地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

祈り

2012-11-06 21:54:19 | 英語(アイルランド)

Prayer (プレイヤー)

ダートムーアには、先史時代の遺跡がたくさんある。ここもそのうちの一つ。本当に、全く何もない草原に、唐突に一本の木が生えている。印象深い姿で、何かを訴えかけるよう。目印か何か?

この木の麓には、石による囲い、小さなサークルができている。言い伝えでは、ここは女性が集まり、ダンスをして、祈りを捧げる所だったらしい。今でも、10月の満月の夜に、いわゆる自然崇拝宗教系の女性が集まって何かの祈りをささげるそうだ。

過去に思いを馳せながら、ガイドさんの話をぼんやり聞いていたら、遠くから日本語で「こんにちは!」と聞こえてくる。何?こんなに、誰もいない所で、しかも日本語?

やってきたのは、イギリスに住むファミリーだった。女性が日本人で、男性は日本に住んだことがあるらしく、日本語が達者。よくよく話すと、女性とガイドさんの故郷が一致し、私と男性の東京で住んでいた場所がものすごく近いことが分かった。いろんな話で盛り上がり、最後には住所交換。まるで、ここで会うことを約束していたかのような出会いに驚きながら…笑顔でその場を離れた。

振り返ると、最初にあった時のように、誰もいない所にポツンと木が立っている。

何かがクロスする場所。そんな、不思議な力を思わせる出来事だった。[y]

 

満月の踊り、どんな踊りをするんでしょうね?人気ブログランキングへ


2012-09-21 00:00:00 | 英語(アイルランド)

Heath(ヒース)

 ここは、イギリスのダートムーア(Dartmoor)。どちらかというと、「モア」という発音に近い。

ムーアとは、通常ヒースなどの低木が茂る、農耕や牧畜には適さない広大な高原地帯を指す。「荒野」、と訳されるけれど、私が「荒野」という日本語でイメージするのは、いわゆる西部劇の乾燥地帯。それとは程遠いので、名称通りムーアと呼ぶことにしている。

ヘザー(heather)というのも、ヒースの一種。こちらは、日本では「エリカ」という名で出ているものだとか。ムーアそのものをヒースと呼ぶ場合もあるらしい。また、農作物はできないかもしれないが、ムーアを舞台にした小説はたくさんある。

訪れる機会はたくさんあったが、特段にいいとも悪いとも思ったことはなかった。これこそがイギリスの風景の1つ、と思うだけで、特に興味があったわけではなかったのだ。これまでは。

何もない所。なのに、何かある…だからこそ、ほら、こんなにきれいにヒースが咲いている。[y]

 

ダートムーアといったら、バスカビル家ですよね、やっぱり。人気ブログランキングへ


遺跡

2012-09-14 00:00:00 | 英語(アイルランド)

heritage(ヘリテージ)

 

アイルランドの古代遺跡、ニューグレンジ(Newgrange)。

 

こちらも、マルタの数々の神殿と同様、先史時代の巨石古墳。ぐるぐるの渦巻き模様の石など、マルタで見たものとよく似ている。

 

冬至になると、一筋の光が入り込み、内部全体を照らすとか。入口付近の外壁には、遠くから運ばれてきたクリスタルが装飾されているから、それは美しいことだろう。

 

アイルランド=ケルト、と思っていたけれど、これはどの民族によるものか不明だそう。あまりに古いと、戦いの歴史も消えてなくなっているから、気分もいくらか軽くなり、楽しい想像だけが膨らんで行く。今、自分が踏みしめている同じ大地に、どんな人たちが住んでいたんだろう?

 

ケルトより古い遺跡群、これもまたアイルランドの深さを示すものでありました。[y]

 

マルタのタルシーン神殿に地下神殿ハイポジューム神殿については、こちらをどうぞ☆ 人気ブログランキングへ


2012-09-07 00:00:00 | 英語(アイルランド)

River Liffey (リフィー川)

アイルランド首都、ダブリンの町を流れる川。

中心を横断するこの大きな川のせいか、町はゆったりとして見える。朝や夕暮れ時など、せわしい車の騒音ではなく、シーガルの声が聞こえてくるとは、何とも優雅。さきのボイン川に比べると、特に何かを深く考えることなく眺めることができる。

ウィキペディアによると、リフィーというのはアイルランド語で「生命」という意味だそう。まるでドンピシャな名前だと思う。

この町がこれからも、この川の流れのように、ゆったりと、平和な時間を過ごせますように。[y]

 

ダブリンに平和あれ☆

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2012-08-30 22:27:44 | 英語(アイルランド)

River Boyne (ボイン川)

この小さな川に、どれだけのアイルランド人の魂が注がれたことだろう?

ダブリンの北東部に流れるこの川は、周辺に遺跡が多く、神話上でも考古学上でも、重要なポイントだそうだ。

ボイン川の歴史で、最も有名なのは「ボイン川の戦い」だろうか。カトリック王率いるアイルランド軍と、プロテスタント王率いるイングランド軍。この戦い、実際に王が戦ったのはたったの一日だったそうだが、その後のアイルランド人の行く末を決定的に運命付けた。

宗教の背後に絡む、王家の権力闘争、欧州列国の政治的な思惑。そんなことで…何百万という人の運命が左右されてしまうなんて。

小さいけれど、水量豊かに蛇行する川。まるで、何事もなかったかのように勢いよく流れるこの川を見て、今は昔…と、重い想念を洗い流すこととしたい。[y]

 

それにしても、面白い名前だよね(笑)

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