。

この数週間は、寒も緩み、垂れ込めた鉛色の空や真っ白な雪化粧の世界からも、ようやく解放されつつある。
誰もが、厳しい冬の後に迎える、ペールトーンに彩られた穏やかな春の風景には心癒されるものだが、雪国に居ると尚更、色彩のある風景がありがたいものだと感じさせられる。春の空気を孕んだ風が白一色の世界を浚い、一分一秒ごとに生命の息吹を感じられる日の来るのが、今か今かと待ち遠しい。(m)

写真は我が家のにゃんこ 雪国のペットショップでは、寒さ対策のキャット・ハウスも充実しています。

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2010-12-18 10:50:02 | 日本語

 

少し前のことです。いつもお返事を下さるタヌ子さんmiriyunさんのところで、柿が話題になっていました。
東京でも干し柿を作っていますと言ったので、写真をお見せします。
母は新潟生まれの祖父が作っていた方法で、渋柿の皮をむいて吊るしています。
新潟のmitraさん~そんな風に干されているのを見ましたか?軒先につるしている柿は遠めに見ても間近で見ることはないかな?
いつか本物を見に行きたいものです。
干し柿は、日本のお菓子の原点と何かで読んだなと思ったら、「美味しんぼ」でした。そのことを、日本のスィーツで柿は書いたと思っていたら、柿の事にはまったく触れていませんでした。
これからお正月、干し柿は、年末年始のお膳の上に欠かせないものです。
たくさん食べて美人になりたい…と思ったのは、渋柿の美味しい食べ方を教えてくれた美女を思い出したから。
 京都に伝わる干し柿売りの美女に会いにいつか出かけて行きたいものです。[a]

 

 

コロコロアッポン干し柿はいくつでも食べられちゃうな!

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2010-11-17 12:43:07 | 日本語

奈良の金峯山(きんぷせん)は、全国の金峯山修験本宗の総本山。
全国にある「金峯山」「蔵王」「御嶽山」と名の付くものの殆どが
ここからの勧請によるものだ。
あなたの住む場所にもあるだろうか。

その金峯山にある金峯山寺は、修験道の役行者(えんのぎょうじゃ)が
創立したと言われる、いわば、山伏(やまぶし)などの山林修行者のための寺。
修験道(しゅげんどう)とは、山岳信仰と仏教などが合わさった日本独自の宗教だ。

金峯山寺の蔵王堂(国宝)には
60年に一度しか拝めない秘仏、三体の蔵王権現様がいらっしゃる。
普段は厨子の扉をかたく閉ざしてあるのだが、
今年は遷都祭で、特別にご開帳になったので見に行ってきた。

弥勒菩薩(みろくぼさつ)
釈迦如来(しゃかにょらい)
千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)は
過去・現在・未来を守護されているとか。
像高が最大7,3mという屋内の仏像としては日本最大で、色はなんと真っ青。

特筆したいのは、ご本尊ではなく蔵王堂本体。
この堂に使われている柱すべてが、まったく製材されていない切り出した丸太のままなのだ。
いったい何本の柱がこの堂を支えているのだろうか。
私の目にとまったのは、梨の木の柱、そして山ツツジの木の柱。
考えられないほどの大木でどこまでも高く、涙が出そうなくらい力強く美しい。
今はもう国内には同種類の山ツツジは1本も残っていないそうで、
中国には仲間の木がまだあるらしい。

ご本尊が桜の木から刻まれたから、吉野は桜の名所だったり
この蔵王堂もいろんな山の木を使って建てられていたり。
なるほど、国土の殆どを山が占める日本古来の信仰の本家本元なわけだ。

一つ、面白いことを聞いた。
修験者、、つまり山伏(やまぶし)の服装を思い浮かべると
額に小さな黒いものを着けているでしょう?
あれは、現在でいうヘルメットの代わりらしい。
暗い山道を歩くときに、額を守ってくれる大切な道具だそうだ。

宗派など全く違うのはわかっているのだが、
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のように思える。
今昔、修験者たちは、信仰と真摯に向き合うために古道を歩いている。(ミ)

 

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2010-10-24 00:00:00 | 日本語
 秋と言えば、栗拾いか、芋ほりが定番だった私の幼少時代。
 さて、最近はいかがなものであろう?
 イマドキは、マロングラッセが木に生っていると思っている子どもがいてもおかしくない世の中である。「山の海胆だよ~」と言ったら、「そうなんだ!!」と、真顔で返事をされそうで怖い。
 そうそう、海胆(ウニ)、漢字で海栗とも書く。だから、実際には「へ~海にも栗があったんだ!」が正解であろう。そして、中身を出して、たべるばっかりになったウニは、海栗と書いてはいけない。栗そっくりの姿をしているときだけ、「海栗」と呼んで差し支えない。

 「大きな栗の木下で」という、慣れ親しんだ歌があるが、あれもGHQが持ち込んだイギリスの歌である。
 栗は一人で食べると言うよりも、みんなでおしゃべりしながら、皮をむいて食べるイメージである。
 「栗」と「仲良く」は、なんとなく切っても切れない感じ。
 みんなで食べる代表格の栗が、天津甘栗。
 中国の天津名物かと思っていたら、実は日本に輸入されたのが、天津港から出る船に乗っていたからだと言う。
 天津に行ったら、甘栗食べなくちゃと思っていたが、それはなかなか難しいようだ。[a]




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祭り

2010-10-16 20:56:52 | 日本語

祭り~仏舞~

 

季節も趣向もやや異なるが、「祭り」と聞いて浮かんだのは「仏舞(ほとけまい)」。

 

仏舞が各地で舞われるようになったのは奈良時代で、伝承されているのは今では全国で3箇所という。
私の住んでいる地域では「糸崎の仏舞」と呼ばれ、隔年で執り行われている。

 

黄金の仮面に、真黒な袈裟。ゆっくりで単純なようだが、変わったリズム。
同じような振りを何度も繰り返し、一人ずつ輪の中から抜けていきながら、延々30分間踊り続ける。

 

昔の人たちは、こんなにゆっくりとした調子で喜びを現したのだろうか?
なぜ一人ずつ抜けてゆくのだろう?
いろいろ考えを巡らせているうちに、やがて彼らが無事に踊り切って舞台から誰もいなくなると、
何かが達成されたような、なんともいえない感動が押し寄せてくる。

 

1300年もの昔から、仏に奉納されている静かなる舞。
にぎやかな祭りではないが、確固たる歴史と、密やかな情熱を秘めた舞仏たちの姿は、一見の価値がある。(y)

 

 

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