地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

たまご

2011-11-10 00:00:00 | スペイン語

huevo(ウエヴォ)

 スペインの卵料理と言えば、トルティーヤやフラメンカ・エッグ、これからの季節はスパ・デ・アホ(にんにくスープ)で風予防など、パパッと思いつくが、今回は食べ物を置いておいて、卵の家。
 この家は、バルセロナから先だって書いた「電車」に揺られること
約2時間、フィゲラスと言う町にある。この町は誘惑が多い町で、駅を降りると先ず公園に突っかかり、かわいらしい商店街に突っかかり…目指す卵の家になかなか到達しなかったのを覚えている。
 ここは「ダリ劇場美術館」卵の下の壁面の金の点々は、近くで見るとパンの形をしている。この美術館の向かいのパン屋さんで今も買うことができる。と、とっても美味しいもので出来たダリの美術館は、まさに劇場…
 スペイン語の「車」で、さらさが書いた雨の降る車があるのもこの美術館である。美術館については、さらさが詳しく書いているので、読み返して欲しい。
 この美術館を「卵の家」と呼ぶのは実は正しくない。カケダスにあるダリの家こそが通称「卵の家」と呼ばれている。こちらにはまだ行ったことがないか、やはり卵が、屋根のそこかしこにのっている。[a]

卵は一体いくつのっているかな? 
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クロアチアには、卵に絵を描いた芸術が!!
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電車

2011-11-01 21:59:08 | スペイン語

tren(トレン)

 スペインでは電車の旅を良く楽しんでいる。
 新幹線のAVEから在来線に至るまで北へ行くにも南へも、電車の旅は楽しい。
 もちろん、バルセロナやマドリッドの地下鉄も大活躍する。
 この電車は、国鉄レンフェのバルセロナから方向的にはフランスの方に向かっている電車で、ダリ美術館に行く時に乗った。
 小旅行へ行くのにぴったりの、向かい合わせの座席に座り、長いトンネルを抜け、緑とレンガの建物が心落ち着かせる車窓を楽しんだ。

 スペインの電車は乗りやすい。駅の表示もわかりやすく、迷うことはほとんどない。
 一度、内陸のクエンカへ出る際に乗りそこなったことがった。
 駅に着くと、駅員さんが「もうすぐ出るから早く行きなさい!」と声をかけてくれた。
 指差して教えてくれた電車の前に着くと、ドアは閉まっていた。
 ああ、すんでのところで間に合わなかったのだ!と、がっかりしたものの、電車が走る気配がなかった。
 待てど暮らせど電車は出発しないし、ドアも開かない。
 止まっているなら、乗せてくれたら良いのに…こんなときに限って他に乗客はなく、駅員の姿もなかった。
 しばらくして電車は走り去り、私はそれから次の電車が来るまで3時間を、スーツケースを抱えてホームで過ごした。
 やっときた次の電車もドアが開かない!後から来た乗客が、私を不思議そうに見ながら、車体のボタンを押した。

 帰国後、「え?手動の電車に乗ったことないの?」と、驚かれたが、東京の山手線育ちにとって、電車とは2分に1本やってきて、ドアは人を挟もうが何しようが閉まってしまい、乗車率120%でも、ガバッと開いて、人を放り出す乗り物である。

 物語を楽しむシアタートレインは、ホームから役者が芝居を始め、電車の中と観光地を巡る。
 春にはイチゴ電車が走り、たっぷりとイチゴを食べることができる。
 乗る楽しみだけでなく、スペインの電車にはイベントも沢山ある。[a]

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2010-10-12 11:54:20 | スペイン語
amigo(アミーゴ)

スペイン語のアミーゴは、日本でも広く知られた単語であろう。
陽気で、愉快で、知らない人とでもすぐに友達になれてしまう。そんな雰囲気が単語自体にもある。
ところがどっこい、スペイン大好きで、一人でふらふらしている私には、スペイン人の友だちがいない。スペイン語が判らないのも原因のひとつ。
サッカーでも大好きであれば、「アミーゴ!」と、あっという間に、バル中の人と友だちになれるであろう。
タブラオや、バルに通いつめるということもない。スペイン語が判らなくても、何か共通する楽しみがあれば、スペインは友だちを作りやすい環境にあると言える。
そんな私が入っていきやすいのが、泉のそばや、公園にたむろしているおじいちゃん、おばあちゃんたち。
一人で散歩して、お弁当を食べていると、隣に座って、機関銃のように話し始める。
「一人なの?家族は?一人で旅行なんてダメよ!誰かと一緒にいなさい。家族はいいものよ!」と、こちらの返事も待たずに話している。
年をとると、友だちが少なくなって、出歩くのがおっくうになると友だち付き合いが減っていく日本と違って、スペインでは昼食までの時間、日向ぼっこしながらおしゃべりを楽しんでいる。
12時ごろになると、パン屋へ行って「さて料理をしようかね」と、ボツボツ帰っていく。(スペインの昼食は14時ころから)

今は一人旅を楽しんでいるけれど、年をとったら、何を話すでもなく、写真のおじいちゃんたちみたいに、童心に返って、ベンチに後ろ向きに座って、人や車を見ているようなお茶目なことをしたいな。[a]



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2010-05-01 00:00:00 | スペイン語

CASA(カサ)

スペインの友人の実家は、先祖代々受け継がれてきたお屋敷で
Gironaの歴史建造物ポスターに使われています。

彼女の家は、こちらの通りと向こう側の通りの両方が使えるくらいの邸宅で
中庭に噴水があって、それを挟んで半分の建物はおじいちゃまの居住区。
重厚な造りで、とても静かで、ゲストルームもとても広くて
遊びに行くといつもお母様が美味しい料理を作ってくれる。

そのお屋敷を久しぶりに訪ねてみたら、
噴水のある庭から向こう側、つまりおじいちゃまの居住区を売り払っていたのです。
おじいちゃまが亡くなり、彼女の5人いる兄弟もそれぞれ独立し、
今はご両親だけになって、こんな大きな屋敷は要らないということになったそうです。
それにしてもまだ大きい。

その家には、1800年代の書物や写真、映画の中でしか見たことのないような
小道具がたくさん残されています。
絵画もたくさんあって、聞けば中にはとても高価な絵も含まれています。
お母様はその高価な絵が気に入らないからといって、立派な額縁だけを残し、
絵の代わりに鏡をはめ込んで廊下に飾るような人。
だから、どんなに立派で大きくて高価なものであったとしても
必要ないものは平気で手放すような、私にとっては理想の人なんです。

お母様の言葉が鮮明に残っています。
 「子供達が独立して夫婦二人になって、家が広く感じて寂しいでしょって言われるけれど 
 そんなこと思ったこともないわ。だって、私の人生はまだまだ続くんですもの。 
 楽しいことがいっぱいあるはずよ」

彼女の家のゲストルームは3階にあって、広いバルコニーが付いています。
夫と二人、夜中に出て星空を眺めていると
ものすごい大きな鳥の群れが夜空いっぱいに広がってバサバサと飛んで行きました。
夢でも見てるような、幻想的な夜で、あれから3年くらい経つけれど
お母様の言葉と、あの夜景は忘れられないのです(ミ)

スペインの歴史ある邸宅から眺める夜空・・・星と鳥の数だけクリックよろしくね。人気ブログランキングへ


チーズ

2009-07-24 00:00:00 | スペイン語

 Queso(ケソ)

 Queseria(ケセリア)と言えばチーズ屋さん。メルカード(市場)で、大きなチーズの塊が積み上げられているのは、圧巻である。
 どれもこれも食べてみたい私は、真空パックになっている、お試しセットをスーパーで買う。だいたい5種類ぐらい入っている。
 できれば、大きな塊から「これを1キロください」なんて言ってみたいものだが、チーズだけで何十キロも買ってしまいそうなので、黙ってニタニタ笑いながら、店の前で見ている。
 スペインは実にチーズ造りに適した土地である。チーズの原料となる動物たちが住みやすい土地なのだ。
 スペインはメリノウールで、一時代を築いたが、羊はチーズももたらした。さらに、絶壁や岩場などをものともしない山羊にとっては天国。
 気候も文化も北部、中央部、南部で、まったく違うと言ってもいいスペインでは、数えきれないくらいのチーズが生まれた。
 北部の湿度の高い地域では洞窟や、山中で熟成させたブルーチーズが豊富。
 おまけにワインの国である。ワインと言えばチーズ。スペインには、赤ワインに漬けたチーズもある。
 バルのカウンターでつまみに始まり、ボカディージョ
サンドイッチ)、ドルセ(デザート)に至るまで、チーズづくしでも、おそらくいやになることはないであろう。それほど、見た目も、触感、味も様々である。
 スペインの昼食と言えば、フルコース(メヌ)が有名である。マドリードの小さなバルで、絶品チーズデザートの店がある。
 メヌにタルタ・デ・ケソ(チーズケーキ)や、フラン・デ・ケソ(チーズプリン)を出す店は、10ユーロ以下の店ではほとんどない。その昔、一度食べそこなってから、同じ店に何度も通ったことがあるが、最初の一回目に聞き間違ったのかと思いたくなるぐらい、出てこない。
 だから、フラン・デ・ケソが得意料理のこの店を発見した時は、食べるのが惜しいような、続けて3個くらい食べたいような、お宝を発見した気持ちになったものである。
 スペインチーズは、どれも大好きだが、私が好きなのはマラガあたりで作られているカブラ。アンダルシアの血が騒ぐのか、カブラと言う名の町で、いつの日か心行くまでケソ・デ・カブラを食べるのが夢である
 今度スペインに行ったら食べたいのが、
ケソ・ティティジャ。おっぱいチーズという、名前の通りの形と、ふんわりとした味を楽しめるという。
 スペインチーズについては、スペインのおいしい食卓からに、記事が満載なので、堪能してもらいたい。このブログをつまみにワインが飲める。[a]

 

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太陽

2009-03-13 00:00:00 | スペイン語

 sol (ソル)
 
 
スペインと言えば、太陽の国である。
 ホテルの星マークも、スペインでは太陽。高級ホテルは5星ならぬ、5太陽。
 アンダルシアは「スペインのフライパン」の異名を持つ、灼熱の太陽の国である。
 イスラーム支配が長かった事を打ち消すように、太陽の国である事を誇っている。
 スペインを表現するときに良く使われるのが「ソル・イ・ソンブラ(Sol y Sombra)」光りと影と訳される事が多いかと思うが、正しくは「太陽と陰」。
 スペインではこの「太陽と影」が重要である。
 闘牛場では、ソル(日当たり席)、ソル・イ・ソンブラ(そのうち日陰になる席)、ソンブラ(日陰席)と席が三段階に設定されており、日影席が一番高い。
 都心ではだんだんと廃れてきたシエスタ。アンダルシアの方へいくと、いまだに健在である。
 日中の半端ない暑さを体験すると、シエスタの必要性を実感する。
 たいてい午後2時を過ぎると昼食を取り、その後よろい戸を閉め、電気を消して、パジャマに着替え本当に寝てしまうのである。日本人の昼寝の感覚とは違い、明らかに「第2の就寝」である。
 ホテルで「シエスタの後で会いましょう」と約束したものの、ちょっとした用事を思い出してドアをノックしたところ、明け方に起こしたかのような姿に驚いた事がある。
 まさかパジャマに着替えて、本格的に寝ているとは思わなかったのだ。あまりの驚きに、すぐ寝かせてあげるどころか、たくさん質問して気の毒な事をした。ただ、相手もびっくりして「シエスタの時間なのに、着替えもせずに何しているの!」と言っていたので、所変われば常識が違うの、いい見本だ。 
 郷に入り手は郷に従え。シエスタの時間は、ゆっくりと休んで、日が翳った夕方から夜にかけて、1日の第2部を楽しむのがスペインでの利口な過ごし方と言える。
 ただ、真夏でなければ、
シエスタの時間の散策もお勧めである。
 小さな村などでは、人っ子一人姿が見えず、しーんと静まりかえっている。古きよき建物などをじっくりと眺めるにはもってこいである。
  写真はグエル公園のモザイク。こんな穏やかな太陽が照らす国であれば、情熱の国スペインにはならなかったかもしれないと思う。太陽と影のくっきりとした世界が、激しい情熱の国をよりいっそう際立たせている。
[a]

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2009-03-05 00:00:00 | スペイン語

 Luna(ルナ)

 
ラテン語由来、イタリアなども月はルナ。ルナが月を意味する単語である事は、よく知られているだろう。
 日本人でも、ルナちゃんという女の子の名前をよく耳にする。
  月の女神から取っていると思われるが、「気分屋さん」や「気の違った人」という意味もあることを知っておくといいだろう。月の満ち欠けと生き物の行動にはしばしば影響が見られるのは古今東西変わらないようである。
 スペインと言えば、太陽の国であるが、イスラーム時代のモニュメントには、やはり月が良く似合う。
 スペインには巡礼でおなじみのルートのほかに、銀の道、ワインの道などたくさんの旅のルートがある。アンダルシアには「カリフの街道(Ruta del Califato)」という、イスラーム時代の古城をめぐるルートもある。このルートには、やはり月が似合う。
 城はたいてい山の上にある。赤茶けた広大な大地に、ぽっかりと現れる斜面の急な丘に建つ城を、このルート上にいくつも見ることができる。
 ふもとから見上げる城と月の組み合わせ。辺りには何の障害物もない。小さなところでは、ライトアップもされていない。城からの眺めも最高にすばらしいが、月明かりにこうこうと照らされる城ほど美しいものはない。
 メディア・ルナ(Media luna)というと半月のことであるが、イスラムの国を意味する(主にトルコを意味する)。さらに、肉屋で良く使われている半月刀も指す。半月は、イスラームの象徴であるが、スペインに残る、イスラームのイメージがここにある気がする。
  写真はバルセロナ、ガウディ、カサ・バトリョの左上にかすかに見える月。[a]

ギリシャペルシャトルコエジプトの月も見上げてくださいね。
そして、ランキングも月明かりに照らされますように…
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スウィーツ

2009-02-17 00:00:00 | スペイン語

  dulce(ドルセ)

  スペインのスウィーツ、さてさて、困った。
 どれを書いて良いのか、さっぱり見当がつかない。
 なにしろ、スペイン料理でまずいものがない。スペイン人はみな両刀(お酒も甘いものも大好き)
 朝ごはんに欠かせない、
チュロスにしようか?
 パリパリのアメが美味しい、クレーマ・カタラナか?
 私がスペインの昼食で必ず頼む
フラン(プリン)にしようか?赤ワインとベストな組み合わせで、やめられない。
 
タルタ(ケーキ)もよりどりみどり。タルタ・デ・ケソ(チーズケーキ)も捨てがたい!
 
かぼちゃのところでタルタは書いたので、他のものにしようと、あれこれ考えてみる。
 地方によって焼き加減も形も違ってくるのは
メレンゲ。ふんわりとやわらかい、ちょっと弾力のある生ケーキのようなアンダルシアのメレンゲ。大きくてカリカリの、カケダスのメレンゲ。バルセロナではピーカンナッツの入ったものも食べた。搾り出した格好のものから、四角いケーキのものまで様々、地方色と言うよりはお店の好みかもしれないが、メレンゲはケーキ屋さんやパン屋さんによく並んでいる。 
 マドリードで、スペインを懐かしむのに買ってくる、スミレの
キャンディもかわいらしい。
 と、とどまることを知らない。
 今回うんうん言いながら写真を選んだのは、ナティジャ(Natillas)。
 クリームブリュレの先祖と言われている、クレーマ・カタラナにちょっと似ている。(クリームブリュレの先祖というのは、あくまでも俗説であり、フランスにこれよりも古い原型のお菓子があるそうだ)
 イメージとしては、カスタードクリームにシナモンを振ったお菓子といったところか。クレーマ・カタラナの表面を焼いていないものと言ったほうがいいか。
 スーパーでも、素焼の壺に入った高級品から、パックのものまで、プリンやヨーグルトと並んで売っている。
 シナモン好きにはたまらない一品であろう。シナモンの香りとクリームのこってりとした甘さ。またまたワインがすすんでしまう〆である。[a]

 「カフェ・地球散歩は、 いろいろなスウィーツを取りそろえております。甘~い中東菓子系列はエジプトイラントルコギリシャ、風邪予防に生姜味・日本の冷やしアメ、こちらもお楽しみください。カステラを追ってポルトガル

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2008-11-09 21:31:33 | スペイン語

 oveja(オベハ)

 さて、今年も羊の季節がマドリードにやってきた。
 実は今年の羊にあわせてこの記事をUPする予定であったが、どうにもこうにも、いつ行われるかを調べ切れなかった。
 マドリードが羊で埋め尽くされる日が毎年あるという。今年は10月の26日だったようだ。
 「スペインと羊」と言っても、ぴんと来る人は少ないかもしれない。
 ナバーラや、バスクの北スペインに残る先史時代からの話には、森の神バシャハウンが登場する。女神が多い中で、唯一の男神、森の奥深くに住み、全身毛むくじゃらだという。羊飼いから羊をさらい、その乳を飲んで暮らしている。嵐が迫ってくると大声で羊飼いに知らせ羊を集められるようにすることから、羊の群れの神様として崇められている。

  また。南からは遊牧民であるイスラーム教徒も羊を持ち込んだので、スペインでウール産業が飛躍的に伸びたのは自然の流れといえる。

 編み物をしたり、ウール製品が大好きな人は聞いた事があると思うが、メリノ・ウールの発祥はスペインである。いまや、オーストラリアで放牧されている画像が、多くの人の脳に焼き付いていると思うが、スペインからオーストラリアへたどり着いた8頭の羊が、まるで大地に雲が広がったのかと思えるまでに増えたのである。
 イスラームのヨーロッパへの玄関口、スペイン。元来持つ羊文化に、北アフリカからやってきた羊毛文化、ローマ帝国の技術が合わさり誕生したのが、真っ白でやわらかい羊毛、メリノ・ウール。
 スペイン大航海時代の巨万の富は、このメリノ・ウールによってもたらされた。コロンブスの新大陸発見の影に羊あり。
 さて、スペインはイスラーム統治時代があり、その間に広く牧畜が行われた。パウル・コエーリョの『アルケミスト』を読んだ事のある人は、思い出してほしい。主人公が羊を連れて歩き回ると言うくだりを。
 スペインの羊の飼い方は、羊を連れて歩く、「移牧」である。季節ごとに移動する、羊の道がスペインにはたくさんあるが、近年は都市開発が進み、この道も失われつつある。
 そこで1994年から、移牧の祭りが復活し、羊たちは歩く権利を主張するために、堂々とマドリードの幹線道路を横断すると言う。昨年は、有力紙EL PAISによると、数千頭の羊がマジョール通り、プエルタ・デ・ソル、アルカラ通り、シベーレス通り、プエルタ・デ・アルカラを抜け、カサ・デ・カンポへと大行進したと言う。今年も然り。
 日本人にも人気が出そうな祭だと思うが、日本では知られていない。
 実際の様子はぜひ動画でご覧いただきたい。[a]
 そして写真も…。(EL PAIS)

 聖書の羊イランへ 復活祭の羊ギリシャへ 出エジプト記エジプトへ
迷える羊英語、シルクロードを通って日本へも…ああ、とうとう1000頭…

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※この写真はmitra@アンダルシア

 


2008-10-04 13:15:32 | スペイン語

Coche(コチェ)

 この夏、突然やってきて猛威を振るったゲリラ豪雨。ニュースを見ていて、ふと思い出したのがスペインのダリ美術館だ。車の中に豪雨・・・という非現実的な光景は、美術館の中庭で起きる。コイン差し込み口のついた小さなボックスが横にあり、何だろう?と思って1ユーロを入れると・・・いきなりゲリラ豪雨が発生!

 車内にはアイビーの葉に囲まれた奇妙なマネキン人形が3体、ずぶ濡れだ。美術館に来ていた子供たちだけでなく、大人も何だ何だと集まって驚くやら喜ぶやら。時間で止まった豪雨を再現させようと、誰かがまた1ユーロを投入。再び豪雨発生で、ひとしきり盛り上がった。以来スペインといえば、この車である。

 サルバドール・ダリは20世紀のシュルレアリズムを代表する画家。絵画だけでなく、ピンとした口髭姿での奇行も有名である。美術館はバルセロナから特急で1時間半、北カタローニャ地方にあるダリの生まれ故郷フィゲラスという小さな街にある。市民戦争の爆撃を受けた劇場を買い取り、サロンの天井画を手がけるなどして70歳の時に完成した。

 建物は上部に沢山の大きな卵が並ぶ奇抜なデザイン。ミュージアムショップも充実、ダリがデザインした宝石を展示した施設が隣接している。ピカソやミロの美術館、ガウディの建築が観光の目玉であるバルセロナにプラスすると、旅が更に面白くなること請け合いだ。

 ところで子供が大好きなチュッパチャプスとダリの関係を皆さんはご存知だろうか。バルセロナ発祥の棒付きキャンディーを世界展開させるためにダリにロゴを依頼、頼まれたその場でナプキンにデザイン画を書いたものが原型だそう。日本のコンビニやスーパーの棚にダリのデザイン・・お菓子売り場を通るのが楽しみになった。(さ)

 参考 『絵画のみかた』 視覚デザイン研究所 ・ ウィキペディア

いつもありがとう!Gracias(グラシアス)!  ダリの描いた時計溶け出して時間がわからなくなる前に他の地域、エジプトイランギリシャイタリアの車も読んでみてね。クリックはダリが描いたアリの数だけよろしくお願いします!人気blogランキングへ

 

 


2007-11-11 23:54:49 | スペイン語

 Arroz(アロス)

 スペインの米料理と言えば、誰でも思い浮かべるのはパエリア(Paella/パエジャ)であろう。正式な名前は「アロス・ア・ラ・バレンシア」(Arroz a la Valenciaバレンシア風米料理)。
 パエリアが世界的に有名になった理由なぞ、私は考えた事もなかったが、サマセット・モームの本を読んだ人々が、こぞって食べに行ったからだと知った。
 『月と六ペンス』など有名な著作のイメージが先行するモームだが、ジェームズ・ボンドで有名なMI6に所属していた事もある。そんな彼がヨーロッパに持ち込んだ禁断の食べ物が、パエリア。
 モームによると、「バルセロナからマラガにいたるすべての沿岸地方で賞味されている。アンダルシアでは「パエリャ」と呼ばれる。まずいことは決してなく、ときとして信じられないくらいうまい」という。このバレンシア地方の米料理は、天才的イスラーム教徒の発明か、イスラムの主婦たちの台所で出来たものか知りたいという。」
 バレンシアのアル・ブフェイラ地方では、(Albufera/これもアラビア語源で湖)特に美味しいパエリアにありつけるそうだ。水田地帯でもある、この湖水地方のパルマール村(El palmar)では、湖で取れるうなぎのパエリアが名物だそうだ。
 米のスペイン語はアロスで、アラビア語源である。また、バレンシアが、イスラームの国であったことから、モームはパエリアは、いずれにしてもイスラームの持ち込んだ食べ物だと思っていたようである。
 私はいずれのモームの考えにも異存はない。しかし、アラブにパエリアと同じような料理があるかと言えば、未だ食したことはない。エジプト人に「パエリアを食べに行こう」と連れて行かれたことはあるが、それはやはり「スペイン料理」で、パエリア鍋でサーブされた。
 では、スペインとアラブの米料理がまったく違うかと言えば、そうでもない。米を炒めてから、水を入れて煮るのは、やはり米の到来と共に、調理法が伝えられたと考えられる。
 螺鈿でも何でも、アラブの発明とデザインはまことにすばらしい。しかし、それを芸術的な域に高め、更なる美の強調をやってのけたのがスペイン人と、スペインに定住したイスラームの民であると思う。
 パエリアの美しい彩と、魚介類と野菜の配列は、やはりアラブの食が昇華して芸術として出来上がったものだと思う。
 しかし、この美しいパエリアが、スペイン全土でどこでも食べられる今、私が食べてみたいのは、漁師料理の、売り物にならない魚をふんだんに入れて出汁をとっただけの、アロス・ア・バンダ(Arroz a banda/米は別にして)という、具のないパエリア。
 タダより高いものはない…出会いを楽しみに旅を続けたい。[a]

参照 『ドン・フェルナンドの酒場で』W サマセット・モーム 原書房

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2007-08-20 23:56:54 | スペイン語

 verano(ベラーノ)

 もうそろそろフェリアの時期。街のいたるところにポスターが貼られ、伝統的な、日本人が誰でも想像できるフラメンコの衣装が、ショーウィンドウを飾る。
 日本の浴衣のようなドレスを身に付け、大人も子どもも、町外れのフェリアの会場へと足を運ぶ。
 夜になると、頭上は電飾できらめき、屋台では巨大なチュロスが揚げられる。うず高く積み上げられたヌガーやお菓子。射的や、くじ、輪投げなどの露天がずらりと並ぶ。会場の奥へ行くと、特設会場やバルがひしめき、人々は飲めや踊れの大騒ぎ。
 夜にはカンテ(唄)とギターの音が星空に吸い込まれ、フラメンコの靴音が大地に語りかける。フェリアは午前2時ごろまでつづく。
 時を忘れ、地元の人々共に酔いしれ、最後までフェリアの会場にいると、観光客は時に締め出しを食らう。
 宿屋は大抵10時には門を閉めてしまう。門と部屋の鍵を預けてくれる一部のオスタルを除いて、深夜に出かけるときは用心が必要である。私などは、いつでも「開けて!」と、門を叩く羽目になり、玄関脇で寝ている宿のおじさんかお兄ちゃんをたたき起こす。ごめんなさい…
 
ドレスの水玉模様は、魅惑的なほくろを意味していると言う。フラメンコの衣装を着てみたい人は、今頃から9月にかけてアンダルシアに行くといい。フェリアの時期ならば種類も豊富だし、沢山の人が着て歩いている。
 サングリアのような、赤ワインをソーダで割ったティント・ベラーノを飲んで、暑いスペインの夏を情熱的に過ごしたい。[a]

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パン

2007-07-05 23:10:25 | スペイン語

 Pan(パン)

 スペインに限ったことではないが、ヨーロッパの、いや、やはりスペインのパンは、何を食べても美味しい。パンデリーヤ(パン屋)の前を通ると、入らずにはいられない。そして、安い。 主食のパンは、食べる前に買うのがふつうだ。パンを持っている人を見ると、これからご飯なのだなと、その人のお家の食卓を思い、なんだか嬉しくなる。家族で囲む食卓を想像させるスペインを、とてもいい国だと思う。
 日本で米が身近な、無くてはならない国民食であるように、スペインのパンも、無くてはならないものである。
 そのため、ことわざにも良く登場する。

 Contigo pan y cebolla.
 「あなたといられるなら貧しくとも構わない」と言う意味だが、cebollaはたまねぎのこと。パンとたまねぎさえあればやっていかれるらしい。
 
 Todos los duelos con pan son menos.
 「苦労もパンがあればたいした事はない」それはもう、スペインのパンであれば納得できる。

 menea la cola el can, no por ti, sino por el pan.
  「犬が尾を振るのは、パンにであって、君にではない」これも妙に納得してしまう。

 Muerto al hoyo y el vivo al bollo.
 『死んだものは墓へ、生きているものはパンへ」死者は墓へ行きなさい、生きているものは、どんなに悲しんでも使者を葬った後は食事のために還ってくるということらしい。(bolloはカステラみたいなパン、もしくは小さなパンのこと)

 どれをとっても、パンが日本人の米に相当していることが伺える。スペインの美味しいパンを携えて、夢を叶える旅に出たら、どんな試練も乗り越えられそうだ。[a]

 参考文献:『REFANERO ESPANOL スペインの諺辞典(2)』
      Bernardo villasanz/新井藍子  

美味しいパンを食べて、笑顔になろう。
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コーヒー

2007-06-22 22:29:20 | スペイン語

 café(カフェ)

 「私はバルセロナに行きたい!」と、イタリアはトリノの駅で叫んだ。
 それはもうドラマのような、ドキドキするシーンが展開された。私の自伝的ドラマが映画化されたら、ここは一つの山場である。
 と、冗談はさておき(実話ですが)、私はバルセロナ行きのサルバトール・ダリ号に、間一髪で乗ることができ、初めてスペインの空気を吸った。列車に乗ることができた私は、気絶するように倒れこみ、よく寝た。
 朝起きて、食堂車へ行くと、そこはスペインだった。
 寝る前は、確かにイタリアだった。何もかも、イタリアだった。
 いろんな国からの旅行者をのせた列車の共通語は、確かにイタリア語で、リラが飛び交っていた。
 それが、もうすぐバルセロナと言う時に「カフェ・ラッテください」と、私が言った。すると、「セニョーラ! カフェ・コン・レチェ!(café con leche)さ。カフェ・ラッテなんていうものは無いさ」と、カウンターの向こうから、おじさんが叫んだ。支払いももちろんペセタである。
 
 国境を越えたんだ…
 私は、スペインにいるんだ!
 
 初めて、一人で海外に出た私は、嬉しさと緊張と、恐怖と戦っていた。道端で地図を広げても大丈夫かどうか、何度もドキドキした。苦しくなると、バルに飛び込んで、カフェ・コン・レチェを頼んだ。初期の旅で、私はどれだけのカフェ・コン・レチェという、気付け薬を飲んだことか!
 座ると落ち着いてきて、しばらくすると、マン・ウォッチングに興じる。

 氷の入った硝子のコップと、カップに入った熱々のカフェ・ソロ(ブラック・コーヒーのこと。café solo)が、隣のテーブルに運ばれてきた。あの、氷だけのグラスは何だろう?と思った私は、びっくりした。アイスコーヒー(café con hielo)を頼むと、そうやって出てくることを知らなかったのだ。熱いコーヒーが注がれた、硝子のコップに見とれる。
 アメリカ人はいつでもアイスコーヒーを注文し、イライラしている。「なんで、この国はアイスコーヒーがないんだ!」
 そういえば、スペイン人が、アイスコーヒーを飲んでいるのを見たことが無い。そして、アイスコーヒーにミルクは入れないことになっている。
 
 別の機会、またしても隣はアメリカ人の模様。2人なのに、カップが3つ?「この国のコーヒーは、酔い覚ましみたいに濃いヤツばっかりでいかん」と、言っていたかどうかは定かでないが、カップのうち一つは、ただのお湯。エスプレッソを薄めてアメリカンにするのだ。これが、スペイン流、アメリカン・コーヒー(café americano)。

 子どもの頃、色水屋さんごっこが大好きだった私。スペインがますます大好きになってしまった。だって、人前で堂々と、じゃあじゃあできるんですもの!
 スペインにはいろんなコーヒーの飲み方がある。朝、食後、お茶の時間…その時々にあったコーヒーの飲み方ができるようになりたい。

 スペインのコーヒーに欠かせない「砂糖」の記事も飲んで…読んでくださいね。[a]

コーヒーは豆。豆マメしく、クリック、ポルファボール! 
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かぼちゃ

2007-03-22 00:44:02 | スペイン語

 calabaza(カラバサ)

 スペインで、見かけるけれども食べたことがないもの。それは、かぼちゃ。
 八百屋さんに置いてあるのも、観賞用が多かったりして、食用を売っているところも最初気がつかなかった。
 食用かぼちゃは大きいので、八百屋さんでは切り売りが主流。「これぐらい頂戴」と、手で大きさを示して買うらしい。
 かぼちゃをどうやって食べているのか、長い間、私の疑問だった。
 タベルナや、バルのメニューにのっているのを見たことがないのは、たまたまなのか、それとも家庭で食べるものなのか?
 ブログ、「スペインの美味しい食卓から」のamigoplazaさんにマドリードでお目にかかったので、かぼちゃについて聞いてみた。

 スープにして食べるのが一般的なようで、他の野菜と共にピューレにして、料理に使っているらしい。
 日本で想像するかぼちゃの煮つけは、こちらの筋っぽいかぼちゃでは美味しく出来ないという。
 どうしても「かぼちゃの煮つけ」が食べたい時は、切り口がオレンジ色のサツマイモを煮付けると「かぼちゃの煮つけ」みたいになるとのこと。
 あとはお菓子。かぼちゃの筋を甘く煮込んだ餡をはさんだパイが有名。早速、オススメのお店を紹介していただいた。
 見るからに、かぼちゃの気配なし!これでは気がつかない訳だ。常々、固定概念にとらわれないようにと、気をつけていたつもりだが、どうもかぼちゃに関してはうまくいかない。
 このパイ菓子、Cabello de Angelは、日本人的感覚だと「ぜんぜんかぼちゃの味がしない」お菓子だった。食べている間中、「これはかぼちゃ?かぼちゃ!」と、ぶつぶつ。意識しなければ、美味しいお菓子である。名前もかわいい。「天使の髪の毛」と言う意味。かぼちゃの筋を、天使の髪の毛に例えるなんて素敵。
 その後、お菓子屋を見ると、このCabello de Angelを探した。マドリードの市場ではBayonesa con Cabello de Angelと言うものもあった。マヨネーズ入り?甘くて水飴みたいなCabello de Angelにマヨネーズが入るとどんな味になるのだろう?
 かぼちゃには、塩気のあるバターなどがよく合う。マヨネーズとも相性は良いが、それは日本のかぼちゃの話。この味見は、次回のスペイン旅にとっておくことにする。[a]

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