Brot(ブロート・ドイツ語)
ペルシャ語「本」にてゲーテが出てきたところで、『地球散歩』初めてのドイツ語が登場、テーマは詩の世界から食へ。ドイツはビールとソーセージだけではない、パンの国でもある。大型パン300種、小型1000種以上というのは、原材料の小麦に配合するライ麦の微妙な割合によって、また地域の特色あるレシピによって数多くのパンが生まれるそうだ。そして消費量もヨーロッパ一番。「塩とパンはほっぺを赤くする」ということわざがあり、健康的な食生活の基本となっている。そのようなパン文化の担い手であるパン職人は、厳しい修行と国家試験によって認定された称号「マイスター」にふさわしい仕事をする仕組みになっている。
世界の味を貪欲に輸入する日本には、近頃ドイツからマイスターを招いていろいろなパンを焼く本格的な店も増えているようだが、よく知られるのは数種類。酸味が特徴で、どっしりとしたライ麦パン、コーヒーショップのサンドイッチに用いられるカイザーゼンメル、スナックのプレッツエルくらいだろうか。
ライ麦パンは主にドイツ北部が主流。カイザーゼンメルは表面に星形の切れ目があり、ゴマやケシの実がついている。オーストリアから入ってきたもので、今はドイツ西部の代表的なテーブルロールだ。外観が王家の冠に似ていることを皇帝に褒められ、カイザー(皇帝)という名になったというエピソードがある。プレッツエルはハートのような形に編んで焼き上げたパン。かつては大きく焼いてパン屋の看板としても使われた。プレッツエルを小さく固く焼いて塩をまぶしたものはスナックの代表。ビールのおつまみとしてドイツ人に愛されているもので、ルフトハンザ航空に乗った時の軽食がやはり、袋入りのプレッツェルだった。
ドイツへの私のこれまでの旅はほんの数日。最も印象に残っているパンは、ソーセージを焼く香ばしい匂いに誘われて食べた屋台のホットドックである。素朴な白パンに焼きたてのソーセージをはさんだだけなのに、とびきりの美味しさであった。プリッとして肉汁がジュワッの魅力は言うまでもなく、それを包み込むパンのレベルが高い。屋台とはいえソーセージとのハーモニーはまさにパンの国の御馳走だった。(さ)
(参照 ドイツ大使館HP,製粉振興会HP)
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