صيف (サイフ)
エジプトの夏は暑い。陽は肌を刺すようである。目の前は、白く反射して見える。
金属のカスタネットの音が、乾いた空気の中ですると、水売りが現れる。独特の衣装に身を包み、硝子の大きな壺を抱えている。
お盆の上に、シャーイ(紅茶)のコップを沢山載せた、ウエイターが車道を縫うように歩き、タクシーやバスのドライバーにお茶を渡す。無料で配っているのかと思ったら、そうではないという。後日、コップを返しにいき、その時コップの数だけ代金を払うそうだ。走っている車の中から、的確に自分の客を見つけるお茶屋もすごい。そして、この支払いシステムは、エジプトの中では良く見られる。対観光客だと、騙したごまかされたがよく問題になるが、実際の生活の中ではウソのように信用取引が成り立っている。
エジプト的夏ばて予防は、暑い時は、熱いものを食べて飲むことだという。熱くて甘い紅茶は、確かに疲労回復にもってこいだ。そして、熱いものと冷たい物を一緒に摂らないこと。
ジュースを飲んで、アイスを食べて、ちょっと冷えちゃったから、お茶を飲もうというのは、日本人には良くあること。でもこれは、腹痛になりやすい。下痢は、体力をものすごく消耗する。
エジプトに行った観光客が、良く下痢をすると、水のせいにしているが、それはほとんどが間違いだ。大抵は、灼熱地獄に耐えられず、冷たい水をがぶ飲みする。これが原因している。
エジプト人の食事を見ていると、食事中に飲むのは水。食後はお茶である。ジュースを飲むのは、別の時である。
5回のお祈りも意味がある。お祈りの際には、耳、口、手足を清めることになっている。夏は面倒だし、気持ちいいからとシャワーを浴びてしまう人も多い。衛生的で、水分の補給になり、気分もシャキッとする。
そして、暑い時間は無理に働かない。夏の夜は長い。昼寝をたっぷりととった、子どもたちも宵っ張りだ。
昔ながらの生活を捨てない人も多い。日干し煉瓦の家に住み、ネグリジェみたいな民族衣装を着ている男の人もいる。なぜか?
涼しいから。土壁は呼吸する。夏は涼しく、冬は暖かい。扇風機があれば十分である。
おかしいのは、外は崩れそうな土壁でも、一歩中に入ると、オール電化なこと。古き良き物は残し、新しき良き物も取り入れる。このアンバランスがなんともいえない。
海水浴も、夏の風物詩。ビーチでは、ボール遊びや、日焼けを楽しみ、焼きイカや、とうもろこしの屋台が出る。すいか割りも、楽しいイベントの一つ。こうしてみると、日本の海水浴場と変わりがない。
タダ一つ違うところがあるとすれば、女性の水着。イスラームにおいて肌の露出は、許されない。そのため、黒い長袖、長ズボンの水着で、海に入る。これはビーチでも売っている。もっとも女性専用ビーチでは、どんな水着を着ているか判らない。トップレスのいるかもしれない。[a]
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