地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

2005-09-27 01:27:17 | イタリア語
Acqua(アックア)
 
 ローマで「水」といって思い出すのはは噴水。街のあちこちで美しい彫刻を抱く噴水が涼しげに水を噴き上げている。中でも有名なのは「トレビの泉」だろう。ここではまず後ろ向きでコインを投げるが、改めてゆっくり座って眺めると躍動感たっぷりの彫刻群の中央にいる海の神「ネプチューン」が印象的。この「ネプチューン」はギリシャ神話の「ポセイドン」のことである。ナボーナ広場の噴水の一つにもネプチューンがいる。
 ギリシャ神話はそのままローマに伝わってローマ神話として発展、神々の名はローマ名となった。例えば愛と美の女神「アフロデーティ」は「ビーナス」、葡萄酒の神「ディオニソス」は「バッカス」となり数々の名画や彫刻になっている。
 貝殻から誕生した瞬間を描いたボッティチェリの「ビーナスの誕生」(フィレンツェ ウフツイィ美術館蔵)や破滅的な私生活そのものを感じさせるカラバッジョの「病めるバッカス」(ローマ・ボルゲーゼ美術館蔵)など、イタリアのあちこちでギリシャの神々に出会うことが出来る。

 大盛況のうちに閉幕した「愛・地球博」。イタリア館の目玉となったブロンズ像「踊るサテュロス」もギリシャ製で神話のディオニソス(葡萄酒の神)の従神である。これはギリシャからイタリアへの航海中に難破した船と共に紀元前以降長いこと海に沈んでいたもの。1998年にシチリア島の海で漁船の網に引っかかり、奇跡的に発見されたそうだ。まさに二千年の歳月。
 
 さてさて、話がすっかりギリシャ寄りになってしまった。最後に噴水でオススメなのがローマ郊外ティボリにある「ウ"ィラ・デステ」。16世紀に建てられた枢機卿の豪邸で庭に様々な趣向を凝らした噴水がある。数十という噴水を見て歩くだけでも2時間くらいで夏なら涼を呼ぶ「水の旅」ができる。

 写真はギリシャ・アテネの考古学博物館の「ポセイドン」。海の神らしく足もとにイルカがいるのが見えるだろうか。(さ)

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2005-09-22 08:55:37 | ポルトガル語
Arbore (アルウ"ォレ)

 写真は「コルクの木」、西地中海地方、主にポルトガルに生息するコルク樫(ブナ科の常緑樹)である。話には聞いていたものの見たのは初めて。リスボンの城址公園で見かけたこの木、樹皮の一部の剥がれている様子がコルクに似ていたので気がついた。子供のように樹皮を爪でひっかいて試してみると、皮は柔らかく、まさにコルク。珍しいので撮影したのが上の写真である。
 コルクは伐採ではなく樹皮を入念に剥がす作業で採るという。次に新しい樹皮が再生し、樹齢200年に至るまで9年毎に繰り返すことが可能、ポルトガルは世界最大の産地となっているそうだ。
 ワイン作りは、コルク栓が出来てから大発展をした。樽から瓶にワインを分けることが可能になり、輸送も便利になったからである。ポルトガルでは甘くて薫り高い「ポルトワイン」の他、発泡する白ワイン「ウ"ィーニョウ"ェルデ」など美味しいワインに出会った。
 お土産店に行くとコルクで作られた絵はがきや、鍋敷き、飾りの付いたワインの栓などが並んでいる。

 「海」と同様、西欧の「木」という言葉はどれも似ている。Albol(アルボル・スペイン語)、Arbore(アルウ"オレ・ポルトガル語)、Arbelo(アルベッロ・イタリア語)。他、Arbre(アルブル・フランス語)という具合。語源はラテン語である。
 イベリア半島を支配していたローマ帝国が使っていたのが「ラテン語」。これがスペイン語の元となっている。8世紀頃に北アフリカからイスラム教徒がイベリア半島に侵入し、その後キリスト教徒による国土回復運動が起こる。この時期にラテン語の方言が「ロマンス語」という形に変化。この「ロマンス語」が後に、ポルトガル語、スペイン語、フランス語(以上「西ロマンス語」)、イタリア語、ルーマニア語(以上「東ロマンス語」)に分かれたそうである。(出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
 言葉を知ることは文化や歴史を知ることである。これからも言葉を通して地球を散歩していこう。(さ)

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木 そのⅡ

2005-09-19 08:56:54 | イタリア語
pino : ピノ 男性名詞 単数 日本名 松
前回は cipresso 糸杉 でしたが、イタリアの木で特徴のあるのは pino 松です。傘状に枝を張っているところから傘松と呼ばれています。ローマから放射状に伸びる7つの街道、アウレリア、カッシア、フラミニア、サラリア、チブリチナ、カッシリニ、アッピアなどは勿論のこと、ローマの市中の街道にも綺麗な緑輝く松並木や松林が散見されます、フォロローマノにもコンスタンテイノスの凱旋門につづく街道にも又ボルゲーゼ公園にも立派な松がそびえています。6月ころになると大きな松の実 pina が実ります。 これは青い実は消臭剤の原料になり完熟した種子はいろんな菓子に使われています。秋になると袋を持って松林に入り松の実を拾っているイタリア人をよく見かけます。私がローマの郊外を走っていた6月ころ、トラックで松の枝を整えている作業団をみかけました。まだ青い松の実も沢山ありました。貰い受けて日本に持ち帰りました。しばらくすると、松の実は完熟して一枚一枚の硬い殻が開いて、中には大きな松の実が入っていました。植木鉢に十粒ほど植えました。
春に発芽してそれは奇妙な双葉でした、一番外は葉が籠のようで中には松というより杉のような柔らかい細かい葉がついた本体がありました。普通の松の葉が出てきたのは2年くらいたってからでした。十本の松の木はすくすく成長し、松食い虫にも強く枝はなんとなく傘状に開いてきました。ただローマの松を見たことのない植木屋さんは日本の松のように剪定するのでローマの松も面食らったことでしょう。

残念ながら、転居に伴って全部の松を伐採せざるを得なくなり、今は植物園でしかローマの松を見ることが出来ません。(P)

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2005-09-14 18:06:12 | スペイン語
Arbol(アルボル)

 スペイン・バルセロナの天才芸術家といえばガウディー、ピカソ、ミロ、ダリ。彼らの作品を見るのも旅の楽しみの一つである。
 ガウディーのサグラダ・フアミリア教会はバルセロナを代表する建築。新しい芸術・アールヌーボー(スペイン語でモデルニスモ)時代(19世紀末-20世紀初頭)から着工されて現在も建設途中である。日本語では聖家族教会。その所以はイエス・キリストの父・ヨセフがローマ教会の聖人に加えられたことを祝福するために教会の建築が始まったと聞く。「ヨセフ、マリア、イエスの聖なる家族」である。
 この教会は独特の外観で、また内部や細部の様々な装飾に自然のモチーフを取り入れるという特徴を持つ。それを探しながら見学するのはとても楽しかった。

 今回のテーマである「木」は聖堂の内陣にある柱。写真でわかるように上部が枝分かれし、まるで樹木。聖堂は森の中のようである。天井部分の穴の開いたところは木漏れ陽をイメージしているそうだ。
 また生誕のファサードの円柱の礎石はカメの形、塔内部の螺旋階段を上から見下ろすとカタツムリのようだったり・・と動物や昆虫のモチーフも発見。

 ガウディーの作品を解説している展示によると、他にも住宅の煙突の形に木の枝と葉の動きを、屋根に海で泳ぐエイや一枚の落ち葉が表現している曲線を取り入れたりしている。他にもグエル公園のトカゲ(サンショウウオと書いてある本も)の噴水も有名。ここはいつも記念写真を撮る人が順番待ちである。
 バルセロナで魅力的な彼の建築を沢山見ることが出来た。一見、奇抜な印象の彼の建物に居心地の良さを感じるのは、自然の形を随所にとりいれているからかもしれない。(さ)


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2005-09-09 19:35:45 | ポルトガル語
Mar(マール)

 ここはポルトガルのロカ岬。ヨーロッパ大陸の最西端の地である。
 ポルトガルの詩人、ルイス・デ・カイモンスがこの場所を詠った詩が、岬に立つ十字架のある石碑に刻まれている。

 AQUI   ONDE  TERRA  SE  ACABA  E   O MAR   COMCA
  
     ここに陸尽き 海始まる

 そう、ヨーロッパ大陸の最果て。目の前は地中海ではなく大西洋である。詩の「海始まる」の言葉のイメージで新しい海がここから開けているように思える。
 ポルトガルには大航海時代があり、ウ"ァヅコダ・ガマのインド到達や志の途中で亡くなったマゼランの世界就航など、この大西洋から未知なる土地へと多くの人が旅立った。日本へも・・。ここで潮風を受けて大西洋を眺めていると「新しい海の向こうへ抱いた夢」を改めて実感できる。
 観光案内所では旅の記念に「最西端到達証明書」を発行、飾り文字で名前や日付を記入してしてくれるのが嬉しい。

 ところで「海」という言葉、地球散歩で西欧の国の幾つかをとりあげてみると、とても似ている。Mar (ポルトガル語・マール),Mar(スペイン語・マルあるいはマール)、Mare(イタリア語・マーレ)。もう少し調べると、Meer(ドイツ語・メール),Mer(フランス語・メール)という具合。英語のSea,ギリシャ語のΘαλασσα(サラサ)以外ほとんど同じであることがわかった。(さ) 

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2005-09-06 01:20:33 | ギリシャ語
Νερο (ネロ)

 ギリシャの水は美味しい。水道水も問題なくOKである。ペロポネソス半島の温泉保養地ルトラキや中部ギリシャの山岳地帯ザゴリア地方など様々なミネラルウオーターが流通している。 
  硬水で石灰分を多く含むため、電気の湯沸かしポットを長く使用していると中の電熱線に白い石灰が固まってこびりついてしまう。そんなときはレモンの絞り汁をかけてこするときれいに掃除が出来る。石灰を酸がとかすという原理。
 ギリシャ人の多くは毎朝、オレンジをしぼって飲むし、料理にもレモンを多く使う。これは食生活を通して同じ原理を体内で行うと聞いたことがある。
 ライキ(市場)でスーパーの大袋一杯のオレンジが3ユーロ程度なので、先程の話はともかく、私達も毎朝しぼって飲んだ。電動しぼり器で一人だいたい3個。体中にビタミンが充満するような何とも贅沢で美味しいジュースである。

 ところで葡萄の絞りかすで作るギリシャの伝統的な酒、ウゾ。透明の液体だが、飲む時に水を入れるとたちまち白く濁るのが印象的。香草アニソの香りがする、ちょっと甘めの味である。ギリシャ人は魚料理の時にこれをよく飲んでいる。特に海に近いタベルナ(レストラン)で炭火焼きにしてくれるタコと相性抜群。
 私は水と氷を入れて、レモンをギュッとしぼってから飲むのが好き。しかし、ギリシャ人から見るとこの飲み方は「邪道」らしく、とても不評であった。「ウゾにレモンなんて!」という具合。彼らの正しい飲み方は、そのまま(強過ぎ!)、オンザロック、水と氷で割る、いずれかである。
写真中央はギリシャのミネラルウオーター、両側にウゾ。ウゾの瓶はラベル、瓶の形が様々で楽しい。右は神殿の柱の形で、お気に入りの一つ。


 Το ουζο ειναι παραδοσιακο Ελλινικο ποτο.
  (ウゾはギリシャの伝統的な飲み物)
   <ト ウゾ イネ パラドシアコ  エリニコ ポト>

Οταν πινω ουζο χρειαζομαι να βαζω νερο η παγο.
  (ウゾを飲む時に水か氷を入れる必要がある
   <オータン  ピノ  ウゾ フリアーゾメィ ナ バーゾ ネロ イ パゴ>

Γιατι το ουζο ειναι δινατο.
  (ウゾは強いから) <ヤティー ト  ウゾ  イネ  ディナト>

Οταν βαζω το νερο γινεται ασπρο.
  (水を入れると白くなる) <オータン  バーゾ ト ネロ ギネテェ アスプロ>

Εχει αρομα απο ανιθο .
  (アニソの香りがする)<エヒ アロマ アポ アニソ>


   *ギリシャ語メモ* 

 ποτο<ポト>飲み物 νερο<ネロ>水

παγο <パゴ>氷 δυνατο<ディナト>強い

βαζω <バーゾ>入れる  ασπρο<アスプロ>白

αρομα <アロマ>香り

 今回はギリシャ語部分を短くして、代わりに読み方を加えてみました。是非、声に出して読んでみてくださいね!(さ)


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書き手プロファイル

2005-09-05 06:56:58 | 書き手プロファイル
名前: 「ピノ デ ローマ」pino de roma
(ローマ の 松)

居住形態:旅人

仕事:  いろんなボランテイア 
 
現在の目撃情報: 神奈川県

執筆状況: イタリアの知られざるところ
      ローマ在住 2年 航空会社時代

夢:    もういっぺん イタリアに住みたい!

メッセージ: Buon giorno, come sta? Tutti bene?

      (おはよう ご機嫌いかが 全て良好ですか)

      イアリアはヨーロッパの旅行でもっとも人気のあるところ
      
      それでも、いやな事を聞くと胸が痛みます。第2の故郷です。


2005-09-03 10:23:58 | イタリア語
albero 「アルベロ」  男性 単数名詞 木 
alberi 「アルベリ」     複数名詞
cipresso 「チプレッソ」 男性 単数名詞 

イタリアでイタリアらしい木といえば、「糸杉」が先ず浮かぶ。イタリアでよく見られる、イタリアの風景をかたちどる代表的な木である。ローマのボルゲーゼ公園やフォロロマーノの遺跡、フィレンツエのフィエゾレ、ピサの斜塔などの背景に無くてはならない木である。あくまでも綺麗な円錐形をして天に突き刺すような勢いで伸びている。イタリアだけでなくヨーロッパ各地でも見られる。ギリシャのアクロポリス神殿の丘や又アゴラの神殿にもそびえていて神殿の偉容を高めるのもこのチプレッソである。

デンマークの文豪”アンデルセン”の「即興詩人」は日本の文豪"森 鴎外”の名訳によって明治・大正以来、多くの読者に親しまれた本であるが、その冒頭、トリトーンの像から勢いよく噴水を射出しているバルベリニー広場にこの物語の主人公が幼少期を送った茶色の衣を着たカプチーノ派の寺院がある。その物語の中にもこの糸杉の描写がある。

友人がアメリカ・カリフォルニアのロサンジェルスに住んでいた時、アドレスに
cypress(cipressoの英語名) と記入したことを思い出す。イタリア人がこの付近に居を定めた時、懐かしい木の名前を町の名に選んだのであろうか。(P)

読んでいただき、ありがとうございます。
 イタリア語、今後もお楽しみに!

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