地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

2012-03-30 00:00:00 | スペイン語(ペルー)

 pescado(ぺスカード)

 ペルーの忘れられない料理の一つがセビーチェである。

 私はなぜか、どこへ行ってもゲイに好かれる。いわゆる「オネエ」な感じの人たちではなく、一見してはまったく判らないが、おかげさまで旅先で貞操の危機に遭遇しない。
 ペルーの旅の時も、どこに行っても会うゲイのカップルがいた。個人旅行で日本人にはほとんど会わなかったが、移動のバスや現地ツアー、泊まるホテルなど、なぜかことごとく同じところにぶつかった。独身男性2人!運命を感じる出会い…とは程遠かった。
 ドイツ人のおじさんとメキシコ人のお兄ちゃんカップル。この組み合わせもおかしいが、日本人2人も目立つので、どちらも「また会っちゃった」といつも思っていた。
 リトル・ガラパゴスと言われるパラカスという町(日本のツアーでは基本的に行かない)のホテルに泊まっていた時、「僕たちはどうやら同じ感性で旅をしているようだね」と話しかけられた。
 町外れの、海に面した大きなホテルでのんびりとどこにも出かけないでいたら、一緒にお昼を食べに行こうと誘ってくれた。
 ぶらぶら散歩しながら、小さな食堂に連れて行ってもらった。
 そこで食べたのがセビーチェだった。
 「海のそばにいるのに、新鮮な魚介を堪能しないで、ホテルの中のレストランを渡りあるっているなんてダメだよ!」と言われた。
 白身魚とイカ、貝、サツマイモも入ったマリネ。
 いつもメインをひとつにスープを2つで十分だった私たちは、この時も一皿しか取らなかったが、そのことを今でも後悔している。
 ホテルではご飯を食べないという二人は、いろいろ食べ歩いて、この町で一番美味しかったというところに連れて行ってくれたのだ。

 マダムがお昼寝した後、プールサイドでトランプしながら「ところで君たちは家族ではなさそうだし、カップルというには年が離れすぎているけど、どんな関係なの?」と聞かれた。
 その後、マダムからは「あの二人はどういう関係なのかしら?」と聞かれた。
 「同じ質問をされましたよ。私たちがお友だちというのを不思議がられるのと同じじゃないですか?」と答えたら、「そうね!」とマダムは納得していた。
 
 不思議なご縁、魚のマリネを見ると思い出す。[a]

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2012-03-25 21:53:40 | スペイン語(ペルー)

 montaña(モンタニィヤ)

 ペルーの山といえば、やはり山の上にあるマチュ・ピチュであろう。
 最寄り駅のアグアスカリエンテスからバスで登ること40分。空中都市は、遺跡の入り口からさらに10分ぐらい歩かねば、その姿を見せない。
 険しい山の中に突如広がるかつての大都市には、先ずは呆然とするばかりである。
 朝早い時間は、霧の流れも早く、その下につづく段々畑を見下ろしていると、古代の王ならずとも、何か神秘的な力を得られるような錯覚におちいる。
 マチュ・ピチュの遺跡の中を奥へ奥へと歩き、そして正面にそびえる山、ワイナ・ピチュに登ることは、マチュ・ピチュを最大限に体感できる神秘的な体験となるのは間違いないと思う。
 この時、私は70代のマダムと一緒であったために、登山までは叶わなかった。
 体力のある人で、スキーもまだ滑っているような人であったから、恐らく片道1時間くらいの登山は可能であったと思う。
 しかし、それまでの行程で、とにかく断崖絶壁と岩山の遺跡続き。そして空気が薄い。国内線も少なく、バスでの長時間移動が多いなど、いろんな点を考慮すると、毎年転落者もいるワイナ・ピチュは、見るだけにした。
 いつの日か、マチュ・ピチュを発見したビンガム気分で、インカの道を歩き、マチュ・ピチュからワイナ・ピチュを目指してみたい。
 そして、〆に温泉で旅の疲れを癒して、チチカカ湖へ向かいたい…それがもしまたペルーへの旅が叶うなら私がしたい行程である。
 ペルーのことがわからなくてもスペイン語が判る方なら察しがつくであろう。
 最寄り駅のある町、アグアスカリエンテス(Aguascalientes)は「お湯」の意味である。ペルーの伊香保温泉、最高である。
 もちろん水着を着て入るのであるが。
 坂道の両側は土産物屋で、温泉に入った後のそぞろ歩きもまた良し。[a]


一段二段、段々畑の数だけ…

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遺跡

2012-03-15 22:26:00 | スペイン語(ペルー)

sitio(シティオン)

 ペルーの遺跡と言えば、マチュピチュやナスカなど、スケールの大きなものを、夢見がちに思い浮かべる人も多いだろう。
 いずれもすばらしいし、また行ってみたいが、今日の写真は、ピラミッドである。
 この写真からすると、テーマパークの様な感じもしないではないが、ワカ・ウアジャマルカのピラミッドは、今から約1800年前に造られた、現存する儀式用のピラミッドである。
 夕方、首都リマの閑静な住宅街を抜けて行くと、突き当たりにうすぼんやりと浮かんだピラミッドが見えてきて、とても幻想的だった。
 そして、ピラミッドの向こうに高層ビルが見えるというのは、風情が無いというか、奇妙な感じがした。
 

 翌朝、併設された博物館を見て、このピラミッドに登ってみたが、現代の町中にある、紀元後の遺跡は、歴史の厚みが薄く感じられた。
 インカの遺跡の石組は、キッチリとしていて、紙一枚通さない精巧さである。この日干しレンガのピラミッドも、手のひら大の大きさのレンガがきれいに並んでいる。

 あまりにも待ちのなかにあり過ぎて、神秘的な儀式を思い浮かべるのが、非常に難しかった。
 とはいえ、今でもふと思い出すことがある。
 夕暮れの、人通りのない住宅街に静かにたたずむピラミッドを。[a]
 

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道(ヨルダン)

2012-03-07 21:50:24 | アラビア語(ヨルダン)

شارع (シャーリア)

 ヨルダンの話が出ると、私は坂の話ばかりしているような気がする。
 もう耳にタコかもしれないが、極めつけを今日はお届けする。
 「道」なのに、道があまりよく写っていない写真だと思われるだろうか?
 日本であれば「富士見坂」という名前をつけられそうな道がたくさんあったアンマン。
 そんな道沿いのお家の前にはこうしてソファや椅子が置いてあった。
 午後の日陰、夕暮れの町、月夜…
 座るほどのこともない、ちょっとした立ち話の時でも、椅子があれば荷物を置くことが出来る。
 のんきな私は、休むことを許されれば、うたた寝ももちろんしてしまうことだろう。
 写真を撮ったときは、たまたま誰もいなかったが、
 息を切らせて上がってきた私たちを、このソファに座ってみている人がいたならば、きっと「ちょっと休んでおいきよ」と、声をかけてくれたに違いないと思う。[a]


ソファでゆっくりくつろいで、絵を眺める…
そうそう!「地球散歩」の裏方Marshさんが、今週は表舞台で活躍です!
さむくて、縮こまった体が、暖かくなる個展「夏へのとびら」へ、ぜひお散歩してみてくださいね。
詳細はこちら(~3/11まで、東京)



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